リン酸二水素ナトリウム一水和物、無水リン酸水素二ナトリウム
- 関
- 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
経口腸管洗浄剤
Japanese Journal
- 錠剤型腸管洗浄剤(ビジクリア^【○!R】)で腎不全を併発したと考えられる上行結腸癌の1例
- P2-111 経口腸管洗浄剤ビジクリア^[○!R]錠の副作用と受容性との関連性の検討(一般演題 ポスター発表,有害事象・副作用,医療薬学の創る未来 科学と臨床の融合)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ビジクリア配合錠
組成
- ビジクリア配合錠は1錠中にリン酸二水素ナトリウム一水和物734.7mg及び無水リン酸水素二ナトリウム265.3mgを含有する。添加物としてヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
- 透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者、急性リン酸腎症のある患者[吸収されたリンの排泄が遅延し、血中リン濃度の上昇が持続するおそれがある。腎機能障害、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)を悪化させるおそれがある。]
- 高血圧症の高齢者[急性腎不全、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。]
- うっ血性心不全又は不安定狭心症の患者[心不全症状や狭心症状を悪化させるおそれがある。]
- QT延長症候群、重篤な心室性不整脈を有する患者[QT延長や重篤な心室性不整脈症状を悪化させるおそれがある。]
- 腹水を伴う疾患を合併する患者[リン酸ナトリウムの過度の吸収を促すおそれがある。]
- 胃腸管閉塞症又は胃腸管閉塞症の疑いのある患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。また、リン酸ナトリウムの過度の吸収を促すおそれがある。]
- 腸管穿孔又は腸管穿孔の疑いのある患者[腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。]
- 中毒性巨大結腸症の患者[穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。]
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者[発疹、斑状丘疹状皮疹、アレルギー性浮腫等があらわれるおそれがある。]
効能または効果
- 通常、成人には大腸内視鏡検査開始の4〜6時間前から本剤を1回あたり5錠ずつ、約200mLの水とともに15分毎に計10回(計50錠)経口投与する。
- 大腸内視鏡検査前日の夕食は翌日の経口投与開始12時間前までに終了させ、夕食後は、大腸内視鏡検査終了まで絶食(水分[水、お茶等]摂取のみ可)とする。
- 本剤の服用に要する時間は、2時間30分である。また、本剤は排泄液の状態で服用継続の可否を判断するのではなく、用法・用量に従い、規定用量を服用すること。
- 海外で類薬の投与により、著明な体液移動、高度の電解質異常、及び不整脈をきたし死亡に至ったとの報告がある。このような所見は、腎不全又は腸管穿孔を有する症例の他、誤用又は過量投与の症例で認められているので本剤の投与の際には用法・用量を遵守すること。
- 高齢者に投与する際には、1回あたりの5錠を小分けし、15分間をかけて約200mLの水で投与すること。投与中は十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止すること。
慎重投与
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 高血圧症の患者[急性腎不全、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。]
- 循環血流量の減少(脱水等)のある患者[急性腎不全、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者[リン酸又はナトリウムの排泄が遅延し、腎機能障害の悪化や、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。]
- 腎血流量・腎機能に影響を及ぼす薬剤(利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、NSAIDs等)を使用している患者[急性腎不全、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)等が発現するおそれがある。]
- 慢性炎症性腸疾患が急性増悪している患者[リン酸又はナトリウムの吸収が亢進されるおそれがある。]
- 急性心筋梗塞及び心臓手術(冠動脈バイパス手術等)の既往のある患者[本剤投与時の血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。]
- 基礎心疾患(弁膜症、心筋症、不整脈等)のある患者[本剤投与時の血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。]
- 過去に心筋症、QT延長及び不整脈のコントロールができなかったことのある患者[本剤投与時の血清電解質変動により、不整脈を発現するおそれがある。]
- けいれん発作の既往がある患者及びけいれん発作のリスクが高い患者(三環系抗うつ薬など発作の閾値を低下させる薬剤を使用している患者、アルコールやベンゾジアゼピンの退薬症状(禁断症状)がある患者)[本剤投与時の血清電解質変動により、けいれん発作を発現するおそれがある。]
- 高度な便秘の患者[腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。]
- 腹部手術歴のある患者[腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。]
- 過去の大腸内視鏡検査やX線造影検査により腸管狭窄や腸管憩室が認められ、臨床症状を呈している患者[腸閉塞、腸管穿孔等を起こすおそれがある。]
- 薬物過敏症の既往歴のある患者[発疹、斑状丘疹状皮疹、アレルギー性浮腫等があらわれるおそれがある。]
重大な副作用
急性腎不全・急性リン酸腎症(0.1%未満)
- 重篤な事象として、急性腎不全、急性リン酸腎症(腎石灰沈着症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
低カルシウム血症(頻度不明)
- テタニー、しびれ、ピリピリ感、筋力低下、意識障害等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症(0.1%未満)
- 嘔吐等によって低ナトリウム血症をきたし、意識障害、けいれん等があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 腸管内水分量に対する作用及び瀉下作用をラットを用いて検討した結果、腸管内に水分を貯留させ、瀉下作用を示すことが確認された5-6)。さらに、イヌを用いて腸管洗浄作用について検討した結果、水様便が発現し、腸管内容物が観察されないことが明らかとなった7)。これらの結果より、腸管内に水分を貯留させ瀉下作用を示し、腸管洗浄効果を発現することが示唆された。
有効成分に関する理化学的知見
化学名
- リン酸二水素ナトリウム一水和物
Monobasic sodium phosphate monohydrate
分子式
分子量
性 状
- 無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、水に溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は潮解性がある。
化学名
- 無水リン酸水素二ナトリウム
Dibasic sodium phosphate anhydrous
分子式
分子量
性 状
- 白色の粉末で、水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。水溶液(1→100)のpHは9.0〜9.4で、吸湿性がある。
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