- 英
- pyridine
- 関
- ピリジン塩基
WordNet
- a toxic colorless flammable liquid organic base with a disagreeable odor; usually derived from coal
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/21 10:55:28」(JST)
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ピリジン |
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識別情報 |
CAS登録番号 |
110-86-1 |
PubChem |
1049 |
ChemSpider |
1020 |
UNII |
NH9L3PP67S |
EINECS |
203-809-9 |
KEGG |
C00747 |
ChEMBL |
CHEMBL266158 |
|
- InChI=1S/C5H5N/c1-2-4-6-5-3-1/h1-5H
Key: JUJWROOIHBZHMG-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C5H5N/c1-2-4-6-5-3-1/h1-5H
Key: JUJWROOIHBZHMG-UHFFFAOYAY
|
特性 |
化学式 |
C5H5N |
モル質量 |
79.1 g mol−1 |
外観 |
無色の液体 |
密度 |
0.9819 g/cm3, 液体 |
融点 |
-41.6 °C, 232 K, -43 °F
|
沸点 |
115.2 °C, 388 K, 239 °F
|
水への溶解度 |
混和性 |
蒸気圧 |
18 mmHg |
酸解離定数 pKa |
5.25,[1][2] (C5H5NH+ の酸性度) |
屈折率 (nD) |
1.50920 (20 °C) |
粘度 |
0.88 mPa s |
双極子モーメント |
2.2 D[3] |
危険性 |
EU分類 |
Flammable (F)
Harmful (Xn) |
Rフレーズ |
R20 R21 R22 R34 R36 R38 |
引火点 |
21 °C , 294 K |
関連する物質 |
関連するアミン |
ピコリン
キノリン |
関連物質 |
アニリン
ピリミジン
ピペリジン |
出典 |
ICSC |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
ピリジン (pyridine) は化学式 C5H5N、分子量 79.10 の複素環式化合物の一つ。ベンゼンに含まれる6つの C−H 構造のうち1つが窒素原子に置き換わった構造をもつ。融点は−41.6°C、沸点は115.2°C、特異な悪臭を持つ液体。
石油に含まれるほか、誘導体(ピリジンアルカロイド)が植物に広範に含まれる。ニコチンやピリドキシンなどもピリジン環を持つ。酸化剤として知られるクロロクロム酸ピリジニウム (PCC) の原料として重要。また有機合成において溶媒として用いられる。
消防法による危険物(第四類 引火性液体、第一石油類)に指定されており、一定量以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。
目次
- 1 物性
- 2 反応
- 2.1 求電子置換反応
- 2.2 求核置換反応
- 2.3 酸化
- 3 ピリジン環を有する化合物
- 3.1 有機反応試剤
- 3.2 天然物
- 3.3 農薬
- 4 関連項目
- 5 脚注
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物性
ベンゼンとよく似た構造を持ち、ピリジンの窒素原子はsp2混成している。窒素原子は芳香族π共役系に 1電子を提供しており、炭素から提供された 5電子をあわせると 6電子となりヒュッケル則を満たすため、芳香族としての性質を示す。
ピリジンはベンゼンと同じように無極性溶媒に容易に溶けるが、極性溶媒である水にも溶ける。これはピリジンの窒素原子が水と水素結合を形成して溶媒和するためである。 窒素は炭素と比べて電気陰性度が高いため、分子内で窒素原子がわずかに負電荷を、残りの部分は陽電荷を帯び極性が生じていることも、極性溶媒に溶ける大きな要因である。
ピリジンはアミンであり、塩基性を示す。しかしその塩基性は他のアミンと比べてきわめて弱い。これは窒素原子の混成の差によるものである。
反応
ピリジンは塩基であるので酸と反応して塩を作る。これはピリジニウム塩と総称される。塩化水素とは以下のように反応し塩化ピリジニウムとなる。
- C5H5N + HCl → C5H5N+H·Cl−
求電子置換反応
ピリジンは芳香族でありながら、ニトロ化やアシル化などの求電子置換反応を受けにくい。そのためには強い酸触媒と高温条件が必要になり、収率も低いことが多い。この理由は、窒素の電気陰性度のために環がわずかに電子不足であることと、求電子置換反応は通常酸性条件下で行われるので、ピリジン窒素がプロトン化を受けて環の電子密度がさらに低下するためである。
置換反応は主に C-3位に起こる。これは陽イオン中間体であるピリジニウムイオンの陽電荷が C-2,4位に非局在化しており、それらの位置が求電子的攻撃を受けにくいためである。
求核置換反応
求電子置換反応に比べ、求核置換反応は起こりやすい。例えば、2-クロロピリジンや2-ブロモピリジンは酸性条件でヨウ化物イオンを作用させて、2-ヨードピリジンに変えることができる[4]。酸の付加により環が陽電荷を帯び、求核剤の攻撃を受けやすくなるためである。
酸化
ピリジンまたはその誘導体を過酸化水素や過カルボン酸などで酸化すると、環の窒素上に酸素原子が結びついたピリジン N-オキシドが生成する[5]。ピリジン N-オキシドに対しては混酸によるニトロ化などの求電子置換反応を行うことができ、それらは4位へと選択的に起こる。ピリジン窒素上の酸素は三臭化リンなどにより後に除去することができるため、ピリジンの 4-ニトロ化物を合成したい場合に N-オキシドを通る経路は有力である。
ピリジン環を有する化合物
有機反応試剤
- N,N-ジメチル-4-アミノピリジン - 求核性の触媒・塩基。
- ピコリン - ピリジンにメチル基が1つついた化合物。
- ビピリジン - 二座配位子。
- 2,6-ルチジン - 求核性の低い塩基。
- クロロクロム酸ピリジニウム - 酸化剤。
- ピリジニウムパラトルエンスルホナート - 酸触媒。
天然物
- トリゴネリン - オシロイバナやコーヒーに含まれるアルカロイド。
- ナイアシン - ビタミンB3。
- ニコチン - タバコの葉に含まれるアルカロイド。
- ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン - ビタミンB6。
- ベルベリン - キハダやオウレンなどに含まれるアルカロイド。
農薬
- イミダクロプリド (imidacloprid) -ネオニコチノイド系殺虫剤。
