出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/03 20:06:57」(JST)
キノン (quinone) は、一般的にはベンゼン環から誘導され、2つのケトン構造を持つ環状の有機化合物の総称である。七員環構造のものなど、非ベンゼン系のキノンも知られている。この構造が含まれていると、ピロロキノリンキノンなどのように、~キノンと化合物の末尾につけることとされている。
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詳細は「ベンゾキノン」を参照
最も簡単な構造のキノンとして互いに異性体の関係にある o-ベンゾキノン(オルトベンゾキノン)と p-ベンゾキノン(パラベンゾキノン)が挙げられる。これらのことを単にキノンと呼ぶこともある。分子式は C6H4O2、分子量は 108.09 である。
キノンは、例えばビタミンKがキノンに分類されるように、生物学的に重要な物質である。光化学系I・光化学II などの電子伝達系において、電子受容体としての働きをもつ。光化学系I には2対のフィロキノン、光化学系II には2対のプラストキノンが存在する。また、光化学系II と相同性が高いといわれている紅色光合成細菌には2対のユビキノンが存在する。
タンパク質と反応して結合する性質があり、昆虫の外骨格が脱皮後に硬化するのは、キチン質の外骨格の基質に大量に埋め込まれたタンパク質分子にキノンが結合することによる。
キノンは様々な色素としても利用されている。コチニール色素、アカネ色素などがキノン系の色素に分類される。また有機化学においては酸化剤としても利用される。
以下、代表的なキノンを示す。
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リンク元 | 「薬物代謝」「quinone」 |
拡張検索 | 「補酵素ピロキノリンキノン」「プラストキノン-9」 |
1. 第1相反応:酸化oxidation、還元reduction、加水分解hydrolysis
2. 第2相反応:抱合conjugation
ENZYMES | 反応 | ||||
Phase 1 | oxygenases | シトクロムP450 | cytochrome P450 | CYP | C, Oの酸化。脱アルキル化 |
フラビン含有モノオキシゲナーゼ | flavin-containing monooxygenase | FMO | N,S,Pの酸化 | ||
エポキシドヒドラーゼ(mEH, sEH) | epoxide hydrolases | mEH, sEH | エポキシドの加水分解 | ||
Phase 2 | transferases? | スルホトランスフェラーゼ | sulfotransferase | SULT | 硫酸の |
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ | UDP-glucuronosyltransferase | UGT | グルクロン酸の付加 | ||
グルタチオンS-トランスフェラーゼ | glutathione-S-transferase | GST | グルタチオンの付加 | ||
N-アセチルトランスフェラーゼ | N-acetyltransferase | NAT | アセチル基の付加 | ||
メチルトランスフェラーゼ | methyltransferase | MT | メチル基の付加 | ||
Other enzymes? | アルコール脱水素酵素 | alcohol dehydrogenases | ADH | アルコールの還元 | |
アルデヒド脱水素酵素 | aldehyde dehydrogenases | ALDH | アルデヒドの還元 | ||
NADPH/キノン酸化還元酵素 | NADPH-quinone oxidoreductase | NQO | キノンの還元 |
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