- 英
- pyrroloquinoline quinone pyrrolo-quinoline quinone、PQQ
- 関
- 補酵素ピロキノリンキノン
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ピロロキノリンキノン |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
72909-34-3 |
PubChem |
1024 |
ChemSpider |
997 |
KEGG |
C00113 |
MeSH |
PQQ+Cofactor |
ChEBI |
CHEBI:18315 |
- c1c2c([nH]c1C(=O)O)-c3c(cc(nc3C(=O)C2=O)C(=O)O)C(=O)O
|
- InChI=1S/C14H6N2O8/c17-10-4-2-6(14(23)24)15-8(4)7-3(12(19)20)1-5(13(21)22)16-9(7)11(10)18/h1-2,15H,(H,19,20)(H,21,22)(H,23,24)
Key: MMXZSJMASHPLLR-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C14H6N2O8/c17-10-4-2-6(14(23)24)15-8(4)7-3(12(19)20)1-5(13(21)22)16-9(7)11(10)18/h1-2,15H,(H,19,20)(H,21,22)(H,23,24)
Key: MMXZSJMASHPLLR-UHFFFAOYAP
|
特性 |
化学式 |
C14H6N2O8 |
モル質量 |
330.21 g mol−1 |
密度 |
1.963 g/cm3 |
危険性 |
引火点 |
569.8 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピロロキノリンキノン (Pyrroloquinoline quinone, PQQ) は、1964年にJ.G. Haugeらにより、細菌のグルコース脱水素酵素に含まれるニコチンアミドとフラビンに次ぐ3番目の酸化還元補酵素として見出された[1]。 一方、AnthonyとZatmanも、アルコール脱水素酵素に未知の酸化還元補酵素があることを見出し、これをMetoxatinと名づけた[2]。 1979年に、Salisburyら[3]、およびDuineらのグループ[4]が、メチロトローフ(メタノール資化菌)のメタノール脱水素酵素からこの補酵素を抽出し、その分子構造を同定した。Adachiらのグループは、酢酸菌の脱水素酵素にもPQQが含まれることを見出した[5]。 これらのPQQを含む酵素は、キノプロテインと呼ばれ、その一つであるグルコース脱水素酵素は、グルコースセンサーに用いられている。
目次
- 1 生理作用
- 2 存在
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
生理作用
その後、PQQが細菌に対する生育促進効果[6]を始め、抗酸化作用、神経保護作用など、さまざまな生理作用を持つことが見出された。
1989年に、RuckerらのグループによってPQQ欠乏食を与えたマウスが種々の異常を呈することが報告され、PQQが哺乳類でも補酵素として働いている可能性が示唆された[7]。哺乳類において、アミノアジピン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(AASDH)がPQQを補酵素として利用していると考えられたことから、PQQがビタミンである可能性が指摘されたが[8]、AASDHがその活性にPQQを必要とするとの直接的な証拠はなく、Ruckerらのグループも、PQQをビタミンと呼ぶには証拠が未だ充分ではないとしている[9]。
存在
PQQを多く含む食品を以下に示す。[10]
食品中のPQQ量
食材名 |
PQQ量 (μg/Kg) |
ココアパウダー |
800 |
人乳 |
140-180 |
納豆 |
61 |
パセリ |
34 |
ピーマン |
28 |
パパイヤ |
27 |
キウイ |
27 |
豆腐 |
24 |
脚注
- ^ Hauge JG (1964). “Glucose dehydrogenase of bacterium anitratum: an enzyme with a novel prosthetic group.”. J Biol Chem 239: 3630-9. PMID 14257587
- ^ Anthony C, Zatman LJ (1967). “The microbial oxidation of methanol. The prosthetic group of the alcohol dehydrogenase of Pseudomonas sp. M27: a new oxidoreductase prosthetic group.”. Biochem J 104 (3): 960-9. PMID 6049934
- ^ Salisbury SA, Forrest HS, Cruse WB, Kennard O (1979). “A novel coenzyme from bacterial primary alcohol dehydrogenases.”. Nature 280 (5725): 843-4. PMID 471057
- ^ Westerling J, Frank J, Duine JA (1979). “The prosthetic group of methanol dehydrogenase from Hyphomicrobium X: electron spin resonance evidence for a quinone structure.”. Biochem Biophys Res Commun 87 (3): 719-24. PMID 222269
- ^ Ameyama M, Matsushita K, Ohno Y, Shinagawa E, Adachi O (1981). “Existence of a novel prosthetic group, PQQ, in membrane-bound, electron transport chain-linked, primary dehydrogenases of oxidative bacteria.”. FEBS Lett 130 (2): 179-83. PMID 6793395