- パラコート (paraquat) -除草剤。
- ピリプロキシフェン (pyriproxyfen) -幼若ホルモン様殺虫剤。
関連項目
脚注
- ^ Linnell, Robert (1960). Journal of Organic Chemistry 25: 290. doi:10.1021/jo01072a623.
- ^ Pearson, Ralph G.; Williams, Forrest V. (1953). Journal of the American Chemical Society 75: 3073. doi:10.1021/ja01109a008.
- ^ RÖMPP Online – Version 3.5. Stuttgart: Georg Thieme. (2009).
- ^ 例: Schlosser, M.; Cottet, F. "Silyl-Mediated Halogen/Halogen Displacement in Pyridines and Other Heterocycles." Eur. J. Org. Chem. 2002, 4181–4184. doi:[[doi:10.1002%2F1099-0690%28200212%292002%3A24%26%230060%3B4181%3A%3AAID-EJOC4181%26%230062%3B3.0.CO%3B2-M|10.1002/1099-0690(200212)2002:24<4181::AID-EJOC4181>3.0.CO;2-M]]
- ^ Ochiai, E. "Recent Japanese work on the chemistry of pyridine 1-oxide and related compounds." J. Org. Chem. 1953, 18, 534–551. DOI: 10.1021/jo01133a010
官能基 |
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アルコール - アルデヒド - アルカン - アルケン - アルキン - アミド - アミン - アゾ化合物 - ベンゼン - カルボン酸 - シアネート - ジスルフィド - エステル - エーテル - ハロゲン化アルキル - イミン - イソニトリル - ケトン - ニトリル - ニトロ化合物 - ニトロソ化合物 - ペルオキシド - リン酸 - ピリジン - スルホン - スルホン酸 - スルホキシド - チオエステル - スルフィド - チオール
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単純芳香環 |
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単環 |
五員環 |
フラン - ピロール - イミダゾール - チオフェン - ホスホール - ピラゾール - オキサゾール - イソオキサゾール - チアゾール
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六員環 |
ベンゼン - ピリジン - ピラジン - ピリミジン - ピリダジン - トリアジン
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二環 |
五員環+六員環 |
ベンゾフラン - イソベンゾフラン - インドール - イソインドール - ベンゾチオフェン - ベンゾ(c)チオフェン - ベンゾホスホール - ベンゾイミダゾール - プリン - インダゾール - ベンゾオキサゾール - ベンゾイソオキサゾール - ベンゾチアゾール
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六員環+六員環 |
ナフタレン - キノリン - イソキノリン - キノキサリン - キナゾリン - シンノリン
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アルカロイド |
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インドール |
5-MeO-DMT | ジメチルトリプタミン | ハルマラアルカロイド | プシロシン | プシロシビン | レセルピン | セロトニン | トリプタミン | ヨヒンビン | シロシビン
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フェネチルアミン |
アンフェタミン | カチノン | エフェドリン | メスカリン | メタンフェタミン | フェネチルアミン | チラミン
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プリン |
カフェイン | テオブロミン | テオフィリン
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ピリジン |
コニイン
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ピロリジン |
ニコチン
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キノリン |
キニーネ
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イソキノリン |
コデイン | モルヒネ
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トロパン |
アトロピン | コカイン | ヒヨスチアミン | スコポラミン
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テルペノイド |
アコニチン | ソラニン
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ベタイン |
コリン | ムスカリン
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主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体 |
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Japanese Journal
- 低用量アスピリンとクロピドグレル併用による消化管出血 (AYUMI 薬剤起因性消化管傷害Update)
- 希土類触媒を用いたピリジン類のC-H結合の活性化とアルキル化
Related Links
- 石油に含まれるほか、誘導体(ピリジンアルカロイド)が植物に広範に含まれる。ニコチン やピリドキシンなどもピリジン環を持つ。酸化剤として知られるクロロクロム酸 ピリジニウム (PCC) の原料として重要。また有機合成において溶媒として用いられる。
