ピオグリタゾン
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨床研究 ピオグリタゾン塩酸塩製剤の糖尿病黄斑浮腫に対する短期的影響の検討
- 学術展示 ピオグリタゾン塩酸塩製剤(アクトス)による糖尿病黄斑浮腫発症に関与する因子 (第51回日本網膜硝子体学会総会(1))
- アログリプチン安息香酸塩,アログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩,シタグリプチンリン酸塩水和物,ビルダグリプチン,リナグリプチン (医薬品・医療機器等安全性情報(No.291)) -- (重要な副作用等に関する情報)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ピオグリタゾン錠15mg「NP」
組成
有効成分(1錠中)
- 日本薬局方 ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾンとして) 16.53mg(15mg)
添加物
- 乳糖水和物、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者[動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を増悪あるいは発症したとの報告がある。]
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となる。]
- 重篤な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、蓄積するおそれがある。]
- 重篤な腎機能障害のある患者
- 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
2型糖尿病
- ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。
- 食事療法、運動療法のみ
- 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
- 食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
- 食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
- 食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
- 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
食事療法、運動療法のみの場合及び食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤若しくはビグアナイド系薬剤を使用する場合
- 通常、成人にはピオグリタゾンとして15〜30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。
食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用する場合
- 通常、成人にはピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。
- 浮腫が比較的女性に多く報告されているので、女性に投与する場合は、浮腫の発現に留意し、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
- 1日1回30mgから45mgに増量した後に浮腫が発現した例が多くみられているので、45mgに増量する場合には、浮腫の発現に留意すること。
- インスリンとの併用時においては、浮腫が多く報告されていることから、1日1回15mgから投与を開始すること。本剤を増量する場合は浮腫及び心不全の症状・徴候を十分に観察しながら慎重に行うこと。ただし、1日量として30mgを超えないこと。
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
慎重投与
次に掲げる患者又は状態
- 心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者[循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。](「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
- 肝又は腎機能障害(「禁忌」の項参照)
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全[低血糖を起こすおそれがある。]
- 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態[低血糖を起こすおそれがある。]
- 激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]
- 過度のアルコール摂取者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 他の糖尿病用薬を投与中の患者(「相互作用」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
重大な副作用
心不全(頻度不明)
- 心不全が増悪あるいは発症することがあるので、投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与を中止し、ループ利尿剤等を投与するなど適切な処置を行うこと。特に心不全発症のおそれのある心疾患の患者に投与する際やインスリンと併用する際には、心不全の徴候に注意すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)
浮腫(頻度不明)
- 循環血漿量の増加によると考えられる浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、浮腫が認められた場合には、減量あるいは中止するなど適切な処置を行うこと。これらの処置によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿剤(フロセミド等)の投与等を考慮すること。なお、女性やインスリン併用時、糖尿病性合併症発症例において浮腫の発現が多くみられており、本剤を1日1回30mgから45mgに増量した後に浮腫が発現した例も多くみられている。これらの症例にあっては浮腫の発現に特に留意すること。(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、基礎に肝機能障害を有するなど必要な場合には定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
低血糖症状(頻度不明)
- 他の糖尿病用薬との併用で、低血糖症状があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している糖尿病用薬を一時的に中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。また、本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与するが、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。なお、低血糖症状はインスリン併用時に多くみられている。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
胃潰瘍(頻度不明)
薬効薬理
- インスリン抵抗が推定される2型糖尿病薬。インスリン抵抗性を軽減することにより、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖の取り込みと利用を高め血糖を低下させる。インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化するものと推測されている。4)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ピオグリタゾン塩酸塩
(Pioglitazone Hydrochloride)
化学名
- (5RS)-5-{4-[2-(5-Ethylpyridin-2-yl)ethoxy]benzyl}thiazolidine-2,4-dione monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- ・白色の結晶又は結晶性の粉末である。
・N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
・0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
・N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾン)、メトホルミン塩酸塩(メトホルミン)
- 関
- 糖尿病用剤
[★]
アログリプチン安息香酸塩(アログリプチン)、ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾン)
[★]
ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾン)、メトホルミン塩酸塩(メトホルミン)
[★]
- 英
- pioglitazone
- 化
- 塩酸ピオグリタゾン pioglitazone hydrochloride ピオグリタゾン塩酸塩
- 商
- アクトスOD、アクトス、ソニアス配合、メタクト配合、リオベル配合
- 関
- 糖尿病
- 糖尿病用剤
-
作用機序
- アクトスOD錠15
- 末梢組織におけるインスリン作用増強:
- 肝におけるインスリン作用増強:モデル動物で、肝におけるグルコキナーゼの活性を亢進し、グルコース-6-ホスファターゼの活性を低下させ、糖産生を抑制
- インスリン受容体作用増強:モデル動物骨格筋で、低下したインスリン受容体及びインスリン受容体基質のリン酸化を正常化し、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼの活性を亢進
- TNF-α産生抑制作用:骨格筋TNF-α産生亢進を抑制し、これと並行して高血糖を軽減
薬理作用
- アクトスOD錠15
- インスリン受容体のインスリン結合部以降に作用してインスリン抵抗性を軽減し、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖利用を高め血糖を低下させる。この作用は、インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化することによると推測される。
添付文書
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関
[★]
- 英
- hydrochloride
- 関
- ハイドロクロライド