- 英
- ion exchange resin、ionic exchange resin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/19 21:28:18」(JST)
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イオン交換樹脂製ビーズ。カラムなどに詰めて用いられる。
イオン交換樹脂(イオンこうかんじゅし、ion exchange resin)またはイオン交換ポリマー(ion-exchange polymer)[1]は、合成樹脂の一種で分子構造の一部にイオン基として電離する構造を持つ。
水などの溶媒中のイオンとイオン交換作用を示すが、その挙動はイオンに対する選択性に従う。イオン基の性質により、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に大別され、またその解離性により強酸・弱酸、強アルカリ・弱アルカリに分けられる。
目次
- 1 概要
- 2 歴史
- 3 用途
- 4 出典
- 5 関連項目
概要
イオン交換樹脂は、主に直径 1 ミリメートル弱の粒状で供給・利用されるが、その他にも繊維状や液状の製品もあり、膜状のものは特にイオン交換膜と呼ばれる。
高分子であるため性質上非水溶性であり、水に溶けない酸や塩基と見なす事もできる。高分子の分子鎖が網目構造を取るため、水やイオンの浸透が容易であり、活性炭などの吸着剤と同様、大きな比表面積を持つ。
イオン交換樹脂はその分子内に、交換されるイオンを放出する基(例:スルホ基)を持つ。イオン交換能は、一定量のイオン交換を行うと失われるが、元の交換イオンを含む水溶液に浸漬することで回復する。
最も一般的なイオン交換樹脂の構造は、スチレン・ジビニルベンゼンの共重合体からなる母体を持つものである。ポリスチレン長鎖分子が、ジビニルベンゼンの架橋により立体的網目構造の樹脂を形成する。このためビーズの様な形状であっても、その内部には広い表面積を持つ。
イオン選択性は、常態では価数が大きく重いイオンほど大きく(イオン交換されやすく)なる。このため、水素イオンと水酸化物イオン(酸とアルカリ)で再生したイオン交換樹脂は、様々なイオンを水中から取り除く能力を持つことになる。フッ素イオンは水酸化物イオンより選択性が小さいため、イオン交換しにくい。
ボイラー内部に、炭酸カルシウムなどを主成分とする堆積物が生じると熱効率が損なわれる。そこで、食塩水で再生したイオン交換樹脂にボイラー補給水を通すことにより、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの硬度成分は食塩に交換され、堆積物を生成しない軟水になる。このような軟水化する装置を軟水器と呼ぶ。
歴史
- 1845年 土壌粒子によるイオン交換作用が発見される。
- 1930年 フェノール類にイオン交換体が見出され、合成イオン交換体の研究が始まる。
- 1935年 フェノール類および、アニリン、メタフェニレンジアミンに対しホルマリンを作用させる縮合反応によるイオン交換樹脂が発明。
- 1938年 イオン交換樹脂の工業生産がIG・ファルベンで開始され、日本でも三菱化学にて製造研究。
- 1944年 現在主流となっているスチレンによる製品が、ゼネラル・エレクトリックで開発される。
- 1946年 三菱化学がダイヤイオンシリーズの生産を開始(1955年からスチレン系)。
- 1948年 純水製造への利用が開始される。
用途
イオン交換樹脂中の固定イオンと様々な溶液中の対立イオン(交換されるイオン)との吸着の差を利用することによって、溶液に含まれた各イオンを分離することができる。
主要な用途として、中性塩の分解・脱塩と、特定イオン基の回収・除去があげられ、化学工業での物質精製などに用いられている。
- 硬水の軟化処理 炭酸水素カルシウムを塩化ナトリウムまたは水に交換することで、軟水に変える。
- 純水、超純水の製造 水中のイオンを水素イオンと水酸化物イオンにそれぞれ交換し、両者は反応して水になる。最近はイオン交換膜と組み合わせることで、再生不要の装置が開発されている。
- 海水淡水化 初期の淡水化事業で、脱塩に利用された。
- 有機酸の除去 活性炭で吸着除去しにくい低分子の有機酸を、弱陰イオン交換樹脂が効率よく交換除去することができることを利用し、商品価値を向上させる。
- 濃縮果汁から有機酸を除去して酸味を取り除く。
