GABA γ-aminobutyrate
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γ-アミノ酪酸 |
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|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
56-12-2 |
PubChem |
119 |
ChemSpider |
116 |
UNII |
2ACZ6IPC6I |
日化辞番号 |
J1.375G |
KEGG |
D00058 |
MeSH |
gamma-Aminobutyric+Acid |
ChEMBL |
CHEMBL96 |
IUPHARリガンド |
1067 |
|
- InChI=1S/C4H9NO2/c5-3-1-2-4(6)7/h1-3,5H2,(H,6,7)
Key: BTCSSZJGUNDROE-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C4H9NO2/c5-3-1-2-4(6)7/h1-3,5H2,(H,6,7)
Key: BTCSSZJGUNDROE-UHFFFAOYAC
|
特性 |
化学式 |
C4H9NO2 |
モル質量 |
103.12 g/mol |
融点 |
203.7 °C, 477 K, 399 °F
|
酸解離定数 pKa |
4.23(カルボキシル基), 10.43(アミノ基)[1] |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)または4-アミノ酪酸(IUPAC名 4-aminobutanoic acid)は、アミノ酸のひとつで、主に抑制性の神経伝達物質として機能している物質である。
アミノ酪酸にはアミノ基のつく位置によりα-、β-、γ-の3種類の異性体が存在するが、γ-アミノ酪酸は、そのうちのひとつである。英語名の γ(gamma)-aminobutyric acid の頭文字をとった略称 GABA(ギャバ)が一般的に広く用いられている。
目次
- 1 概要
- 2 神経伝達物質として
- 3 薬理作用
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
概要[編集]
脊椎動物の中枢神経系では、主に海馬、小脳、脊髄などに存在し、また節足動物・甲殻類でも神経伝達物質として用いられている(下の項目を参照のこと)。シナプスでは、シナプス前膜から放出され、後膜の膜上にあるGABAに対する受容体タンパク質と結合して作用を発揮する。GABAは、脳内でグルタミン酸のα位のカルボキシル基が酵素反応により除かれることによって生成される。また、血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、体外からGABAを摂取しても、それが神経伝達物質としてそのまま用いられることはない。血圧を低下させる作用からか抑制系の反応が現れることもある[2]。また線虫では興奮性の神経伝達物質として機能することも明らかとなった[3]。
γ-アミノ酪酸と結合するGABA受容体としては3つのサブタイプが知られており、それぞれGABAA受容体、GABAB受容体、GABAC受容体と呼ばれている。
神経伝達物質として[編集]
グルタミン酸が基本的に興奮性の神経伝達物質であるのに対し、GABAは基本的に抑制性の神経伝達物質である。GABA作動性のニューロンとしては大脳基底核の線条体からの投射ニューロン(中型有棘細胞)や、小脳のプルキンエ細胞などがある。
薬理作用[編集]
GABA受容体のアゴニストないし、GABAの量を増加させる薬は、主として鎮静、抗痙攣、抗不安作用を有している。この種の薬はしばしば健忘を引き起こす。
GABA受容体に影響を及ぼす薬としては以下のものがあげられる:
- アルコール
- バルビツール酸系
- ベンゾジアゼピン
- GHB
- フェニトイン
- プロポフォール
- フィプロニル
脚注[編集]
- ^ Dawson, R.M.C., et al. (1959). Data for Biochemical Research. Oxford: Clarendon Press. OCLC 559618633.
- ^ 「血圧が高めの方に適する」とされる特定保健用食品がある。GABA含有発酵乳に関する報告があるが、有効性に関する信頼できるデータは不十分。外部リンクの「γ-アミノ酪酸(ギャバ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報」参照。
- ^ Beg, A. A.; Jorgensen, E. M. (2003). “EXP-1 is an excitatory GABA-gated cation channel”. Nat. Neurosci. 6 (11): 1145-1152. doi:10.1038/nn1136. PMID 14555952.
