- 英
- normoblast
- 関
- erythroblast、nucleated erythrocyte、proerythroblast、pronormoblast
WordNet
- a nucleated cell in bone marrow from which red blood cells develop
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/16 09:20:00」(JST)
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赤芽球(せきがきゅう、英: erythroblast)とは骨髄中に存在する幼若な血液細胞であり、造血幹細胞から赤血球にいたる分化途中段階の細胞である。成熟して脱核し赤血球になる。赤芽球は健康人では骨髄中にしか存在せず、血液中に赤芽球が現れるのは血液疾患や癌の骨転移、骨折などの時だけである。
血液疾患の為に血液中に現れた
赤芽球。右上に二つある有核細胞のうち丸い核のものが好塩基性赤芽球、左下にある2つの有核細胞の大きいほうが多染性赤芽球、小さいほうが正染性赤芽球。一番右上と右下のいびつな核の細胞は白血球である。
目次
- 1 分化過程
- 2 赤芽球島
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
分化過程
赤血球は造血幹細胞を基にし、次第に分化・成熟して完成する。 その段階は、造血幹細胞、骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)、赤血球・巨核球系前駆細胞、前期赤芽球系前駆細胞(BFU-E)、後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)、前赤芽球、好塩基性赤芽球、多染性赤芽球、正染性赤芽球、(網赤血球)、赤血球であるが、前駆細胞は形態的には赤血球系との同定は困難であり、形態学的に通常は前赤芽球がもっとも幼若な赤芽球とみなされ、脱核する前の正染性赤芽球までが赤芽球とされる。 若い細胞ほど細胞分裂能が高いが、多染性赤芽球の段階まで細胞分裂能はある。[1][2]
正染性赤芽球の段階になると細胞分裂能は失われ、やがて核が抜け落ちて赤血球となる。
種類 |
英名 |
イメージ図 |
直径 |
存在割合 |
分裂能 |
細胞質の塩基性 |
|
参考(前駆細胞) |
|
|
12-20μm |
|
++++ |
+ |
|
前赤芽球 |
Proerythroblast |
|
20-25μm |
2% |
++ |
+ |
|
好塩基性赤芽球 |
Basophilic erythroblast |
|
16-18μm |
6% |
++ |
+ |
|
多染性赤芽球 |
Polychromatic erythroblast |
|
12-15μm |
84% |
+ |
+- |
|
正染性赤芽球 |
Orthochromatic erythroblast |
|
10-15μm |
8% |
無し |
- |
|
参考(赤血球) |
Erythrocyte |
|
7-8μm |
|
無し |
- |
|
赤芽球島
赤血球は骨髄で造血幹細胞から作られるが、その分化・成熟には骨髄においてマクロファージが大きく関わっている。 骨髄において、赤血球の幼若な段階である赤芽球はマクロファージを中心にその回りを取り囲むように数個から数十個が集団で寄り集まっている。中心に存在するマクロファージは赤芽球に接し、ヘモグロビンの合成に不可欠な鉄や細胞の生育に必要な物質を供給し、成熟をコントロールし、また脱核させた核の処理や、不要になった赤血球細胞の除去にも関与している[1] [3]。 この、骨髄内においてマクロファージを中心に赤芽球が集まり、赤血球の形成に関わっている細胞集団を赤芽球島もしくは赤芽球小島という[1]。
脚注
- ^ a b c 『三輪血液病学 第3版』p120-124
- ^ 『三輪血液病学 第3版』p242-244
- ^ 三輪『血液細胞アトラス』p77
参考文献
- 浅野 茂隆、内山 卓、池田 康夫 監修、『三輪血液病学 第3版』文光堂、2006
- 三輪史朗、渡辺陽之輔共著『血液細胞アトラス』第5版、文光堂、2004
関連項目
|
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骨髄系統 - 血液 (白血球 · 赤血球 · 血小板) |
|
造血幹
細胞
HSC |
|
|
|
骨髄芽球 → 前骨髄球 → 骨髄球 → 後骨髄球 → 桿状核球 → 分葉核球(好中球)
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マクロファージ
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組織球 - クッパー細胞 - 肺胞マクロファージ - 小膠細胞 - 破骨細胞 - 類上皮細胞 - 巨細胞 (ラングハンス巨細胞、 異物巨細胞、 トートン型巨細胞)
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CFU-DL
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樹状細胞 - ランゲルハンス細胞
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|
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共通
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骨髄性単球
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|
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CFU-Baso
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骨髄芽球 → 好塩基性前骨髄球 → 好塩基性骨髄球 → 好塩基性後骨髄球 → (好塩基球)
|
|
CFU-Eos
|
骨髄芽球 → 好酸性前骨髄球 → 好酸性骨髄球 → 好酸性後骨髄球 → 好酸性桿状核球 → 好酸性分葉核球 (好酸球)
|
|
MEP
|
CFU-Meg
|
巨核芽球 · 巨核球 · 血小板
|
|
CFU-E
|
赤芽球 · 網赤血球
|
|
|
CFU-Mast
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肥満細胞前駆体
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|
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非細胞 |
血漿
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 24(1), 28-30, 2010-01-15
- NAID 10025954396
- 3.ホモシステイン, メチオニン, セリン, グリシンのヒト正赤芽球性骨髄及び巨赤芽球性骨髄のDNA合成に及ぼす影響(JOURNAL OF NUTRITIONAL SCIENCE AND VITAMINOLOGY : 掲載論文要旨)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pronormoblast
- 関
- 赤芽球、前赤芽球、正赤芽球、有核赤血球
[★]
- 英
- polychromatic normoblast
[★]
- 英
- erythroblast
- 同
- 赤芽細胞、有核赤血球 nucleated red cell nucleated erythrocyte
- 関
- 赤血球、鉄芽球
- 前赤芽球→好塩基性赤芽球→多染性赤芽球→正染性赤芽球→網状赤血球→赤血球
臨床関連
[★]
- 英
- bulbus (KH)
- ラ
- bulbus cerebri
- 同
- 延髄
[★]
- 英
- blast cell, blast
- 関
- イモチ病、芽細胞、芽球細胞
骨髄芽球性白血病