- 英
- aluminum oxide、aluminium oxide
- 関
- アルミナ、コランダム、サファイア
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酸化アルミニウム(III) |
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
1344-28-1 |
PubChem |
9989226 |
ChemSpider |
8164808 |
UNII |
LMI26O6933 |
RTECS番号 |
BD120000 |
ATC分類 |
D10AX04 |
- [Al+3].[Al+3].[O-2].[O-2].[O-2]
[O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3]
|
- InChI=1S/2Al.3O/q2*+3;3*-2
Key: PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/2Al.3O/q2*+3;3*-2
Key: PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYAC
|
特性 |
組成式 |
Al2O3 |
モル質量 |
101.961276g mol-1[1] |
外観 |
白色固体 |
匂い |
無臭 |
密度 |
3.95–4.1 g/cm3 |
融点 |
2072 °C [3]
|
沸点 |
2977 °C [4]
|
水への溶解度 |
溶けない |
溶解度 |
ジエチルエーテルには溶けない
エタノールにもほとんど溶けない |
熱伝導率 |
30 W·m−1·K−1[2] |
屈折率 (nD) |
nω=1.768–1.772
nε=1.760–1.763
複屈折 0.008 |
構造 |
結晶構造 |
三方晶系、hR30、空間群 = R3c, No. 167 |
配位構造 |
八面体 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−1675.7 kJ·mol−1[5] |
標準モルエントロピー So |
50.92 J·mol−1·K−1[5] |
危険性 |
NFPA 704 |
|
関連する物質 |
その他の陰イオン |
水酸化アルミニウム |
その他の陽イオン |
三酸化ホウ素
酸化ガリウム
酸化インジウム
酸化タリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
酸化アルミニウム(さんかアルミニウム、英: Aluminium oxide)は、化学式がAl2O3で表されるアルミニウムの両性酸化物である。通称はアルミナ(α-アルミナ)で、天然にはコランダム、ルビー、サファイアとして産出する。おもに金属アルミニウムの原料として使われるほか、硬度を生かして研磨剤、高融点を生かして耐火物としての用途もある[6]。立方晶系のγ-アルミナは高比表面積を持つことから触媒として重要である[7][8]。
目次
- 1 産出
- 2 性質
- 3 利用
- 4 合成法
- 5 種類
- 6 結晶
- 7 酸化アルミニウム(II)および酸化アルミニウム(I)
- 8 脚注
- 9 関連項目
産出
天然には、結晶がコランダム(三方晶系)として産出するほか、水和物がボーキサイトの主成分として存在する。ルビーとサファイアはコランダムの変種で、微量の金属イオンが混入することにより発色し宝石として珍重される。ルビーはクロムが混入することにより深赤色に着色され、ルビーレーザーなどの用途がある。サファイアは鉄やチタンなどが微量混入し、赤以外の色に着色したコランダムである。
性質
絶縁体、高熱伝導率(30 Wm−1K−1[2])のセラミック材料である。一般に結晶の状態で産出し、コランダムまたはα-酸化アルミニウムと呼ばれ、研磨材や切削工具の部品としての用途がある[6]。
酸化アルミニウムにおけるアルミニウムと酸素との結び付きは強く、ここからアルミニウムの単体を取り出すことは難しいが、アメリカ合衆国のチャールズ・マーティン・ホールとフランスのポール・エルーらはそれぞれ、共に電気分解を用いてこれに成功した(ホール・エルー法)。
カラムクロマトグラフィーにおいて、シリカ(二酸化ケイ素)が酸性のために充填材として用いることができないときに用いられることがある。ボーキサイトからアルミナを製造するには、カール・ヨーゼフ・バイヤー(英語版)が開発したバイヤー法が用いられている。
利用
融解塩電気分解でアルミニウムの材料とするほか、陶芸などのセラミックス材料としても添加される。また、研削材等の高強度、高靱性、耐熱衝撃性を求められる分野や、自動車排ガス浄化触媒等の触媒の担体、歯科治療(インレー、クラウンなどの修復物・補綴物)などに広く利用される。βアルミナはナトリウム・硫黄電池の電解質に用いられる。
高純度の結晶鉱石は宝石として珍重される(サファイア、ルビー)。
合成法
- 硝酸アルミニウムや硫酸アルミニウムなどの塩を1,200°C - 1,300°Cで直接熱分解して合成する。
