GABA
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gamma-Aminobutyric acid
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識別情報
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CAS登録番号
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56-12-2
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PubChem
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119
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ChemSpider
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116
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UNII
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2ACZ6IPC6I
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EC番号
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200-258-6
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DrugBank
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DB02530
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KEGG
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D00058
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MeSH
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gamma-Aminobutyric+Acid
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ChEBI
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ChEMBL
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CHEMBL96
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IUPHAR/BPS
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1067
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RTECS番号
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ES6300000
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InChI
InChI=1S/C4H9NO2/c5-3-1-2-4(6)7/h1-3,5H2,(H,6,7) Key: BTCSSZJGUNDROE-UHFFFAOYSA-N InChI=1/C4H9NO2/c5-3-1-2-4(6)7/h1-3,5H2,(H,6,7) Key: BTCSSZJGUNDROE-UHFFFAOYAC
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特性
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化学式
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C4H9NO2
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モル質量
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103.120 g/mol
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外観
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white microcrystalline powder
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密度
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1.11 g/mL
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融点
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203.7 °C, 477 K, 399 °F
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沸点
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247.9 °C, 521 K, 478 °F
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水への溶解度
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130 g/100 mL
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log POW
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−3.17
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酸解離定数 pKa
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4.23 (carboxyl), 10.43 (amino)[1]
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危険性
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主な危険性
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Irritant, Harmful
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半数致死量 LD50
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12,680 mg/kg (mouse, oral)
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関連する物質
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関連物質
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β-アラニン
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特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
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γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん、gamma-Aminobutyric acid )または4-アミノ酪酸(IUPAC名 4-aminobutanoic acid)は、アミノ酸のひとつで、主に抑制性の神経伝達物質として機能している物質である。
アミノ酪酸にはアミノ基のつく位置によりα-、β-、γ-の3種類の構造異性体が存在するが、γ-アミノ酪酸は、そのうちのひとつである。英語名の γ(gamma)-aminobutyric acid の頭文字をとった略称 GABA(ギャバ)が一般的に広く用いられている。
機能
脊椎動物の中枢神経系では、主に海馬、小脳、脊髄などに存在し、また節足動物・甲殻類でも神経伝達物質として用いられている(下の項目を参照のこと)。シナプスでは、シナプス前膜から放出され、後膜の膜上にあるGABAに対するGABA受容体タンパク質と結合して作用を発揮する。GABAは、脳内でグルタミン酸のα位のカルボキシル基がグルタミン酸脱炭酸酵素との反応により除かれることによって生成される。
γ-アミノ酪酸と結合するGABA受容体としては3つのサブタイプが知られており、それぞれGABAA受容体、GABAB受容体、GABAC受容体と呼ばれている。
神経伝達物質として
グルタミン酸が基本的に興奮性の神経伝達物質であるのに対し、GABAは基本的に抑制性の神経伝達物質である。GABA作動性のニューロンとしては大脳基底核の線条体からの投射ニューロン(中型有棘細胞)や、小脳のプルキンエ細胞などがある。
薬理学
GABA受容体のアゴニストないし、GABAの量を増加させる薬は、主として鎮静、抗痙攣、抗不安作用を有している。この種の薬はしばしば健忘を引き起こす。
GABAは血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、体外からGABAを摂取しても、それが神経伝達物質としてそのまま用いられることはない。血圧を低下させる作用からか抑制系の反応が現れることもある[2]。また線虫では興奮性の神経伝達物質として機能することも明らかとなった[3]。
ラットにおいては、GABAはN-アセチルセロトニン(メラトニンの前駆体)への異化作用を増強した[4]。このようにメラトニンの合成に関与しているため、GABAには睡眠や生殖機能の調節効果があるかもしれないと推測されている[5]。
GABA作動薬
「GABAアゴニスト」も参照
GABA受容体に影響を及ぼす薬としては以下のものが挙げられる。
- GABA-A 受容体リガンド
- アゴニスト: アルコール、バルビツール酸系、 ベンゾジアゼピン、カヴァ
- アンタゴニスト:フルマゼニル、フィプロニル
- GABA-B 受容体リガンド
- GABA再取り込み阻害剤:デラムシクラン、ハイパーフォリン、チアガビン
- GABAトランスアミナーゼ阻害剤:バルプロ酸ナトリウム
- GABAアナログ:プレガバリン、ガバペンチン
出典
- ^ Data for Biochemical Research. Oxford: Clarendon Press. (1959). [要ページ番号]
- ^ 「血圧が高めの方に適する」とされる特定保健用食品がある。GABA含有発酵乳に関する報告があるが、有効性に関する信頼できるデータは不十分。外部リンクの「γ-アミノ酪酸(ギャバ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報」参照。
- ^ Beg, A. A.; Jorgensen, E. M. (2003年). “EXP-1 is an excitatory GABA-gated cation channel”. Nat. Neurosci. 6 (11): 1145-1152. doi:10.1038/nn1136. PMID 14555952.
