拡張型心筋症

出典: meddic

dilated cardiomyopathy DCM
うっ血性心筋症 congestive cardiomyopathy CCM COCM
心筋症特発性拡張型心筋症 idiopathic dilated cardiomyopathy

概念

  • 左心室内腔の拡張と収縮不全を来す原因不明の疾患
  • 特発性拡張型心筋症は難病であり、特定疾患治療研究事業に指定されている。

疫学

  • 30-40歳より徐々に発生。男性に多い(男女比=2:1) (YN.C-132)

病理

  • 心房・心室の拡張>>心筋層の肥厚
DCM is caused by ventricular dilatation with only minor hypertrophy.(PHD.253)

病態

  • 心室内腔の拡張 → 血栓形成、不整脈
  • 心収縮力低下 → 左心不全

症状

  • 心不全に伴う症状:呼吸困難、易疲労感

合併症

参考6
  • 左室壁在血栓:左室拡張よりびまん性左室壁運動が低下するため
  • 心房内血栓:左房拡張に伴う心房細動

身体所見

  • 胸部聴診:III音(房室弁の弁輪拡大により僧帽弁閉鎖不全症をきたし、これにより容量負荷が起こっている場合)

検査

心エコー

  • 心室壁運動低下
[show details]
傍胸骨左室長軸断層像
[show details]
Mモード
[show details]
  • 左室拡張
  • Mモードで僧帽弁を描出したとき、B-B' stepがみられる。僧帽弁エコー上のB-B'形成(B-B')は左室拡張末期圧(LVEDP)上昇を示す所見として重要視される(参考文献(1))。拡張期末期における心房収縮において、心室のコンプライアンス低下を反映している。

治療

  • 治療目標:心リモデンリング抑制、心負荷軽減、心不全、不整脈、心臓移植

生活指導

  • Na制限(5-8g)、水分制限、過労の回避

薬物療法

参考6
慢性心不全の治療に準ずる。βブロッカーとRAA系を抑制する薬剤を用い、必要があれば利尿薬、アルドステロン拮抗薬、硝酸薬を用いる。
  • βブロッカー
  • RAA系抑制:ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(アンジオテンシンIIの作用(細動脈収縮、アルドステロン分泌)に拮抗、水とNaの再吸収の抑制、心室リモデリングを抑制)
  • 利尿薬:
  • 強心薬?


  • 抗不整脈薬:クラスIは催不整脈作用を有するため適さない。重症心室性不整脈が存在する場合にはアミオダロンを投与。

心臓細動期療法

  • 薬物治療に不応の重症心不全

植え込み式除細動器

  • 心室性頻拍が見られる例

心臓移植

予後

  • 肥大型心筋症に比べて不良で、死因の半数は突然死
  • 5年生存率50%、10年生存率30%。(YN) 5年生存率76%で死因の多くは心不全・不整脈(参考6)
  • 予後の悪化と関連する因子は男性、年齢の増加、家族歴、NYHAⅢ度の心不全、心胸比60%以上、左室内径の拡大、左室駆出率の低下(参考6)


参考文献

  • 1. 心不全患者における僧帽弁B-B'stepの成因と意義に関する研究
  • 三木 隆
  • 神戸大学医学部紀要 51(1), 55-63, 1990-03
  • … NYHA心機能分類,Mモードエコー図上の左房径(LAD),B-B'持続時間(BB'T),パルスドプラー図上の急速流入期最大速度peakR,心房収縮期最大速度peakA,その減速度(ADcR),peakAとpeakRの比A/R,左房前駆出時間(APEP),左房駆出時間(AET)心カテーテル上左室圧曲線a波の立ち上がりからそのpeakまでの上昇圧(LVa),LVEDP,肺動脈模入圧(PCWP)を測定した。 … (2) BB'TはpeakA,ADcR,APEPとの聞に有意の逆相関を示した。 …
  • NAID 110002328905
  • 2. B-B's stepちょっとだけ説明 画像が小さいけど・・・
[display]http://seminar.aloka.co.jp/muse4/ch2/sub2/index.html
  • 3. 拡張型心筋症|慶應義塾大学病院 KOMPAS
[display]http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000200.html
  • 4. TOP > 循環器系疾患> 特発性拡張型(うっ血型)心筋症> 診療ガイドライン - 難病ドットコム
[display]http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=8&sid=2&kid=5
  • 5. 拡張型心筋症概説
[display]http://grj.umin.jp/grj/dcm-ov.htm
  • 6. 特発性拡張型心筋症 - 難病情報センター
[display]http://www.nanbyou.or.jp/entry/301


