出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/07/31 15:38:50」(JST)
エポキシド (epoxide) は3員環のエーテルであるオキサシクロプロパン(オキシラン)を構造式中に持つ化合物の総称で、最も単純なものはエポキシエタンである。置換基として見る場合はエポキシ基と呼ばれる。化学工業、有機合成化学の分野において中間体として重要である。
多くの場合、過酸化物などによってオレフィンを酸化することで合成される。酸化剤として、実験室レベルではmCPBA、オキソン、金属のオキソ錯体、過酸化水素などが利用される。
1,2-ハロヒドリンからの分子内ウィリアムソン合成も、エポキシドを得る有力な手法である。
キラルなエポキシドは中間体として重要であるため、各種の不斉酸化反応が発表されている。バリー・シャープレスらによるシャープレス酸化が有名であるが、その弟子であるエリック・ジェイコブセンもサレン錯体を用いる方法を発表している。また糖などから誘導したケトンを触媒とし、オキソンを用いて酸化する手法も近年進歩が著しい。
そのほかの方法として、カルボニル化合物に対して硫黄イリドを作用させることでもエポキシドが得られる(コーリー・チャイコフスキー反応)。1,2-ジオールの脱水による方法もある。
エポキシドは反応性に富み、求核性を持った化合物と付加反応を起こす。そのため、様々な化合物を作るための原料として実験室や工場で用いられている。例えばエポキシドに水を酸触媒で付加すると vic-アルコールが、第一級のグリニャール試薬と反応させると増炭して新たな第一級のアルコールが、アミンを反応させるとアミノアルコールができる。
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1. 第1相反応:酸化oxidation、還元reduction、加水分解hydrolysis
2. 第2相反応:抱合conjugation
ENZYMES | 反応 | ||||
Phase 1 | oxygenases | シトクロムP450 | cytochrome P450 | CYP | C, Oの酸化。脱アルキル化 |
フラビン含有モノオキシゲナーゼ | flavin-containing monooxygenase | FMO | N,S,Pの酸化 | ||
エポキシドヒドラーゼ(mEH, sEH) | epoxide hydrolases | mEH, sEH | エポキシドの加水分解 | ||
Phase 2 | transferases? | スルホトランスフェラーゼ | sulfotransferase | SULT | 硫酸の |
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ | UDP-glucuronosyltransferase | UGT | グルクロン酸の付加 | ||
グルタチオンS-トランスフェラーゼ | glutathione-S-transferase | GST | グルタチオンの付加 | ||
N-アセチルトランスフェラーゼ | N-acetyltransferase | NAT | アセチル基の付加 | ||
メチルトランスフェラーゼ | methyltransferase | MT | メチル基の付加 | ||
Other enzymes? | アルコール脱水素酵素 | alcohol dehydrogenases | ADH | アルコールの還元 | |
アルデヒド脱水素酵素 | aldehyde dehydrogenases | ALDH | アルデヒドの還元 | ||
NADPH/キノン酸化還元酵素 | NADPH-quinone oxidoreductase | NQO | キノンの還元 |
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