- 英
- formulation、dosage form
- 関
- 製剤形態、処方、製剤
WordNet
- a substance prepared according to a formula; "the physician prescribed a commercial preparation of the medicine" (同)preparation
- the style of expressing yourself; "he suggested a better formulation"; "his manner of expression showed how much he cared" (同)expression
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- 〈U〉公式化 / 〈C〉明確な表現
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/18 14:30:15」(JST)
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剤形(ざいけい、英: dosage form)は、医薬品や農薬をその目的、用途に応じ適切な形に製したものの形自体を意味する。剤型と表記する場合もある(表記に関しては“剤けい”の表記の項を参照)。
本稿では特に明記がない限り医薬品の剤形について述べる。
目次
- 1 概要
- 2 歴史
- 3 剤形の例
- 4 製剤技術
- 5 “剤けい”の表記
- 6 脚注
概要
医薬品や農薬の有効成分を、そのままあるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤その他の適切な添加剤などを加え、一定の製法により形を整えた剤形として錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤など、有効成分を適切な溶剤や基剤に溶解または混和するなど一定の製法により形を整えた剤形として液剤、ローション剤、軟膏剤などがあり[1]、整形された形とその製法によって剤形の名称が決まる[2]。
剤形の類義語として「製剤」(英: preparation(s))があるが、剤形は整形された医薬品等の形自体を意味する(つまり名詞)一方、製剤は整形・製造した医薬品等を意味する他、医薬品等を整形・製造すること自体の意味もある(名詞および動詞)。
歴史
剤形の歴史は製剤の歴史の項目を参照。
剤形の例
『日本薬局方第15改正』製剤総則では以下の28種の剤形の分類が掲載されており、その製法および形などを規定している[1]。
- エアゾール剤(Aerosols):医薬品の溶液、懸濁液などを容器に充填した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力によって、用時噴出して用いる。外用塗付、吸入、内服などの目的に用いる。例:サルタノールインヘラー
- 液剤(Liquids and Solutions):液状の内用液または外用液で、他の剤形に該当しないもの。有効成分をそのまま用いるかまたは溶剤に溶解する。
- エキス剤(Extracts):生薬の浸出液を濃縮または乾燥したもので次の2種類がある。
- 軟エキス剤:水あめようの稠度
- 乾燥エキス剤:砕くことができる固塊、粒状または粉末
- エリキシル剤(Elixirs):甘味・芳香のあるエタノールを含む澄明な内用液剤。医薬品またはその浸出液にエタノール、精製水、着香剤および白糖または甘味剤を加え、濾過等により透明な液に製する。
- カプセル剤(Capsules):医薬品を液状、懸濁状、粉状、顆粒状などの形でカプセルに充填するか、カプセル基剤で被包成型したもので次の2種類がある。
- 硬カプセル剤:有効成分をそのままもしくは適切な賦形剤などの添加剤を混和して均質としたものか、有効成分を粒状もしくは成型物としてものをカプセルに充填する。
- 軟カプセル剤:有効成分をそのままもしくは適切な賦形剤などを加えたものを、ゼラチンなどのカプセル基剤にグリセリンまたはソルビトールなどを加えて塑性を増し、被包成型する。
- 顆粒剤(Granules):医薬品を粒状にしたものでおおむね粒径355~1400μmのもの。有効成分をそのままもしくは賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を混和して均質とした後、粒状とし粒子をそろえたもの。
- 丸剤(Pills):医薬品を球状にしたもの。有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて混和して均質とした後、球状に成型する。
- 眼軟膏剤(Ophthalmic Ointments):結膜嚢に適用する無菌に製した軟膏剤。ワセリンなどの基剤と医薬品の溶液または微細粉末を混和して均質として、チューブ等の容器に充填する。医薬品粒子の大きさは75μm以下。
- 経皮吸収型製剤(Transdermal Systems):皮膚を通して全身循環血流に送達すべく設計された製剤。適切な基剤に有効成分を溶解または混濁し、必要に応じて粘着剤、溶剤、吸収促進剤などを加え、支持体またはライナーに展延し成型する。例:ホクナリンテープ
- 懸濁剤・乳剤(Suspensions and Emulsions):医薬品を液中に微細に懸濁または乳化させた液状の製剤。
- 懸濁剤:医薬品に懸濁化剤と精製水または油を加え、懸濁し均質にする。
- 乳剤:医薬品に乳化剤と精製水を加え、乳化し均質にする。
- 坐剤(Suppositories):医薬品を基剤により成形し、肛門または膣に適用する固形の外用剤。体温によって溶けるか、軟化するか、または分泌液で溶ける。肛門坐剤は円錐形または紡錘形、膣坐剤は球形または卵形。
- 散剤(Powders):有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて粉末または微粒状に製したもの。おおむね粒径500μm以下のもの。
- 酒精剤(Spirits):揮発性医薬品をエタノールやエタノールと水の混液で溶かしたもの。
- 錠剤(Tablets):医薬品を一定の形状に圧縮して製するか、溶媒で湿潤させた医薬品の練合物を一定の形状にするか、一定の型に流し込んで成型してもの。
- シロップ剤(Syrups):医薬品を白糖その他の甘味料または単シロップに溶解または混和し、濃稠な溶液または懸濁液とした内用剤。
- 浸剤・煎剤(Infusions and Decoctions):生薬を精製水で浸出した液状の製剤。
- 浸剤:生薬50gに対し精製水50mLを加え、約15分間潤した後、熱精製水900mLを注ぎ、5分間加熱、冷後、布ごしして製する。
- 煎剤:生薬50gに対し精製水950mLを加え、30分間加熱、温時、布ごしして製する。
- 注射剤(Injections):医薬品の溶液、懸濁液、乳濁液または用時溶解して用いる無菌の製剤で、皮膚または粘膜を通して体内に直接適用する。懸濁性注射剤中の粒子は150μm以下、乳濁性注射剤中の粒子は7μm以下とする。
- 貼付剤(Plasters and Pressure Sensitive Adhesives):布またはプラスチック製フィルムなどに有効成分と基剤からなる混合物を延ばし、皮膚患部、または皮膚を通して局所患部へ有効成分を到達させるために皮膚に粘着させて用いる局所作用型外用剤。