- ピロールとピリジンの比較. サイトのTOP→理系インデックス 有機化学のTOP→有機 化学インデックス. ピリジン と ピロールはどちらも芳香族である。 ピリジンは塩基性を 示すことが知られているが、ピロールの塩基性はピリジンに比べると非常に小さい。 この ような ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
サラゾスルファピリジン錠500mg「タイヨー」
組成
- 1錠中:サラゾスルファピリジン……500mg
〈添加物〉
含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン
禁忌
- サルファ剤又はサリチル酸製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 新生児、低出生体重児 (「小児等への投与」の項参照)
効能または効果
- 通常1日4〜8錠(サラゾスルファピリジンとして2〜4g)を4〜6回に分服する。症状により、初回毎日16錠(サラゾスルファピリジンとして8g)を用いても差し支えない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3〜4錠(サラゾスルファピリジンとして1.5〜2g)を用いる。
ステロイド療法を長期間継続した症例については、4錠(サラゾスルファピリジンとして2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必要である。
慎重投与
- 血液障害のある患者
- 肝障害のある患者
- 腎障害のある患者
- 気管支喘息のある患者[急性発作が起こるおそれがある]
- 急性間歇性ポルフィリン症の患者[急性発作が起こるおそれがある]
- グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者[溶血が起こるおそれがある]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳婦 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 他の薬物に対し過敏症の既往歴のある患者
重大な副作用
- 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、貧血[溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等]、播種性血管内凝固症候群(DIC) 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、貧血[溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等]、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症型薬疹 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症型薬疹があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、次のような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれることがある。
なお、これらの症状は、薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
- 間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎 間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎 急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)、S状結腸穿孔 消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)、S状結腸穿孔があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 脳症 脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、意識障害、痙攣等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 無菌性髄膜(脳)炎 無菌性髄膜(脳)炎[頸部(項部)硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等]があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 心膜炎、胸膜炎 心膜炎、胸膜炎があらわれることがあるので、呼吸困難、胸部痛、胸水等があらわれた場合には投与を中止し、速やかに心電図検査、胸部X線検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
- SLE様症状 SLE様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸 AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある。また、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- サラゾスルファピリジンは、腸内細菌の作用で5-アセチルアミノサリチル酸とスルファピリジンに分解する。5-アセチルアミノサリチル酸が活性代謝物と考えられており、腸管の粘膜下結合組織に蓄積し、抗炎症作用を発現する。活性酸素の消去、LTB4生合成の抑制、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制、血小板活性化因子の生合成抑制、インターロイキン1-βの産生抑制の関与が認められている。3)
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pyridinol carbamate
- 関
- ピリジン
[★]
- 英
- pyridine base
- 関
- ピリジン
[★]
- 英
- dihydropyridine
[★]
- 英
- 1-methyl-4-phenyl-1
- 関
- メチルフェニルテトラヒドロピリジン
[★]
- 英
- dihydropyridine
- 関
- ジヒドロピリジン系
[★]
ジヒドロピリジン系
[★]
ジヒドロピリジン系
[★]
- 英
- lysine, Lys, K ≠ ricin
- 同
- リシン
- 関
- アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン
-CH2-CH2-CH2-CH2-NH2
α β γ ε >εアミノ基を有する。即ち、側鎖には炭素が4つ含まれる。
- ヒストンにLysが豊富なこと、Lysのεアミノ基がアセチル化を受けると正電荷が失われる。-NH-CO-CH3