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- aluminum hydroxide
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/02 15:13:37」(JST)
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水酸化アルミニウム |
|
組成式 |
AlH3O3 |
式量 |
78.00 g/mol |
形状 |
白色不定形固体 |
CAS登録番号 |
21645-51-2 |
密度と相 |
2.42 g/cm3, 固体 |
融点 |
300 ℃ |
出典 |
ICSC |
水酸化アルミニウム(すいさんかアルミニウム、Aluminium hydroxide)は化学式 Al(OH)3 で表される無機化合物である。比重は約2.42。酸やアルカリに溶け、水、アルコールに不溶。アルミニウム塩の水溶液にアンモニアを加えると白色ゲル状沈殿を起こすが、これが水酸化アルミニウムである。主に医薬品や吸着剤などに使用される。また、緑色顔料・ピーコックの原料でもある。
熱すると酸化アルミニウムになるが、その際に水が発生するため、水酸化アルミニウムを添加した紙は燃えない(炎を出さない)。この「不燃紙」は防火性の高い建築材料(壁紙)として使用されている。
生成
バイヤー法で作ることができる。
- ボーキサイトを水酸化ナトリウムの高温水溶液(約175℃)に溶かす。
- 上記で生成された溶液をろ過する。
- 溶液を冷却すると水酸化アルミニウムが析出する。
性質
水溶液から新たに生成したゲル状沈殿は酸および塩基水溶液に容易く溶解する。水酸化アルミニウム自体の溶解度積はかなり小さいが、酸性では水酸化物イオンOH−の濃度が極めて小さく溶解方向に平衡が移動し、塩基性ではOH−による配位結合が生成しテトラヒドロキシドアルミン酸イオン[Al(OH)4]−を生成するためである。
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しかしながら、沈殿後時間が経過したものおよび、結晶性の水酸化アルミニウムは特に塩基水溶液に対し溶解しにくくなる。水酸化アルミニウムAl(OH)3にはγ型とされたギブサイト(gibbsite、単斜)、およびα型とされたバイヤーライト(bayerite、単斜)が存在し、25℃、105 Paの下ではギブサイトの方が熱力学的に安定である。 また熱水溶液中では一分子脱水し、AlO(OH)を生成し、これにはベーム石(Boehmite)およびダイアスポア(diaspore)が存在する。何れもボーキサイトの主要な成分である。
これらの水酸化物は何れも加熱により水を容易く失い、酸化アルミニウムとなる。
関連項目
アルミニウムの化合物 |
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二元化合物 |
AlAs · AlB2 · AlB12 · AlBr3 · Al2(C2)3 · Al4C3 · AlCl · AlCl3 · AlF · AlF3 · AlH3 · AlI · AlI3 · AlN · AlO · Al2O · Al2O3 · AlP · Al2S3 · AlSb · Al2Se3 · Al2Te3
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三元化合物 |
Al(BH4)3 · Al(ClO3)3 · Al(ClO4)3 · Al(CN)3 · Al2(CO3)3 · Al2(FeO4)2 · Al(MnO4)3 · Al2(MoO4)3 · Al(NO3)3 · Al(OH)3 · AlO(OH) · AlPO4 · Al2(SeO4)3 · Al2(SiO3)3 · Al2(SO4)3 · Al2(WO4)3
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四元・五元化合物 |
AlK(SO4)2 · AlNa(SO4)2 · Al(NH4)(SO4)2
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Japanese Journal
- O47-3 水酸化アルミニウムゲルをアジュバントとして誘発したアレルギー性気道炎症に対する抗IgE抗体の効果(O47 免疫療法・アレルギー治療薬,口演,第61回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 弱毒ニューカッスル病ウイルスMET95株の赤血球凝集能
- 高瀬 公三,山崎 憲一,小尾 岳士
- 鹿児島大学農学部学術報告 (61), 1-5, 2011-03
- … 用において差は認められなかったが, 熱(50°C) による不活化作用には差を認め, B1株のHA能は他の2株よりも早く失活した。MET95株およびB1株の感染価あるいはHA価を同じに調整した不活化ウイルス液に水酸化アルミニウムゲルアジュバントを加えたのち鶏に注射し, その後のHA抑制(HI) 抗体の産生を, 両ウイルスのHA抗原で測定した。その結果, 不活化前ウイルス量を同じに調整した場合, HI抗体価の産生状態はほぼ同様 …
- NAID 40018802840
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※※ レスポリックス配合顆粒
組成
組 成
- レスポリックス配合顆粒は1g中下記の成分を含有する。
ジサイクロミン塩酸塩………………………… 5mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル………………400mg
酸化マグネシウム……………………………200mg
添加物
白糖、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸
禁忌
(1)緑内障の患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により眼圧が亢進し、症状を悪化させるおそれがある。〕
(2)前立腺肥大による排尿障害のある患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を悪化させるおそれがある。〕
(3)重篤な心疾患のある患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により心悸亢進、頻脈等を起こし、症状を悪化させるおそれがある。〕
(4)麻痺性イレウスの患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により腸閉塞状態が強められ、症状を悪化させるおそれがある。〕
(5)透析療法を受けている患者
