甲状腺機能亢進症

出典: meddic

hyperthyroidism
同?
甲状腺中毒症 thyrotoxicosis
甲状腺甲状腺ホルモン甲状腺腫甲状腺機能低下症

定義

  • 甲状腺においてホルモンの合成と分泌が増加し、そのために甲状腺ホルモン過剰の症状が出現している病態

分類

  • グレーブス病 :びまん性 :fT3↑、fT4↑、TSH↓
  • 甲状腺機能性結節 toxic multinodular goitar
  • 甲状腺ホルモン産生癌
  • 甲状腺外
  • TSH産生下垂体腫瘍 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 下垂体型甲状腺ホルモン不応症 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 胞状奇胎、絨毛腫瘍
  • ヒト絨毛性ゴナドトロピンhCGがTSH様甲状腺刺激物質として作用するため、甲状腺でのホルモン分泌、合成が亢進する。血中甲状腺ホルモンは高値となるが、TSHは低値を示す。hCGは妊娠初期にも分泌され、一過性の甲状腺機能亢進状態になることもある。
  • 卵巣甲状腺腫
  • 卵巣の奇形腫(teratoma)で、腫瘍内に過機能性甲状腺腫が存在し、甲状腺中毒症状を呈す。
  • 外因性甲状腺ホルモン中毒症
  • 甲状腺ホルモンの過剰投与、痩せ薬としての服用などにより、甲状腺中毒症状が出現する。血中TSH値は抑制され、サイログロブリンは低値を示すことが特徴的。

  • 甲状腺破壊による甲状腺中毒症

疫学

参考1
  • 甲状腺機能亢進によるもの
  • 甲状腺機能亢進によらないもの

症状

YN.D-30

  • 全身症状:全身倦怠感、易疲労感、体重減少、体重増加もあり、微熱
  • 消化器症状:食欲亢進、排便回数の増加、軟便、下痢
  • 循環器症状:動悸、息切れ、頻脈、心房細動、高血圧(収縮期血圧上昇、拡張期血圧低下、脈圧増大)
  • 神経筋症状:手指振戦、下肢近位筋の筋力低下、筋萎縮
  • 皮膚症状:発汗過多、皮膚湿潤、色素沈着、脱毛、皮膚掻痒感、手掌紅斑、爪甲剥離(Plummer爪)
  • 精神症状:神経過敏、易刺激性、不眠、多動
  • 性腺症状:月経異常(月経過少、無月経)

甲状腺機能亢進症と褐色細胞腫

  • 血圧:収縮期血圧↑/収縮期血圧↓ ⇔ 収縮期血圧↑/収縮期血圧↑
  • 消化器症状:下痢 ⇔ 便秘

眼症状

  • 甲状腺眼症においては、球後軟部組織の炎症性病変すなわち眼窩症が眼症発症の背景にある。
  • したがって、球後脂肪織炎による眼球突出と、外眼筋炎を伴う眼球突出がある。
  • Basedow病発症のピークを示す20歳前後の世代では脂肪織炎のみによる眼球突出のみによる眼球突出が高頻度に見られるのに対して、もう一つの山である40歳代の中高年層では外眼筋肥大を伴う例が多い。
  • 薬物治療:副腎皮質ステロイドホルモンのパルス療法あるいは漸減法を行う。
  • 特徴的所見:眼瞼後退、Graefe徴候(下方視の際に上眼瞼の下方への動きが遅れる)、Kocher徴候(目が凝視または驚いたように見える状態)


合併症


検査

  • 血液生化学(IMD)
  • Cho:低値
  • ALP: 高値
  • ChE 高値

など

  • Ca:高値  → 甲状腺ホルモンによる骨吸収・骨形成亢進のため? 骨粗鬆症が出現する症例はない、あるいは少ないのか?
  • P: 高値
  • 食後:高血糖
  • AST:上昇
  • ALT:上昇

治療

ICU.762
  • β遮断薬
  • 抗甲状腺薬:メチマゾール(MMI)(PTUより早く血漿fT4濃度を低減させるし、顆粒球減少の頻度がより低い)、プロピルチオウラシル(PTU)
  • ヨウ素剤:重症の場合は抗甲状腺薬に加えて使用する。ヨウ素は甲状腺からのT4放出を抑制する。