国試




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和文文献

  • 1.拡張型心筋症に対して免疫吸着療法が著効を示し,その後のカルニチン内服で心機能がさらに改善した1例(一般演題,日本アフェレシス学会第14回中部地方会抄録)
  • 森田 弘之,馬場 彰泰,島田 恵,赤石 誠,村山 章,若林 靖久
  • 日本アフェレシス学会雑誌 30(2), 177, 2011-05-31
  • NAID 110008661284
  • ベッカー型筋ジストロフィ症患者の麻酔経験
  • 大下 修弘,富山 芳信,堤 保夫 [他]
  • 麻酔 60(8), 950-952, 2011-08
  • NAID 40018942899
  • ウイルス性心筋炎から拡張型心筋症への進展機序 (特集 炎症・免疫からみた心血管病)
  • 中村 浩士,松崎 益徳
  • 循環器内科 69(6), 584-587, 2011-06
  • NAID 40018927317
  • 心不全(拡張型心筋症) (特集 新人ナースはここからスタート! 循環器疾患・症状の病態生理)
  • 馬場 彰泰
  • ハートナーシング 24(5), 466-470, 2011-05
  • NAID 40018842547

関連リンク

特発性拡張型心筋症(とくはつせいかくちょうがたしんきんしょう、Idiopathic cardiomyopathy、Dilated cardiomyopathy)は心臓の細胞が変化し、特に心筋が伸び てしまう心疾患である。日本では特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されている。 心臓が大きく ...
特発性拡張型(うっ血型)心筋症とは. 本症は心室の筋肉の収縮が極めて悪くなり、心臓 が拡張してしまう病気で肥大型心筋症に較べて予後の悪いものです。我が国のかつて 統計によると、診断されてから5年生存している人は54%、10年生存は36%とされてい ...

関連画像

拡張型心筋症拡張型心筋症(右図)では健康心  肥大型心筋症、拡張型心筋症拡張型心筋症拡張型心筋症 Dilated Cardiomyopathy 循環器 (4)心筋症(拡張型)拡張 型 心筋 症 ) 肥大型心筋症 拡張型心筋症


★リンクテーブル★
先読みCCM」「idiopathic dilated cardiomyopathy
国試過去問100D039」「102G050」「105I074」「103D040」「103C025」「106I028」「105B025」「106G023」「098G075」「097H027」「107I007」「096B033」「096G113」「101B107」「098H030
リンク元アミノエチルスルホン酸」「拘束型心筋症」「III音」「シャーガス病」「虚血性心筋症
拡張検索虚血性拡張型心筋症」「特発性拡張型心筋症
関連記事心筋」「心筋症」「拡張」「」「拡張型

CCM」

  [★]

congestive cardiomyopathy, うっ血型心筋症


idiopathic dilated cardiomyopathy」

  [★] 特発性拡張型心筋症 DCM


100D039」

  [★]

  • 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。
  • 58歳の男性。夜間の呼吸困難のため救急車で搬入された。
  • 現病歴: 4年前に狭心症と診断され、アスピリンと硝酸薬とを服薬していたが、半年前から中断していた。3か月前から駅の階段を昇るとき軽度の胸痛を感じていた。2日前冷汗を伴う前胸部絞扼感が数時間持続し、自宅での安静で軽快した。しかし、昨夜就寝後呼吸困難のため覚醒した。横になると呼吸困難が再発するので眠れず、午前3時に来院した。
  • 既往歴: 8年前に糖尿病を指摘された。
  • 現症: 意識は清明。身長169cm、体重75㎏。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧102/88mmHg。頸静脈の怒張を認めるが、心雑音はない。両側下肺野にcoarse cracklesを聴取する。右肋骨弓下に圧痛を認める。両側下腿に浮腫を認める。
  • 検査所見: 尿所見: 蛋白1+、糖2+。血液所見: 赤血球430万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球9,500、血小板30万。血清生化学所見: 血糖150mg/dl、HbA1c8.8%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dl、尿素窒素26mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総コレステロール224mg/dl、トリグリセライド190mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST60単位、ALT34単位、LDH620単位(基準176~353)、CK960単位(基準10~110)、Na148mEq/l、K4.6mEq/l、Cl103mEq/l。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)96%(酸素3l/分投与下)。入院時の胸部エックス線写真と心電図とを次に示す。
  • この患者の病態の原因はどれか。