- ^ “The influence of GABA on the synthesis of N-acetylserotonin, melatonin, O-acetyl-5-hydroxytryptophol and O-acetyl-5-methoxytryptophol in the pineal gland of the male Wistar rat”. Reproduction, Nutrition, Development 23 (1): 151–60. (1983年). doi:10.1051/rnd:19830114. PMID 6844712.
- ^ “Sexually dimorphic modulation of GABA(A) receptor currents by melatonin in rats gonadotropin–releasing hormone neurons”. J Physiol Sci 58 (5): 317–322. (2008年). doi:10.2170/physiolsci.rp006208.
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、Γ-アミノ酪酸に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク
- γ-アミノ酪酸(ギャバ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
- Gamma-Aminobutyric Acid (英語) - スカラーペディア百科事典「γ-アミノ酪酸」の項目。
- GABA - 脳科学辞典
- GABA受容体 - 脳科学辞典 γ-アミノ酪酸受容体に関する解説。
- 小胞GABAトランスポーター - 脳科学辞典
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Japanese Journal
- コメ胚芽中の4-アミノ酪酸(GABA)蓄積に及ぼす有機溶媒脱脂の影響
- 三枝 貴代,岡田 忠司,村井 弘道,森 隆,堀野 俊郎,大森 正司,伊藤 昌博,小野田 明彦
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 48(3), 196-201, 2001-03-15
- … The 4-aminobutyric acid (γ-aminobutyuric acid, GABA) Was accumulated steeply in the rice germ during water soaking. …
- NAID 10007577625
- 細菌アルギニン代謝の比較II.4-アミノ酪酸分解酵素系(微生物-生態, 分類-)
- 4-アミノ酪酸およびアセチルコリンのReceptorに関する濃度作用曲線的解析(第3報) : 4-アミノ酪酸, およびアセチルコリン各作用とナトリウム, カルシウムイオンとの関係
- 神谷 大雄,喜多 富太郎
- 藥學雜誌 86(3), 241-248, 1966-03-25
- … Various types of acetylcholine (ACh) and 4-aminobutyric acid (GABA) actions against excised hind gut of crayfish were examined by the graphic method by which the nature of 1st and 2nd receptor systems was clarified. … On the other hand, pretreatment of the sample with 4-guanidinobutyric acid gave results similar to that with picrotoxin but there seems to be a considerable difference in the mechanism of action of these two substances. …
- NAID 110003653193
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- butyl
- 英
- γ-aminobutyric acid, γ-aminobutyrate, gamma aminobutyric acid
- 同
- γ-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、γ-アミノ酪酸、γアミノ酪酸、ガンマアミノブチル酸
- 関
- GABA受容体。ブチル
構造
生合成
[★]
- 英
- gamma-aminobutyric acid、GABA
- 商
- ガンマロン
- 関
- ギャバ、γ-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、ガンマアミノ酪酸、ガンマ-アミノ酪酸
[★]
4-アミノ酪酸
- 関
- GABA、gamma-aminobutyric acid
[★]
- 英
- 4-aminobutyrate transaminase
- 関
- 4-アミノブチル酸トランスアミナーゼ、γ-アミノ酪酸トランスアミナーゼ、γアミノ酪酸トランスアミナーゼ
[★]
- 英
- butyric acid, butanoic acid
- 同
- ブチル酸、ブタン酸
- 関
- カルボン酸
関連物質
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- aminobutyric acid、aminobutyrate
- 関
- アミノ酪酸塩