出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/27 01:48:42」(JST)
足 | |
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ヒトの足(側面)
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ヒトの左足の骨
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ラテン語 | pes |
英語 | Foot |
器官 | 運動器 |
動脈
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足背動脈
内側足底動脈 |
神経
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内側足底神経
外側足底神経 |
足(あし)は、一般的に身体の一部を指すが、言語用途によって意味が異なってくる言葉の一つである。
一般に生物学に限らず地に向かい体部を支えるものを指して足と呼び、それを機軸として慣用句として様々な意味合いを持つ言葉に発展してきた。
足はそれを所有する生物によって構成要素や構造が様々であり、彼らはその機能に見合った生活をしている。人という地上に生息する脊椎動物に限らず、無脊椎動物も含めて対という数で備わっており、発生学的に偶数字になっている。一般的な生物の足には様々な付属器官があり、指のみならず生殖器や外分泌器を備えているものもあり、それらを用い外敵に対抗し身を守る手段として利用している種が多くを占める一方、蛇のように足を痕跡が残る程度にまで退化させた種もある。また足に付属する指は、足による体勢維持や体を支えるという機能以外に様々な行動を補助するものとなっている。
両生類以上の脊椎動物では、二対の足を持ち、前のものを前肢、後ろのものを後肢という。基本的構造は二対でほぼ共通しており、鳥類では前肢は翼に該当する。また、前肢を手、後肢を足と区別する場合もある。なお、この分類では人間の足は後肢にあたる。
生物分類で脊椎動物以外に、足らしい足を持つものに節足動物が挙げられる。節足動物は体節ごとに一対の付属肢を持ち、付属肢は外骨格を擁し関節で屈折を可能とする。
環形動物と有爪動物では、節足動物のように体節ごとに一対の歩行器官が突出するが、これには外骨格も関節もないため、疣足と称する。
軟体動物では、基本的には腹面いっぱいに肉質の運動器官を備え、これを足という。分類群によってその形は大きく異なるので、足の形によって分類群の名が付いているものがある(巻き貝類→腹足類、二枚貝類→斧足類など)。タコやイカなど頭足類では足は多数に分かれ、足と呼ばれたり触手と呼ばれたりする。
棘皮動物では体内の水管系につながった細い管を多数体外に伸ばし外界に付着させ、付着した管を牽引することで自身が移動させる種があり、移動に用いられるそれらの細い管をさして管足という。棘皮動物は五放射相称であるため、管足は対をなさない。
細菌類では仮足と呼ばれる肢を伸ばし、移動や捕食、外界知覚を行う。
形態学的に人の足は踝(クルブシ)辺りから末梢端接地部までを指して呼んでいる(foot)。人のそれに限らず末梢端を「爪先(ツマサキ)」、趾表体部上面を「足の甲」、裏体部を「足の裏」または「蹠(あしうら)」「足底(ソクテイ)」「あなひら(趺=足のひら)」、表裏部下端を「踵(かかと)」「きびす」と呼ぶ。足の指を手の指と区別して「趾(あしゆび)」と呼ぶこともある。また接地部より上に向かうに当たって足首、脛(すね)、膝、腿(たい、もも)といった部位に分けられており、脚と比べて頻度は低いが腿までを含み足と呼ぶことがある。また便宜上、同じ訓を持つ「脚」という漢字を当て腿以下の下肢全体を指して呼ぶことがある。
「もも」は古くは「はぎ」と言い、対面して向かい合う部分を「向かはぎ」と呼んだが、やがて「はぎ」は脹脛(ふくらはぎ)を指すようになり、「向かはぎ」は「向こう脛(むこうずね)」に変わった。すなわち向こう脛は「脛」と同義である。脛骨の向こう脛側には、皮下のすぐ下の骨膜上を神経が走っている(弁慶の泣き所)。
脹脛は「腓(こむら)」とも呼ばれる。いわゆる「こむら返り」とは、脹脛の腓腹筋が痙攣を起こしている状態を指す。
膝の裏は凹んでいて、「膝窩(しっか)」「膕(ひかがみ)」などと呼ばれる。
人の足は人の手に匹敵する10以上の骨格筋と腱から成り立っており、立位時の体重移動にそれぞれが細かく動くことで負荷を分散させることに役立っている。
また、足の成長は、男性が16歳頃、女性は14歳頃で止まり、女性の足は男性の足と比べて小さい。
足は時として第二の心臓とも呼ばれ、立位時重力に従って下方向へ体液が流動することによって引き起こされる体液停滞むくみを、足の血管周辺の筋肉の運動によって上部へ押し返し再び循環系に戻すことを行っている。また手と同様に中医学における経絡(ツボのこと)が多くあるとされ、また足の不具合が体の他の部位の様々な病因となることがあるとされる。また足には手と同様に利き足があり、反対側よりも筋力、長さ等が発達していることが多く、左右の不均等が全身の歪みを引き起こすとも言われている。この足の利きの違いが山中での遭難の原因リングワンダリングを引き起こすと言われている。
足に何らかの症状を引き起こす病気として以下のようなものがある。
他にも様々な病因や病気があるが、実際に症状がある時は自己判断ではなく専門の医療機関に相談することが望ましい。
この節はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点からの説明がされていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2011年8月) |
足の保護を基幹として衛生、外見の装飾等の目的として人は履物を備える。履物の変遷として日本では、古来は屋外での下履きとして草鞋や草履、下駄、雪駄、脚半等、屋内では主に裸足または足袋で生活をしていた。 今日では人は下履きとしてサンダル・靴・ブーツまたは長靴等を主に履いているが、それは服装や作業に合わせて大きく変更される。 例えば、作業着の一部として地下足袋を土木工・左官等が多用しており、他に着物等和服に合わせて草履を履き、今日最も流通している洋服に合わせて洋物であるパンプス、ヒール、シューズ等を履く。またそれらを履く時は素足ではなく中履きとして靴下・ストッキング・足袋等を採用していることが多い。
足袋や五つ指が分かれた靴下などは水虫にかかりにくいとされる。かかとの厚い角質を洗い落とすために軽石を用いる場合がある。
近年は疲れやこりをほぐす足のリフレクソロジーやフットケア、臭いを抑え疲れをほぐす目的でアロマセラピーを併用したものを足に施すことが流行している。また足の爪は今日の生活上、物理的素因で変形変質しやすく、それらの改善のためにネイルケアを施すことが多くなっている。
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