心電図

  • 異常Q波:I, aVL, V1-V3
  • 陰性T波:I, aVL, V2-V6
  • R波減高:V4-V6
  • ST上昇:V1-V4
  • 所見
心筋梗塞#心電図の異常波形と時間経過 PHD.105
ST上昇が残存

胸部単純X線写真

心筋梗塞の場合、上昇してくる生化学マーカー

  上昇してくる時間
AST 6-12時間
LDH やんわりと出てくる。
CK  (CK-MBの場合) 3-4時間
[show details] [正答]
※国試ナビ4※ 100D038]←[国試_100]→[100D040

102G050」

  [★]

  • 19歳の女性。以前から心疾患のため外来に通院していた。日常の動作はできるが階段や坂を上ると息苦しくなった。2年前に少量の喀痰があった。1か月前に受診したときの現症は、身長157cm、体重42kg。軽度のチアノーゼとばち指とを認めた。II音の亢進を認めたが、心雑音は聴取しなかった。呼吸音に異常を認めなかった。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しなかった。浮腫を認めなかった。この時の心電図と胸部エックス線写真とを以下に示す。今朝、起床して洗顔をしている途中に倒れ 心肺停止状態で搬入された。蘇生術が行われたが死亡が確認された。
  • 診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 102G049]←[国試_102]→[102G051

105I074」

  [★]

  • 51歳の男性。息切れを主訴に来院した。3か月前から階段昇降時の息切れを自覚し、徐々に増悪してきたという。父方の家系に心疾患が多い。意敵は清明。身長172cm、体重62kg。呼吸数24/分。脈拍84/分、整。血圧104/64mmHg。III音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。心エコー図(別冊No.24A、B.C)を別に示す。
  • 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。




[正答]


※国試ナビ4※ 105I073]←[国試_105]→[105I075

103D040」

  [★]

  • 36歳の男性。息切れと疲労感とを主訴に来院した。2年前から労作時の息切れを自覚していた。意識は清明。脈拍84/分、整。血圧112/72 mmHg。胸部聴診でIII音を聴取するが、心雑音は聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。胸部エックス線写真での心胸郭比66%。心エコー図を以下に示す。
  • この患者の予後を改善するのはどれか。2つ選べ。


[正答]
※国試ナビ4※ 103D039]←[国試_103]→[103D041

103C025」

  [★]

  • 55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明でピンク色の泡沫状喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。呼吸数24/分。脈拍124/分、整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析(自発呼吸):pH 7.28、Pa O2 68 Torr、Pa CO2 52 Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。
  •  まず投与すべき薬剤はどれか。
  • ピンク色の泡沫状喀痰 → 肺水腫
[正答]
※国試ナビ4※ 103C024]←[国試_103]→[103C026

106I028」

  [★]

  • 糖尿病の合併症について正しいのはどれか。 2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 106I027]←[国試_106]→[106I029

105B025」

  [★]

  • ショックと原因の組合せで誤っているのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 105B024]←[国試_105]→[105B026

106G023」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 106G022]←[国試_106]→[106G024

098G075」

  [★]

  • 正しい組合せはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 098G074]←[国試_098]→[098G076

097H027」

  [★]

  • 特発性拡張型心筋症で正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 097H026]←[国試_097]→[097H028

107I007」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 107I006]←[国試_107]→[107I008

096B033」

  [★]

  • 脈圧が大きくなるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096B032]←[国試_096]→[096B034

096G113」

  [★]

  • 心臓移植が最も多く行われているのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096G112]←[国試_096]→[096G114

101B107」

  [★]

  • 移植の適応でないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 101B106]←[国試_101]→[101B108

098H030」

  [★]

  • 高血圧が原因とならないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098H029]←[国試_098]→[098H031

アミノエチルスルホン酸」

  [★]

aminoethylsulfonic acid
2-アミノエタンスルホン酸 2-aminoethane sulfonic acid、タウリン taurine
[[]]