- 塩化アルミニウムの蒸気に対して、酸素あるいは水蒸気とを1,000°C以上で反応させると粉末状のアルミナが生成する。
種類
- アランダム (alundum) - 褐色溶解アルミナ。
結晶
- γ-アルミナ(低温)- スピネル型
- α-アルミナ(高温)- コランダム型
酸化アルミニウム(II)および酸化アルミニウム(I)
酸化アルミニウムにはAl2O3の化学式で表される酸化アルミニウム(III)の他に、AlOの化学式で表される酸化アルミニウム(II)および、Al2Oの化学式で表される酸化アルミニウム(I)が存在する。酸化アルミニウム(II)は高層大気中においてアルミニウム処理された手榴弾が爆発した際に気層から検出され[9][10][11]、星の吸収スペクトルからも発見されている[12]。酸化アルミニウム(I)は酸化アルミニウム(III)と金属ケイ素を真空条件下1800℃で加熱することによって得られる物質であり[13]、安定に存在できる温度領域が1050から1600℃であるため通常は気体として存在している[14]。
脚注
- ^ “Fasertonerde - Compound Summary”. PubChem. 2012年4月1日閲覧。
- ^ a b Material Properties Data: Alumina (Aluminum Oxide)
- ^ P. Patnaik (2002). Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill. ISBN 0-07-049439-8.
- ^ Roew, Raymond (2009). "Adipic Acid". Handbook of Pharmaceutical Excipients. pp. 11–12.
- ^ a b Zumdahl, Steven S. (2009). Chemical Principles 6th Ed.. Houghton Mifflin Company. ISBN 0-618-94690-X.
- ^ a b “Alumina (Aluminium Oxide) – The Different Types of Commercially Available Grades”. The A to Z of Materials. 2007年10月27日閲覧。
- ^ “高純度アルミナ(タイミクロン)”. 大明化学工業株式会社. 2012年4月1日閲覧。
- ^ “セラミックアカデミー”. 日本ガイシ. 2012年4月1日閲覧。
- ^ D. C. Tyte (1964). "Red (B2Π–A2σ) Band System of Aluminium Monoxide". Nature 202 (4930): 383. Bibcode:1964Natur.202..383T. doi:10.1038/202383a0.
- ^ D. C. Tyte (1967). "The dissociation energy of aluminium monoxide". Proc. Phys. Soc. 92 (4): 1134. Bibcode:1967PPS....92.1134T. doi:10.1088/0370-1328/92/4/339.
- ^ Johnson E. R. & Low C. H. (1967). "Further spectral observations of grenade glow clouds in the lower thermosphere". Australian Journal of Physics 20: 577. Bibcode:1967AuJPh..20..577J.
- ^ Merrill, P. W., Deutsch, A. J., & Keenan, P. C. (1962). "Absorption Spectra of M-Type Mira Variables". Astrophysical Journal 136: 21. Bibcode:1962ApJ...136...21M. doi:10.1086/147348.
- ^ Dohmeier, C.; Loos, D.; Schnöckel, H. (1996). "Aluminum(I) and gallium(I) compounds: Syntheses, structures, and reactions". Angewandte Chemie International Edition 35 (2): 129–149. doi:10.1002/anie.199601291.
- ^ Hoch, Michael, Johnston, Herrick, L. “Formation, stability and crystal structure of the solid aluminum suboxides: Al2O and AlO.” Journal of the American Chemical Society. 76.9 (1954): 2260-2561.