- チンキ剤(Tinctures):生薬をエタノールまたはエタノールと精製水で浸出して製した液状の製剤。
- 点眼剤(Ophthalmic Solutions):医薬品の溶液、懸濁液または用時溶解して用いる無菌の製剤で、結膜嚢に適用する。懸濁性点眼剤中の粒子は75μm以下とする。
- トローチ剤(Troches):医薬品を一定の形状に製し、口中で徐々に溶解または崩壊させて、口腔、咽頭などに適用する製剤。
- 軟膏剤(Ointments):適切な稠度で均質な半固形状に製した皮膚に塗布する外用剤。本剤は、脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、ろう、樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、懸濁化剤等を基剤とし、医薬品を加え全体が均質に混ぜて練り合わせて製する。本剤のうち、乳化した基剤を用いたものをクリームと称する。
- パップ剤(Cataplasms / Gel Patches):医薬品と水を含む混合物を泥状に製するか、布上に展延成型して製した外用剤。
- 芳香水剤(Aromatic Waters):精油又は揮発性成分を飽和させた澄明な液剤。
- リニメント剤(Liniments):液状または泥状に製した皮膚にすり込んで用いる外用剤。水、エタノール、脂肪油、グリセリン、石ケン、乳化剤、懸濁化剤その他の添加剤等の混和物に医薬品を加え、全体を均質にする。保存中に成分が分離することがあるが、用時混和して均質として用いる。
- リモナーデ剤(Lemonades):甘味と酸味がある澄明な内用液剤。通例、塩酸、クエン酸、酒石酸または乳酸のいずれかに単シロップおよび精製水を加えて溶かし、必要に応じてろ過する。本剤は用時調製する。
- 流エキス剤(Fluidextracts):生薬の浸出液で1mL中に生薬1gの可溶性成分を含むように製した液状の製剤。
- ローション剤(Lotions):医薬品を水性の液中に溶解、乳化もしくは微細に分散し均質に製した皮膚に塗布する外用剤。
製剤技術
剤形の具体な製剤技術にていては製剤の機能の項目を参照。
“剤けい”の表記
“剤けい”の表記・用字としては、「剤形」および「剤型」がある。 主な表記・用字の例は以下のとおり。
薬事法関連
- 薬事法(昭和35年8月10日法律第145号)本文には、「剤形」、「剤型」のいずれの記載もみられないが、密接あるいは間接的に関連する以下の省令には「剤型」の表記があり、「剤形」の記載はない。なお、例示しないが厚生労働省告示および通達レベルでは両者が混在している。
- 同法施行規則(昭和36年2月1日厚生省令第1号)第40条(承認申請書に添付すべき資料等)
- 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年12月24日厚生労働省令第179号)第9条(構造設備)、23条(無菌医薬品の製造所の構造設備)、24条(製造管理)
- 麻薬及び向精神薬取締法施行規則(昭和28年4月18日厚生省令第14号)第34条(輸出の届出)
- 動物用医薬品製造所等構造設備規則(平成17年3月29日農林水産省令第35号)第2条(一般医薬品区分の製造業者等の製造所の構造設備)
薬局方
- 日本薬局方第15改正には、「剤形」の記載があり、「剤型」の表記はない。
学術用語
- 文部省、日本薬学会共編『学術用語集 薬学編』2000年では、「剤形」として収載され、「剤型」としての収載はない[3]。
- 日本薬剤学会の公式ホームページでは、「剤形」の記載があり、「剤型」の表記はない[4]。
- 薬剤学の解説文中「…最も好ましい形状の医薬品(剤形)に仕立て上げること…」
インタビューフォーム
- 日本病院薬剤師会「医薬品インタビューフォーム 記載様式」1998年では、項目名として「剤形」と表記[5]。
- 製薬企業各社が作成・発行しているインタビューフォームでは、「剤形」「剤型」いずれの記載もみられる。
脚注
- ^ 「製剤総則」『日本薬局方第15改正』2006年、p9-16
- ^ 薬科学大辞典編集委員会編『薬科学大辞典』廣川書店、1983年、p503-504
- ^ 文部省、日本薬学会共編『学術用語集 薬学編』丸善、2000年、p359、ISBN 4-621-04780-9
- ^ 「日本薬剤学会とは」日本薬剤学会公式ホームページ 2008年10月22日閲覧
- ^ 『月刊薬事』1999年、41巻、3号、p54-56
投与経路 / 剤形 |
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経口投与 |
消化器
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固形
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丸剤・錠剤・カプセル剤・Osmotic controlled release capsule (OROS)・ソフトジェル剤
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液状
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溶液・懸濁液・エマルション・シロップ・エリキシル剤・チンキ・ゲル
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頬下投与 / 口腔投与 / 舌下投与
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固形
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Orally Disintegrating Tablet (ODT)・Film・ペロペロキャンディ・トローチ・チューイングガム
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液状
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マウスウォッシュ・歯磨剤・軟膏剤・Oral spray
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呼吸器投与
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固形
|
Smoking device Dry Powder Inhaler (DPI)
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液状
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pressurized Metered Dose Inhaler (pMDI)・ネブライザー・Vaporizer
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気体
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酸素マスク・酸素濃縮器・Anaesthetic machine・Relative analgesia machine