参考

  • 1. 甲状腺疾患と 抗TSHレセプター抗体
http://www.thyroid.jp/pdf/dr_TRAb.pdf


uptodate

  • 1. [charged] 成人における甲状腺機能亢進症の臨床症状の概要 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 潜在性甲状腺機能亢進症 - uptodate [2]
  • 3. [charged] 甲状腺機能亢進症の原因となる疾患 - uptodate [3]
  • 4. [charged] 小児期および思春期における甲状腺機能亢進症の臨床症状および診断 - uptodate [4]
  • 5. [charged] 甲状腺機能亢進症およびバセドウ病の神経学的症状 - uptodate [5]
  • 6. [charged] 甲状腺機能亢進症の心血管系への影響 - uptodate [6]
  • 7. [charged] 甲状腺機能亢進症の診断 - uptodate [7]
  • 8. [charged] バセドウ病(グレーブス甲状腺機能亢進症)の治療 - uptodate [8]



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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/30 16:49:16」(JST)

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UpToDate Contents

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和文文献

  • CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常 : その病態と治療 (第1土曜特集 CKD診療ガイド2012 ガイドブック) -- (管理法各論)
  • 森 良孝,深川 雅史
  • 医学のあゆみ 243(9), 837-841, 2012-12-01
  • NAID 40019492960
  • 3. 副甲状腺の外科(<特集>内分泌外科の現状と将来)
  • 福成 信博
  • 日本外科学会雑誌 113(6), 490-495, 2012-11-01
  • NAID 110009554101
  • 症例 甲状腺機能亢進症を有し,広範な冠動脈内膜下血腫により急性心筋梗塞に至った若年女性の1例
  • 高木 俊光,堀田 祐紀,玉 直人 他
  • 日本心血管インターベンション治療学会誌 4(3), 200-207, 2012-11-00
  • NAID 40019494512
  • 血清リン濃度に関連した諸問題とリン吸着剤について
  • 山野 茂樹
  • 日本獣医腎泌尿器学会誌 5(1), 37-41, 2012-11-00
  • NAID 40019494283

関連リンク

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)は甲状腺内組織の活動が異常 に活発になることにより、トリヨードサイロニン(T3)又はサイロキシン(T4)、或いは両方の 甲状腺ホルモンの分泌量(活性)が過剰になる疾患である。甲状腺ホルモンは細胞 ...
2003年2月6日 ... A:甲状腺ホルモンが多すぎるため、いろいろな異常がでる病気です。代表的な病気 としてバセドウ氏病があります。 甲状腺機能亢進症は甲状腺から甲状腺ホルモンが たくさん出過ぎるため、全身の細胞の新陳代謝が異常に高まる病気です。
ネコの甲状腺機能亢進症 老いてますます盛ん、と喜んでばかりいられない病気がある。 うちのネコ、年寄りなのに急に元気になった。よく食べる。発情期みたいに興奮気味。 こんな場合は、「甲状腺機能亢進症」を疑ってみてほしい。 監修/岸上獣医科病院 副 院長 ...

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★リンクテーブル★
先読み甲状腺腫
リンク元高血圧」「重症筋無力症」「バーター症候群」「骨粗鬆症」「発熱

甲状腺腫」

  [★]

goiter
struma
甲状腺
腫瘍によるものは含めない
  • びまん性甲状腺腫 diffuse goiter
  • 結節性甲状腺腫 multinodular goiter
  • (甲状腺ホルモン正常)


  • epidemic goiter
  • iodineが不足しがちな地域に住んでいる人に多い。人口の10%以上にgoiterが見られたらepidemic goiterと判断できる
  • sporadic goiter
  • 思春期~若い女性に多い
  • 甲状腺ホルモンの合成が傷害されることによる
  • 先天性
  • 食餌性
  • カルシウムやの過剰摂取が甲状腺ホルモンの合成を阻害

参考

  • 1. 甲状腺 DotJP - Thyroid DotJP presented by Sumire Hospital
1. 甲状腺疾患を理解するための基本的な知識
http://www.thyroid.jp/pdf/1.pdf
2. 甲状腺疾患を自分で診断し、治療する c. 甲状腺疾患の自己診断法
http://www.thyroid.jp/pdf/2-c.pdf
明日からの診療に役立つ 甲状腺診療のノウハウ すみれ甲状腺グループ すみれクリニック 院長 岡本泰之
http://www.thyroid.jp/professional/pdf/dr_clinical_practice.pdf
甲状腺疾患と 抗TSHレセプター抗体
http://www.thyroid.jp/pdf/dr_TRAb.pdf]]





高血圧」

  [★]

hypertension, HT, high blood pressure
(国試)高血圧症
低血圧

定義

  • 収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上 (1999年改正)