関連項目[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、Γ-アミノ酪酸に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク[編集]
- γ-アミノ酪酸(ギャバ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- (百科事典)「Gamma-Aminobutyric Acid」 - スカラーペディアにある「γ-アミノ酪酸」についての項目。(英語)
- GABA受容体 - 脳科学辞典 γ-アミノ酪酸受容体に関する解説。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- スターフルーツに含まれる特徴的な成分の熟度による変化
- 沖 智之,松村 まさと,氏原 邦博,住 秀和,佐藤 麻紀,須田 郁夫
- 日本作物学会九州支部会報 (77), 68-72, 2011-05-15
- スターフルーツの摘果果実や過熟果実の利活用に資する基礎情報を得ることを目的として,スターフルーツを特徴付ける成分と熟度との関係について検討した.総ポリフェノールとプロアントシアニジンの含量は,熟度2以降,すなわち果皮が黄色に7分着色してからの変動は小さいこと,総シュウ酸量は未熟果実(果皮色が緑色)で最も多く,成熟(果皮色が緑色から黄〜橙色へ変化)するにつれて減少することが明らかとなった.また,スタ …
- NAID 110008687291
- 渡部 保夫,鳥居 枝里子,大野 一仁,前田 耕作
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 58(4), 182-185, 2011-04-15
- 本研究は,愛媛県が生産量1位である裸麦類に属するもち麦を食品原料としての利用を活性化するためにGABA機能付加を試みた.精麦した精麦もち麦粒とグルタミン酸溶液を混合して浸漬後,水切りして湿った精麦もち麦をもう一度保温することで,高含量のGABAを含むもち麦粒が製造できた.0.3%から1%グルタミン酸溶液(pH4から8)に浸漬するが,もち麦の表皮を剥いだ精麦もち麦粒を用いることが重要であった.
- NAID 10028259878
Related Links
- GABA(γ-アミノ酪酸)は天然に存在するアミノ酸の一つで、無脊椎動物から脊椎動物、植物にいたるまで広く自然界に存在します。 現在、GABAは、血圧降下、精神安定などの作用で注目を浴びていますが、発見されたのは1950年。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ガンマロン錠250mg
組成
有効成分
添加物
- トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウ
効能または効果
- 下記疾患に伴う諸症状(頭痛、頭重、易疲労性、のぼせ感、耳鳴、記憶障害、睡眠障害、意欲低下)
頭部外傷後遺症
- ガンマ−アミノ酪酸として、通常成人1日3g(12錠)を3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
脳代謝促進作用1,2)
- 脳では主として、血液からのグルコースをエネルギー源として機能が営まれている。ガンマ−アミノ酪酸は、TCAサイクルの導入部に必要なヘキソキナーゼ活性を高め糖質代謝を促進する。また、実験的脳損傷(イヌ)にガンマ−アミノ酪酸50mg/kgを静注した場合、脳血流量、脳酸素供給量などの増加が認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ガンマ−アミノ酪酸(γ-Aminobutyric Acid)
略名
化学名
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。水又は氷酢酸に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは7.0〜8.0である。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- butyl
- 英
- γ-aminobutyric acid, γ-aminobutyrate, gamma aminobutyric acid
- 同
- γ-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、γ-アミノ酪酸、γアミノ酪酸、ガンマアミノブチル酸
- 関
- GABA受容体。ブチル
構造
生合成
[★]
- 英
- γ-hydroxybutyric acid gamma hydroxybutyric acid gamma-hydroxybutyrate gamma hydroxybutyrate GHBA GHB
- 同
- 4-ヒドロキシ酪酸 4-hydroxybutyric acid
- 関
- γ-アミノ酪酸 GABA
[★]
- 英
- gamma-aminobutyric acid、GABA
- 商
- ガンマロン
- 関
- ギャバ、γ-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、ガンマアミノ酪酸、ガンマ-アミノ酪酸
[★]
- 英
- gamma-aminobutyric acid
- 関
- γアミノ酪酸、ギャバ、γ-アミノ酪酸、ガンマアミノ酪酸
[★]
- 英
- 4-hydroxybutyric aciduria
- 関
- γ-アミノ酪酸
[★]
- 英
- gamma-aminobutyrate transaminase、4-aminobutyrate transaminase
- 関
- 4-アミノブチル酸トランスアミナーゼ、4-アミノ酪酸トランスアミナーゼ、γアミノ酪酸トランスアミナーゼ
[★]
- 英
- butyric acid, butanoic acid
- 同
- ブチル酸、ブタン酸
- 関
- カルボン酸
関連物質
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- aminobutyric acid、aminobutyrate
- 関
- アミノ酪酸塩