Template:Infobox 有機化合物

概念

  • タウリン(Taurine)は生体内で重要な働きを示す含硫アミンの一種
  • H2N-CH2-CH2-SO3H
  • 分子量125.15
  • ネコはタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての重要な栄養素といえる。このためキャットフードにはタウリンの含有量を明記したものが多い。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症が生じる。ただし、ヒト、トリネズミなどは体内で合成できる。ヒトの生体内ではアミノ酸のシステインから合成される。
  • 有機合成化学ではシスタミンの酸化、システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸とアンモニアなどから誘導される。構造式は、NH2CH2CH2SO2OH。分子量125.15。IUPAC名は2-アミノエタンスルホン酸。無色の結晶であり、約300℃で分解する。水溶性だが有機溶媒には溶けない。CAS登録番号は107-35-7。

タウリンの代謝

タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つであることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。


拘束型心筋症」

  [★]

restrictive cardiomyopathy, RCM
拘束性心筋症
心筋症難病

定義

  • (1)硬い左心室、(2)左室拡大や肥大の欠如、(3)正常または正常に近い左室収縮機能、(4)原因不明を満たす疾患
  • 難病
  • 特定疾患治療研究事業対象(公費対象)の疾患

病因

  • 原因が心筋にあるもの
  • 原因が心筋以外のもの
  • 家族性蓄積疾患
  • 浸潤と肉腫

疫学

  • 有病率:(2002年の疫学調査)(参考2)
  • 拡張型心筋症:14.0/10万人対
  • 肥大型心筋症:17.3/10万人対
  • 拘束型心筋症:0.2人/10万人対

病態

左心室拡張障害によるうっ血性心不全
  • 左室内腔の拡大(×DCM)や壁肥厚はない(×HCM)。
  • 収縮能は正常。
  • 左房径は増大 ← 左心房は拡張(LAもrigitになる気がするけど、それでもやっぱり心房の方がコンプライアンスが高いから?そもそも、心室に血液を送り込めないから拡張せざるを得ないのだろう?)

身体所見

  • 心音:IV音

症状

  • 肺うっ血 → 呼吸困難

検査

  • 心カテーテル検査
  • 左室圧におけるa波が増大し、LVEDPが上昇。
  • 左室圧波形:dip and plateau (square root sign)

診断

治療

  • 対症療法

鑑別疾患

収縮性心膜炎との鑑別

  収縮性心膜炎 拘束型心筋症
contrictive endocarditis restricted cardiomyopathy
心カテーテル検査 両親室の拡張末期圧同じ 左室拡張末期圧 - 右室拡張末期圧 > 5mmHg
右室拡張末期圧 > 右室収縮末期圧/3 右室収縮期圧 > 50mmHg
右室経静脈的心内膜心筋生検   線維化や浸潤(アミロイド、鉄、転移性腫瘍などの浸潤)がみられる。
CT 肥厚した心内膜が観察される。石灰化があれば白く見える  
MRI 肥厚した心内膜が観察される  
LVとRVの壁厚を考慮すると、ある病因によるコンプライアンスの低下がLVでより顕著になると考えればよい?なんでだろう?

参考

  • 拘束型心筋症 - 認定基準
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/036_s.pdf
  • 難病情報センター - 拘束型心筋症(公費対象)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/259



III音」

  [★]

third heart sound, S3 heart sound S3
心音過剰心音IV音

タイミング

  • 収縮の初期。房室弁の開放に続く。心室急速充満期。
I-II-III

部位

  • left-sided:apex
  • right-sided:sternal border

  • dull, pitch:low. bell of the stethoscope
  • left-sided S3:the left lateral decubitus positionの時に心尖で大きく聞こえる

病態生理

  • 簡単に言えば、「容量負荷」
  • 1. 腱索が、血液が急に充満し心室が拡張するときに張力で緊張した(引っ張られた)結果起こるように見える(PHD.37)
  • 2. 急速流入期の血流による衝撃を心室壁の伸展によって逃がすことができず、衝突音が生じる(手技見え p.105)
  • 3. 急速流入期における心房から心室への流入血液量の異常な増加あるいは心筋緊張度の低下、心室収縮終期容量の増加に伴って起こる心室内の振動の増加(IMD.95)

III音を生じる病態

病的

生理的

  • 子供、若年者(20-30歳)、妊婦:正常(生理的III音)
  • 成人:うつ血心不全など起因する容量負荷。うっ血性心不全MRDCM(手技見え p.105)。 ← これは生理的ではない