原因による分類

高血圧の病因

PHD.319

exogenous cause

  • 1. エストロゲン(避妊薬などに含まれる):肝臓でのアンジオテンシノゲンの産生量を増加させる。)
  • 2. 糖質コルチコイド:鉱質コルチコイド作用
  • 3. シクロスポリン
  • 4. エリスロポエチン:赤血球を増加させることで、血液の粘稠度が上昇したり、末梢の虚血性の血管拡張が解除される事による。
  • 5. 交換刺激刺激薬:例えば、普通感冒薬
  • 6. コカイン・慢性のアルコール過剰摂取:どちらも交感神経の活動性をあげる。

renal cause

mechanical cause

endocrine cause

高血圧のリスクファクター

  • 年齢、ナトリウム過剰摂取、飲酒、肥満、運動不足、妊娠中の高血圧、家族歴

高血圧による病変

PHD.323

  • 通常は無症候であるが、多くの臓器(血管、心臓、網膜、腎臓)に多大な影響を及ぼす

高血圧による細動脈変化 BPT.356

  • 急激な血圧上昇をきたす病態に特徴的(例えば、悪性高血圧(拡張期血圧120mmHg以上))
  • 組織的には細動脈のonion-skinningが特徴的。血管平滑筋の増生、基底膜の肥厚による(血管の構造→血管)
  • 悪性高血圧ではこれらの過形成的な変化に加えて、フィブリノイドの沈着と血管壁の壊死(necrotizing arteriolitis)が特に腎臓で顕著に見られる。

症候

身体所見

  • 胸部:II音の亢進(IIA音)、心基部の収縮期雑音

検査

心電図

  • 左室肥大 ← 求心性左室肥大 ← 後負荷に打ち勝って左室が収縮できるように。
097D017
[show details]

重症度と治療(QB.C-324)

重症度 血圧 治療
I度高血圧 140/90mmHg ライフスタイルの改善、半年-1年で改善しなければ降圧薬投与
II度高血圧 160/100mmHg 降圧薬投与(経口)
III度高血圧 180/110mmHg 降圧薬投与(経口)
高血圧緊急症 臓器障害(脳、心臓、腎臓など) 降圧薬投与(経静脈)

治療

  • まず生活指導を行った上で、薬物治療の必要がある場合にこれを開始する。ただし、高リスク群に関しては直ちに薬物治療を開始する。
  • 生活習慣の修正(参考1より)
1. 減塩(→ナトリウム) 6g/日未満
2. 食塩以外の栄養素 ・野菜・果物の積極的摂取*
・コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
・魚(魚油)の積極的摂取
3. 減量 ・BMI<25未満
4. 運動 ・心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う
5. 節酒 ・エタノールで男性は20-30ml/日以下、女性は10-20ml/以下
6. 禁煙  
 生活習慣の複合的な修正はより効果的である
*重篤な腎障害を伴う患者では高K血症をきたすリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。糖分の多い果物の過剰な摂取は、特に肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない。

降圧目標

参考4 JSH2014
患者背景 年齢 診察室 家庭血圧
血圧
若年、中年、 <75 140/90mmHg未満 5 ポ イ ン ト 低 く
前期高齢者
後期高齢者 ≧75 150/90mmHg未満
(忍容性があれば収縮期血圧140mmHgで)
糖尿病 130/80mmHg未満
蛋白尿陽性の慢性腎臓病
脳血管障害 140/90mmHg未満
冠動脈疾患
参考1
  診察室血圧 家庭血圧
若年者・中年者 135/85mmHg未満 125/80mmHg未満
高齢者 140/90mmHg未満 135/85mmHg未満
糖尿病患者
腎臓病患者
心筋梗塞後患者
130/80mmHg未満 125/75mmHg未満
脳血管障害患者 140/90mmHg未満 135/85mmHg未満

注:診察室血圧と家庭血圧の目標値の差は、診察室血圧140/90mmHg、家庭血圧135/85mmHgが、高血圧の診断基準であることから、この二者の差を単純にあてはめたものである。

JNC-7

  • 一般的:140/90mmHg未満
  • DM,CKD:130/80mmHg未満

幼児・小児の高血圧

参考2 参考3
健診用の高血圧基準
  収縮期血圧
(mmHg)
拡張期血圧
(mmHg)
乳児(注) ≧110 ≧70
幼児 ≧120 ≧70
小学校 低学年 ≧130 ≧80
高学年 ≧135 ≧80
中学校 男子 ≧140 ≧85
女子 ≧135 ≧80
高等学校 ≧140 ≧85
  • 注:乳児の値は検診用の基準かは不明