- 粗精製されたショ糖や水飴などを着色している有機酸を除去し、脱色(白く、または透明に)する。
- アルコールや食用・薬用油脂類に含まれる不純物を除去、精製する。
- アミノ酸やビタミン、抗生物質などの有用有機酸、有機アミンを抽出・精製する。
- 金属イオンの分離・回収 貴金属、レアアースなどをキレート樹脂なども組み合わせて回収する。
- ウランの化学濃縮にも使用される。
- 燃料電池の高分子固体電解質に使用される。スルホ系イオン交換樹脂を使用した燃料電池はジェミニ宇宙船に搭載された。現在は耐久性イオン伝導性に優れたフッ素樹脂系イオン交換樹脂が用いられる。
- 医薬品。体内に存在するイオンが亢進して生命を脅かしている時、別のイオンで代替する。ポリスチレンスルホン酸ナトリウムが代表的である。
出典
- ^ IUPAC "strongly discourages" the use of the term 'ion-exchange resin' to refer to an ion-exchange polymer, but it remains very common: International Union of Pure and Applied Chemistry (2004), “Definitions of Terms Relating to Reactions of Polymers and to Functional Polymeric Materials (IUPAC Recommendations 2003)”, Pure Appl. Chem. 76 (4): 889–906, doi:10.1351/pac200476040889, http://media.iupac.org/publications/pac/2004/pdf/7604x0889.pdf
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 遊離脂肪酸含有量の高い植物油を原料利用できるイオン交換樹脂法を用いたパイロットスケールの高品質バイオディーゼル製造装置の開発
- 高分子ナノパウダー(PNP)を用いた医薬品微粒子の乾式コーティング
- 粉体に関する討論会講演論文集 = Preprint of the Symposium on Powder Science and Technology 53, 129-133, 2015-09-28
- NAID 40020629351
- 2P-240 高速処理精製可能な抗体医薬品精製用イオン交換分離剤(バイオプロセス,一般講演)
Related Links
- イオン交換樹脂Ⅰ 栗田工業/KCRセンターの小川です。 04の水処理教室では、「イオン交換」についてお話いたします。純水の製造で水中の塩類成分を取り除くイオン交換樹脂は、直径約0.5mmの大きさで、たらこや数の子のような形 ...
- オルガノは、イオン交換樹脂取扱いのトップメーカーです。食品業界や医製薬業界など様々な分野で、オルガノのイオン交換樹脂技術は貢献しています。イオン交換樹脂:アンバーライトのオルガノ株式会社。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
クリプトン(81mKr)ジェネレータ
組成
- * 本品は,ルビジウム-81を水酸化ルビジウム(81Rb)の形で,プラスチックカラム中に充てんした陽イオン交換樹脂に吸着させ,これに,クリプトン(81mKr)注射液及びクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出させるのに必要な装置及び不必要な被曝をさけるための遮蔽装置を合わせたものである。
本品は次のものからなる。
- ・ジェネレータユニット 1個
検定日時において,185MBq又は370MBqの放射能を含む。
・供給チューブ 1個
・延長管 1個
・滅菌バイアル 1個
・18G注射針 5本
- 本品のプラスチックカラム中に5w/v%ブドウ糖注射液等の非電解質注射液を通じることによりクリプトン(81mKr)注射液を,また,加湿した酸素又は空気を通じることによりクリプトン(81mKr)吸入用ガスをそれぞれ溶出することができる。
効能または効果
・クリプトン(81mKr)注射液の静注による局所肺血流検査
・クリプトン(81mKr)吸入用ガスの吸入による局所肺換気機能検査
・クリプトン(81mKr)注射液の頸動脈内注入による局所脳血流検査
- 本品を図のように組み立てる。