QB.C-15

  • 拡張期流入血液増加:MR,AS
  • 心室コンプライアンス低下:DCM, MI後のcardiomegaly, heart failure

III音の増強

  • 静脈還流量が増加するような条件、例えば下肢の挙上



シャーガス病」

  [★]

Chagas disease, Chagas' disease
Chagas病
アメリカトリパノソーマ病 アメリカ・トリパノソーマ症 American trypanosomiasis、スキゾトリパノソーマ症 schizotrypanosomiasis、ブラジル・トリパノソーマ症 Brazilian trypanosomiasis、シャーガス-クルース病 Chagas-Cruz disease
トリパノソーマ属原虫

特徴

ウイルス学

病原体

疫学

  • 南アメリカ、中央アメリカ

潜伏期間

感染経路

症状

  • 拡張型心筋症巨大結腸巨大食道
  • 慢性期に移行しやすい(初期に見つかるのは感染者のうち1-2%)。
  • 多くの場合発熱を呈する
  • 初期:
  • 原虫侵入部の腫脹と領域リンパ節の腫脹
  • (眼の結膜)ロマニャ徴候
  • 全身への移行:筋組織を好む
乳児では脳炎、心筋炎が重症化しやすい
  • 脳:脳炎
  • 心臓:不整脈、拡張型心筋症
  • 筋肉:心筋炎

合併症

経過

  • 無症状期:10-20年の無症状期
  • 発症  :抗体陽性者の半数以上が心症状(拡張型心筋症)、消化器症状(巨大食道、巨大結腸)を呈する

治療

検査

予防

-Chagas病


虚血性心筋症」

  [★]

ischemic cardiomyopathy
心筋症拡張型心筋症


治療

参考1
  • 二次予防:アスピリンやスタチンの服用、高血圧と糖尿病の管理、禁煙、運動療法
  • 薬物療法:(禁忌でない限り全ての患者に行う)ACE阻害薬、βブロッカー、ループ利尿薬
  • デバイス療法:適応がある患者で薬物療法に加えて実施
  • 埋め込み式除細動器
  • 両心室ペーシングによる心臓細動器療法。
  • 左室形成術:左室の奇異運動、無運動に対して行われる。虚血心筋症患者にCABG単独群とCABG+左室形成術を行った群では予後に差がなかったというRCTがある(参考1)。
  • 血行再建:休眠心筋細胞のreactivation
  • 幹細胞/自己筋細胞移植

参考

  • 1. [charged] Diagnosis and management of ischemic cardiomyopathy - uptodate [1]


虚血性拡張型心筋症」

  [★]

ischemic dilated cardiomyopathy, ICM
  • QB.C-6, 090D027


特発性拡張型心筋症」

  [★]

idiopathic dilated cardiomyopathy, DCM


心筋」

  [★]

cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
心筋の活動電位横紋筋筋肉
筋小胞体が発達していない

心筋の酸素消費量 (SPC.226)

(tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
(doble product)∝(tension-time index)

心筋の筋収縮

  • 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
  • 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
  • 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
  • 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
  • 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
  • 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
  • 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
  • 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
  • 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
  • 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.




心筋症」

  [★]

cardiomyopathy CM

心筋症比較

HIM.1482
YN C-132 C-134 C-136
HIM 1481 1484 1485
  拡張型心筋症 肥大型心筋症 拘束型心筋症
DCM HCM RCM
胸部単純X線写真 中等度~重度心陰影拡大 中等度~重度心陰影拡大 軽度心陰影拡大
肺静脈拡張    
心電図 ST領域、T波の異常 ST領域、T波の異常 低電位
  左室肥大 伝導障害
  異常Q波  
心エコー 左心室拡張・機能不全 非対称性中隔肥大 左心室壁肥厚
  収縮期僧帽弁前方運動 収縮能:正常~軽度減少
核医学検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
  血液還流異常(201Tl/Tc-MIBI)  
心カテーテル検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
左室・(右室)充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇
心拍出量減少 左室流出路狭窄  




拡張」

  [★]

dilationdilatationenlargementextensiondilatedistendenlargeextenddilated
延ばす延長及ぶ拡大散大伸長伸展増大怒張伸びる広がる膨張拡張型伸び伸張


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態


拡張型」

  [★]

dilated
拡張




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