女性と高血圧

妊娠期間と降圧薬

参考

  • 1. 高血圧治療ガイドライン
[display]http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
  • 2. 高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)
http://www.jpnsh.org/manuscript080920.html リンク切れ
  • 3. 高血圧 日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)/ガイドライン 第10章 小児の高血圧
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0063.html
  • 4. 高血圧治療ガイドライン2014 電子版
[display]http://www.jpnsh.jp/guideline.html

高血圧と糖尿病を合併する病態

救急外来での高血圧

研修医当直御法度 第5版 p.33

救急

準急球

  • 拡張期血圧115以上であるが、臓器障害がない。
→ 経口降圧薬を処方し外来受診。


収縮期高血圧 動脈コンプライアンス低下 動脈硬化
大動脈の人工血管置換術後
心拍出量の変化 大動脈弁閉鎖不全症
甲状腺機能亢進症
発熱
動静脈瘻
動脈管開存症
過動心症候群
拡張期高血圧 体液量の増加 腎実質性高血圧 糸球体腎炎
糖尿病性腎症
慢性腎盂腎炎
多発性嚢胞腎
膠原病
など
副腎皮質疾患 Cushing症候群
原発性アルドステロン症
薬物性 経口避妊薬
副腎皮質ステロイド
エリスロポエチン
レニン-アンジオテンシン系の亢進
(循環血液量・末梢血管抵抗の増大)
腎血管性高血圧 腎動脈硬化症
線維筋性異形成
レニン産生腫瘍
血管抵抗の増大 交感神経系の亢進 褐色細胞腫
急性ストレス反応
薬物中断症候群
多発性神経炎
大血管の狭窄・閉鎖 大動脈狭窄症
解離性大動脈瘤
原因不明(多因子) 本態性高血圧





重症筋無力症」

  [★]

my asthenia gravi
myasthenia gravis, MG
神経筋接合部
  • first aid step1 2006 p.189,201,294,414

概念

  • 自己免疫疾患 
  • 抗アセチルコリン受容体抗体による神経筋接合部伝達障害
  • アセチルコリン受容体に対する自己抗体が、アセチルコリンの結合を阻害し、アセチルコリン受容体の数を減少させ、あるいは補体系を介した細胞膜破壊を引き起こす。

病因

疫学

  • MGの有病率:1-7/10,000。女性20-30歳代最大に多い。男性50-60歳代に多い。男女比:3:2。(HIM.2672-)

遺伝形式

病変形成&病理

病態

  • 筋脱力、易疲労性と症状の変動(夕方、反復動作で悪化。朝、休息後、睡眠後に軽快)

症状

  • 筋脱力
  • 眼  :眼瞼下垂、複視
  • 舌  :舌筋の萎縮
  • 喉頭 :言語障害
  • 咽頭 :嚥下障害
  • 横隔膜:呼吸困難
  • 肋間筋:呼吸困難
  • 四肢 :歩行障害(近位筋優位・上肢優位の筋脱力)

HIM.2672-

  • 主要な症状は筋脱力と疲労性。筋肉の反復使用で悪化。急速や睡眠で改善。MGの経過は様々(個人差が大きいってことか)。発病から2,3年は緩解したり発症したりする。まれに完全に緩解する。全身疾患や未治療の感染症があると筋脱力が悪化したりmyasthenic crisisを起こしたりする。。
  • 筋脱力の分布は特徴的。頭部特に眼瞼や外眼筋にみられる。複視や眼瞼下垂が普通の最初の訴えである。
  • 表情筋の筋脱力で笑おうとしたときに"snarling"を生じる。咬筋の筋脱力は咀嚼を長い間したときに認められる。
  • Speech may have a nasal timbre caused by weakness of the palate or a dysarthric "mushy" quality due to tongue weakness. *Difficulty in swallowing may occur as a result of weakness of the palate, tongue, or pharynx, giving rise to nasal regurgitation or aspiration of liquids or food
  • Bulbar weaknessはMuSK antibody?positive MGのときにとくに著明となる。
  • 85%までの患者で筋脱力が全身性となる。3年以上、筋脱力が外眼筋に限局している場合、筋脱力が全身性になることはない。→ ocular MG
  • MGの筋脱力は近位部であり、非対称性である。深部腱反射は保たれる。筋脱力が呼吸筋におよび呼吸補助が必要になったら、その患者はin crisisと呼ばれる。

重症筋無力症と関連する疾患。(HIM.2672-)