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、酸化アルミニウムに関連するカテゴリがあります。 |
アルミニウムの化合物 |
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二元化合物 |
AlAs · AlB2 · AlB12 · AlBr3 · Al2(C2)3 · Al4C3 · AlCl · AlCl3 · AlF · AlF3 · AlH3 · AlI · AlI3 · AlN · AlO · Al2O · Al2O3 · AlP · Al2S3 · AlSb · Al2Se3 · Al2Te3
|
|
三元化合物 |
Al(BH4)3 · Al(ClO3)3 · Al(ClO4)3 · Al(CN)3 · Al2(CO3)3 · Al2(FeO4)2 · Al(MnO4)3 · Al2(MoO4)3 · Al(NO3)3 · Al(OH)3 · AlO(OH) · AlPO4 · Al2(SeO4)3 · Al2(SiO3)3 · Al2(SO4)3 · Al2(WO4)3
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四元・五元化合物 |
AlK(SO4)2 · AlNa(SO4)2 · Al(NH4)(SO4)2
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
つくしA・M散
組成
成分・含量(つくしA・M散1.3g中)
-
日局 炭酸水素ナトリウム:600mg
日局 炭酸マグネシウム:120mg
日局 沈降炭酸カルシウム:300mg
日局 乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
リカーゼ:50mg
日局 ケイヒ末:20mg
日局 ニガキ末:10mg
日局 ショウキョウ末:10mg
日局 ウイキョウ:10mg
日局 カンゾウ末:100mg
日局 オウバク末:9.5mg
添加物
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高カルシウム血症の患者
〔血中カルシウム濃度が上昇し、症状を悪化させるおそれがある〕
〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある〕
- ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠中毒症等)
〔ナトリウムの貯留増加により症状が悪化するおそれがある〕
〔血中カルシウム濃度の上昇により病態に悪影響を及ぼすおそれがある〕
効能または効果
食欲不振、胃部不快感、胃もたれ、嘔気・嘔吐
- 大人1日3回、毎食後1.0〜1.3gを服用し症状に応じ適宜増量してもよい。小人は年齢に応じて減量する。
慎重投与
〔水分やナトリウム貯留が生じやすく、症状を悪化させるおそれがある〕
〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれることがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと〕
〔水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある〕
〔水分やナトリウム貯留が生じやすく、血圧をさらに上昇させるおそれがある〕
〔炭酸水素ナトリウムを配合しているため、症状が悪化するおそれがある〕
〔症状が悪化するおそれがある〕
〔アルミニウムにより無機リンの吸収が阻害される〕
〔症状が悪化するおそれがある〕
薬効薬理
- 制酸剤
- ●炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム
炭酸水素ナトリウムは速効性の制酸作用を示し、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウムは比較的持続性の制酸作用を示す1)。
過量の胃酸を中和し、また、粘膜を被覆保護する作用を有する1)2)。
生薬に含まれるケイアルデヒド(ケイヒ)、アネトール(ウイキョウ)を主成分とする精油の芳香が嗅覚を刺激することにより、反射的に消化液分泌を促進し食欲を増進する。また、精油成分は胃粘膜の直接刺激により、消化管運動を促進する3)。
ニガキ及びオウバクに含有される苦味質及びアルカロイド等の苦味成分は、口腔内において味覚を刺激することにより消化液分泌や胃運動を促進する3)。
ショウキョウは精油(zingiberol)と辛味成分(gingerol)を含有し、直接的及び反射的に消化液分泌や胃運動を促進し、また、口腔内に爽快感をもたらす3)。
鎮痙作用により胃の緊張を緩和する2)。
α-アミラーゼで、でんぷん消化力を有する。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 制酸剤
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水酸化アルミニウムゲル(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
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水酸化アルミニウムゲル(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
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水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
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水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウム
- 関
- 制酸剤
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- 英
- dried aluminum hydroxide gel, aluminum hydroxide gel dried
- ラ
- gelatum aluminii hydroxydi siccatum
- 商
- アルミゲル、ヒドロゲル、ホエミゲル、MS温シップ、「ヨシダ」ゲル細粒、「純生」アルミゲル、MS冷シップ、つくしA・M散、アイスフラット懸濁用配合、アルミゲル細粒99%、ウィットコップ懸濁用配合、ウィットコップ懸濁用配合、エヌ・エス配合散、コランチル配合、タイメック懸濁用配合、ディクアノン懸濁用配合、ベザフィブラートSR、ホエミゲル、マーレッジ懸濁用配合DS、マーロックス懸濁用配合、マックメット懸濁用配合DS、マルファ懸濁用配合、リタロクス懸濁用配合、レスポリックス配合
- 関
- 水酸化アルミニウム
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- 英
- aluminum hydroxide gel
- 商
- アルミゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ヒドロゲル、ホエミゲル
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- 水酸化アルミニウム
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- aluminum hydroxide
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- アルミニウム
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- aluminum、aluminium、Al
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臨床関連