- 〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれることがある。〕
効能または効果
下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
- 通常、成人1回1〜2gを1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
1)前立腺肥大のある患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を起こすおそれがある。〕
2)甲状腺機能亢進症の患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により甲状腺機能亢進症に伴う心悸亢進、頻脈等を悪化させるおそれがある。〕
3)潰瘍性大腸炎の患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により中毒性巨大結腸があらわれることがある。〕
4)腎障害のある患者
- 〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。〕
5)心機能障害(うっ血性心不全、不整脈等)のある患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩は心悸亢進、頻脈等を、また、酸化マグネシウムは徐脈を起こし、症状を悪化させるおそれがある。〕
6)下痢のある患者
- 下痢のある患者〔本剤中の酸化マグネシウムは下痢を助長するおそれがある。〕
7)高マグネシウム血症の患者
- 高マグネシウム血症の患者〔本剤中の酸化マグネシウムは高マグネシウム血症を悪化させるおそれがある。〕
8)リン酸塩の欠乏している患者
- 〔本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルはリン酸塩の吸収を阻害するおそれがある。〕
9)高温環境にある患者
- 〔本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により発汗が抑制されるおそれがある。〕
10)高齢者
重大な副作用
アルミニウム脳症、アルミニウム骨症(頻度不明):
- 本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルの長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがあるので、慎重に投与すること。
薬効薬理
- ○ジサイクロミン塩酸塩は摘出ウサギ腸管においてアセチルコリン、BaCl2による痙縮を抑制し、麻酔ネコにおいても腸管の自発運動、アセチルコリンによる収縮を抑制する。又ラットで食物の腸管輸送速度を低下させる。2)
- ○ジサイクロミン塩酸塩は摘出モルモット回腸においてアセチルコリンによる収縮に対して低濃度で競合的、高濃度で非競合的に拮抗する。又ブラジキニンやヒスタミンによる収縮に対しても抑制作用を示す。3)
- ○酸化マグネシウムは速効性に、乾燥水酸化アルミニウムゲルは持続性に胃酸を中和する。その際両剤とも二酸化炭素を発生しないため胃壁刺激による胃酸分泌の増加を伴わない。
- ○これら3剤の配合により、それぞれ単味に比し、各種実験的潰瘍の発生を抑制することが認められている。4)
有効成分に関する理化学的知見
(1)
一般名
- ジサイクロミン塩酸塩(Dicyclomine Hydrochloride)
化学名
- 2-(Diethylamino)ethyl[bicyclohexyl]-1-carboxylate hydrochloride
分子式
分子量
融 点
性 状
- 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水、メタノール、酢酸(100)、エタノール(99.5)又はクロロホルムに溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
水溶液(1→100)のpHは5.0〜5.5である。
(2)
一般名
- 乾燥水酸化アルミニウムゲル(Dried Aluminum Hydroxide Gel)
化学名
分子式
分子量
性 状
- 白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。
水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に大部分溶ける。
(3)
一般名
- 酸化マグネシウム(Magnesium Oxide)
化学名
分子式
分子量
性 状
- 白色の粉末又は粒で、においはない。
水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。
★リンクテーブル★
[★]
水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
[★]
水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
[★]
- 英
- hydrogel
- 同
- 水性ゲル
- 関
- ハイドロゲル
水酸化アルミニウム
[★]
酸化マグネシウム、ジサイクロミン、水酸化アルミニウム
[★]
酸化マグネシウム、ジサイクロミン、水酸化アルミニウム
[★]
- 英
- dried aluminum hydroxide gel, aluminum hydroxide gel dried
- ラ
- gelatum aluminii hydroxydi siccatum
- 商
- アルミゲル、ヒドロゲル、ホエミゲル、MS温シップ、「ヨシダ」ゲル細粒、「純生」アルミゲル、MS冷シップ、つくしA・M散、アイスフラット懸濁用配合、アルミゲル細粒99%、ウィットコップ懸濁用配合、ウィットコップ懸濁用配合、エヌ・エス配合散、コランチル配合、タイメック懸濁用配合、ディクアノン懸濁用配合、ベザフィブラートSR、ホエミゲル、マーレッジ懸濁用配合DS、マーロックス懸濁用配合、マックメット懸濁用配合DS、マルファ懸濁用配合、リタロクス懸濁用配合、レスポリックス配合
- 関
- 水酸化アルミニウム
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- 英
- aluminum hydroxide gel
- 商
- アルミゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ヒドロゲル、ホエミゲル
- 関
- 水酸化アルミニウム
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- 英
- hydroxylation
- 関
- ヒドロキシ、ヒドロキシル化、ハイドロキシ、ヒドロキシ化
[★]
- 英
- aluminum、aluminium、Al
- 関
- 水酸化塩化アルミニウム
臨床関連