クリプトン(81mKr)注射液の溶出には5w/v%ブドウ糖注射液等の非電解質注射液を,クリプトン(81mKr)吸入用ガスの溶出には加湿した医療用酸素又は空気を使用する。
肺機能検査
1.肺血流シンチグラム
- 持続静注法 ― 0.3〜3mL/秒の流速でクリプトン(81mKr)注射液を溶出しつつ患者の肘静脈より必要な時間投与し,肺血流シンチグラムをとる。
ボーラス静注法 ― 5〜10mLの溶出剤を急速に加圧導入して溶出するクリプトン(81mKr)注射液を患者の肘静脈より投与し,肺血流シンチグラムをとる。
2.肺換気シンチグラム
- 持続吸入法 ― 0.3〜3L/分の流速でクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出しつつ患者に必要な時間吸入させ,肺換気シンチグラムをとる。
ボーラス吸入法 ― 10〜20mLの溶出剤を急速に加圧導入して溶出するクリプトン(81mKr)吸入用ガスを患者に吸入させ,肺換気シンチグラムをとる。
脳血流検査
- 7.5〜15mL/分の流速でクリプトン(81mKr)注射液を溶出しつつ患者の頸動脈より投与し,脳血流シンチグラムをとる。
薬効薬理
肺機能検査
- 静注された81mKrは右心系で混和された後,肺動脈血流にのって肺胞壁毛細血管に分布し,その大部分が肺胞内へ移行するため,肺の各部分に分布する81mKrの量はその部分への肺動脈血流量に比例し,また,この部分からの81mKrガスの消失速度はその換気状態に比例する。一方,81mKrガスを吸入させても血液中にほとんど移行しないため,局所の81mKrガスの量はその部分の呼吸状態を反映する。
脳血流検査
- 一定濃度の81mKrを頸動脈内に持続注入すると81mKrは血液−脳関門を通過して末梢脳組織に達し,局所脳血流量にほぼ比例して分布する。
有効成分に関する理化学的知見
1.放射性核種の特性(81mKrとして)
- 物理的半減期:13.10秒
主γ線エネルギー:190keV(67.6%)
2.クリプトン-81m生成曲線
3.各流速によるクリプトン-81m濃度
★リンクテーブル★
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- 関
- ionic exchange resin
[★]
- 関
- ion exchange resin
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- 英
- anion exchange resin drugs
作用機序
- 1. 腸管内で胆汁酸を吸着→腸管からの胆汁酸の再吸収↓(cf.腸肝循環)→肝臓に再吸収されてくる胆汁酸↓→肝内コレステロールからの胆汁酸合成↑→肝臓内コレステロール↓
- 2. 以下のことが同時に起こりうる
- 2-a. →LDL受容体の発現↑→血液内LDL↓
- 2-b. →コレステロールの生合成↑→肝内コレステロール↑
- 2-b.の経路が2-a.の作用を弱める→HMG-CoA還元酵素との併用で薬効が増す
欠点
- 服用量が大量
- 胃腸症状(便秘が起こりやすい)
- 陰イオン性の薬剤(ジギタリス、ワーファリン)、脂溶性ビタミンの吸収↓
- 血清トリグリセリドを増加させる (WIL.1638, GOO.954)
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- 英
- freeze-dried ion-exchange-resin treated human normal immunoglobulin
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- 英
- cation exchange resin
- 関
- カチオン交換樹脂
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- 英
- 関
- 英
- anion exchange resin
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- 英
- exchange、replacement、interchange、exchange、replace、interchange、swap
- 関
- 交替、置換、置換術、取り替え
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- 英
- Io
- 関
- カリスト、ユーロパ、ガニメデ、木星
[★]
- 英
- ion
- 関
- イオン性