- ^ Ameyama M, Matsushita K, Shinagawa E, Hayashi M, Adachi O (1988). “Pyrroloquinoline quinone: excretion by methylotrophs and growth stimulation for microorganisms.”. Biofactors 1 (1): 51-3. PMID 2855583
- ^ Killgore J, Smidt C, Duich L, Romero-Chapman N, Tinker D, Reiser K, Melko M, Hyde D, Rucker RB (1989). “Nutritional importance of pyrroloquinoline quinone.”. Science 245 (4920): 850-2. PMID 2549636
- ^ Kasahara T, Kato T (2003). “Nutritional biochemistry: A new redox-cofactor vitamin for mammals”. Nature 422 (6934): 832. PMID 12712191
- ^ Rucker R, Storms D, Sheets A, Tchaparian E, Fascetti A (2005). “Biochemistry: is pyrroloquinoline quinone a vitamin?”. Nature 433 (7025): E10-1; discussion E11-2. PMID 15689994
- ^ Tracy E. Stites, Alyson E. Mitchell, and Robert B. Rucker (2000). “Physiological Importance of Quinoenzymes and the O-Quinone Family of Cofactors”. The Journal of Nutrition 130 (4): 719-727, Table-1. http://jn.nutrition.org/content/130/4/719.long 2015年3月26日閲覧。.
関連項目
外部リンク
- A new vitamin PQQ (英語)
- PQQ アンチエイジング研究会
ビタミン (A11) |
脂溶性 |
A |
レチノール · β-カロテン · トレチノイン · α-カロテン
|
D |
D2(エルゴステロール - エルゴカルシフェロール) · D3(7-デヒドロコレステロール - プレビタミンD3 - コレカルシフェロール - 25-ヒドロキシコレカルシフェロール - カルシトリオール(1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール) - カルシトロン酸)
D4(ジヒドロエルゴカルシフェロール) · D5 · Dアナログ(ジヒドロタキステロール - カルシポトリオール - タカルシトール - パリカルシトール)
|
E |
トコフェロール (α - β - γ - δ) · トコトリエノール · トコフェルソラン
|
K |
フィロキノン (K1) · メナキノン (K2) · メナジオン (K3)
|
|
水溶性 |
B |
B1(チアミン) · B2(リボフラビン) · B3(ナイアシン - ニコチンアミド) · B5(パントテン酸、デクスパンテノール - パンテチン) · B6(ピリドキシン - ピリドキサールリン酸 - ピリドキサミン)
B7(ビオチン) · B9(葉酸 - ジヒドロ葉酸 - フォリン酸) · B12(シアノコバラミン - ヒドロキソコバラミン - メチルコバラミン - コバマミド) · コリン
|
C |
アスコルビン酸 · デヒドロアスコルビン酸
|
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- 主要な生体物質
- 炭水化物
- アルコール
- 糖タンパク質
- 配糖体
- 脂質
- エイコサノイド
- 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体
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- 核酸塩基
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- タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体
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- ヘムの代謝中間体
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補因子 |
補酵素 |
ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT
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有機補欠分子族 |
ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12)
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ
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金属補欠分子族 |
Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 11. ピロロキノリンキノン生合成研究の現状(第433回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
- 2-II-15 還元型ピロロキノリンキノン(PQQH_2)の抗酸化活性の評価(一般演題要旨,第65回大会講演要旨)
- 4.ピロロキノリンキノン(PQQ)のLC-MS/MS分析法の検討と食品研究への応用(第335回会議研究発表要旨,脂溶性ビタミン総合研究委員会)
Related Links
- 三菱ガス化学オフィシャル 製品紹介|ピロロキノリンキノンのページです。ピロロキノリンキノンは酸化還元酵素系の第三の補酵素です。主な用途:試薬。生産工場、荷姿、お問い合わせなど。 ... 企業情報 会社概要 沿革 役員一覧 ...
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ピロロキノリンキノン
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- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3