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|
点眼 / 点耳 / 点鼻 |
点鼻・点耳・点眼・軟膏剤・Hydrogel・Nanosphere suspension Mucoadhesive microdisc (microsphere tablet)
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Urogenital |
軟膏剤・ペッサリー・Vaginal ring・膣洗浄器・Intrauterine device (IUD)・Extra-amniotic infusion・Intravesical infusion
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直腸 (経腸) |
軟膏剤・坐剤・浣腸 (溶液・Hydrogel)・Murphy drip
|
|
真皮 |
軟膏剤・リニメント剤・ペースト・Film・Hydrogel・リポソーム・Transfersome vesicals・クリーム・ローション剤・リップクリーム・シャンプー・Dermal patch 経皮吸収パッチ・Transdermal spray・Jet injector
|
|
注射 / 点滴
(into tissue/blood) |
皮膚
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注射・Subcutaneous・Transdermal implant
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Organs
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Intracavernous・Intravitreal・Transscleral
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中枢神経系
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Intracerebral・Intrathecal・硬膜外
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循環器 / 運動器
|
静脈注射・Intracardiac・Intramuscular・Intraosseous・Intraperitoneal・Nanocell injection
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Additional explanation: |
Mucous membranes are used by the human body to absorb the dosage for all routes of administration, except for "Dermal" and "Injection/Infusion".
Administration routes can also be grouped as Topical (local effect) or Systemic (defined as Enteral = Digestive tract/Rectal, or Parenteral = All other routes).
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Japanese Journal
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- 剤形,種類の異なる合成グルココルチコイド製剤の副腎軸と甲状腺軸に対する影響 (日本獣医師会学会学術誌) -- (小動物臨床関連部門)
- 佐藤 穂高,川原井 晋平,根尾 櫻子 [他]
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 67(9), 679-685, 2014-09
- NAID 40020205898
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
- イプリフラボン錠200mg「サワイ」は、1錠中に日局イプリフラボン200mgを含有する。
添加物として、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
効能または効果
- 骨粗鬆症における骨量減少の改善
- 通常、成人には1回1錠(イプリフラボンとして200mg)を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者〔消化性潰瘍、胃腸出血等が発現又は悪化する可能性がある。〕
重大な副作用
- (頻度不明)
- 消化性潰瘍、胃腸出血等を発現又は悪化させることがあるので、このような症状がみられた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、消化性潰瘍又はその既往歴のある患者には慎重に投与すること。
- 黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- イプリフラボン及びその代謝物は、直接的・間接的に骨吸収を抑制することにより骨粗鬆症における疼痛を軽減し、骨量の減少を抑制する。
- 前破骨細胞様細胞と骨芽細胞様細胞の共存培養実験により、骨芽細胞への作用を介して破骨細胞形成を阻害することが明らかにされている。
- エストロジェンのカルシトニン分泌促進効果を増強して骨吸収を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 7-(1-Methylethyl)oxy-3-phenyl-4H-chromen-4-one
分子式
分子量
融点
性状
- イプリフラボンは白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリルにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光により徐々に黄色となる。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- (調剤)formulation、preparation、dosage、(工業)drug product
- 関
- 製剤形態、剤形、処方、準備、調製、投薬量、投与量、標品、標本、服用量、プレップ、プレパラート、薬用量、用意、用量、製法
[★]
- 関
- dosage、dosage form、drug product、formulate、medication、preparation、prescribe、prescription、Px、recipe
[★]
- 関
- formulation
[★]
- 英
- formulation
- 関
- 剤形、処方、製剤
[★]
- 英
- form、shape、figure、appearance
- 関
- 型、外見、形式、形成、形態、杢、出現、図、品種、編成、見かけ、形をとる、フォーム、外観、成立、様子、形づくる