  • MG患者の~75%が胸腺の異常を有している。
  • 40歳以上の患者で胸腺が肥大していたら胸腺腫が疑わしい。
  • 患者の3-8%が甲状腺機能亢進症を有しており、重症筋無力症の症状を悪化させる。
  • 甲状腺機能検査はMGを疑う患者すべてに行うべき。
  • どんな慢性感染症でもMGを悪化させる。
  • 呼吸機能検査はやる価値がある。MGでは頻繁にそして重度の呼吸機能低下をきたす。
  • 胸腺の疾患:胸腺腫、胸腺過形成
  • 他の自己免疫疾患:橋本病、グレーブス病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、自己免疫性の皮膚疾患、他の家族性の自己免疫疾患
  • 重症筋無力症を悪化させる疾患:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、潜在性の感染症、治療中の他の疾患
  • 治療に干渉する疾患:結核、糖尿病、消化性潰瘍、消化管出血、腎疾患、高血圧、ぜんそく、骨粗鬆症、肥満

診断

鑑別診断

(CASES)
上位and/or下位
運動ニューロン
motor neurone disease
運動ニューロン疾患
線維束性攣縮。進行例では筋力低下
muscular dystrophy
筋ジストロフィー
ある種の筋肉が選択的に筋力低下する。家族歴がある。
dystrophia myotonica
筋強直性ジストロフィー
咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋の筋萎縮、四肢遠位端の筋萎縮。顔貌が特徴的(前頭部脱毛、無表情、窪んだ頬)。家族歴ある。筋電図が診断に有用(急降下爆撃音)。
polymyositis
多発筋炎
普通は皮疹と関節痛が出現。CKが上昇。筋生検が診断に有用
myopathy
ミオパチー
甲状腺中毒性ミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、クッシング症候群によるミオパチー、アルコール性のミオパチー
神経筋接合部 non-metastatic associations of malignancy
(paraneoplastic syndrome(傍腫瘍性症候群 = 腫瘍随伴症候群)のこと)
胸腺腫の症例の10%に重症筋無力症がみられる。ランバート・イートン筋無力症症候群は小細胞癌と関連がある。
     
(HIM.2674)
神経筋接合部 congenital myasthenia syndrome
先天性筋無力症症候群
 
神経筋接合部 drug-induced myasthenia
薬剤性筋無力症
重症筋無力症の誘発:ex. ペニシラミン(強皮症や関節リウマチの治療薬。筋力低下は軽度で拭くよう中断で改善)
重症筋無力症の悪化:ex. アミドグリコシド系抗菌薬、プロカインアミド
神経筋接合部 Lambert-Eaton myasthenic syndrome
ランバート・イートン筋無力症症候群
全身の筋肉が冒されるが、特に下肢の近位筋が冒される。MGと同じように~70%の患者で脳神経所見(眼瞼下垂、複視など)が認められる。MGと違うのは(1)反射が消失・減弱すること、(2)自律神経系の変化(口渇、勃起不全)を生じる、(3)神経刺激検査で漸増(waxing)が見られることである。病因は神経筋接合部のP/Q type calcium channelsに対する抗体の出現であり、85%の患者で見いだされる。治療はMGのように血漿交換や免疫抑制薬が使われる。3,4-DAPやpyridostigmineは症状に対する治療のために用いる。前者は運動神経の終末部でカルシウムチャネルをブロックし活動電位を延長させる。後者はアセチルコリンエステラーゼを阻害してシナプスにおける神経伝達物質の濃度を上げる。
精神疾患 neurasthenia
神経衰弱症
歴史的な用語。器質的な障害を伴わない筋無力症のような脱力を伴う症候群。患者は筋脱力や疲労を訴えてやってくる。筋肉の検査では器質的変化は認めないが"jerky release"あるいは"give-away weakness"が認められる。患者の主訴は反復動作による筋力低下よりむしろ疲労や感情鈍麻である。
内分泌疾患 hyperthyroidism
甲状腺機能亢進症
MGが疑われる患者にはthyroid function testをルーチンにやる。甲状腺機能異常は筋無力症の筋力低下を大きくすることがある。
神経筋接合部 botulism
ボツリヌス症
ボツリヌス毒素はシナプス前膜からの神経伝達物質の開口分泌を妨げる。症状はbulbar weakness (複視、構音障害、嚥下困難)。感覚障害はない。深部腱反射は初期には保たれている。進行すれば反射は見られなくなる。筋脱力は全身性。呼吸困難に陥ることがある。精神状態は正常。自律神経症状(麻痺性イレウス、便秘、urinary retention、瞳孔の散大、瞳孔の反応性低下、口渇)。確定診断は血清中の毒素の検出だけど、見つかることはまれ。神経伝導検査(nerve conduction studies):compound muscle action potentials (CMAPs)の低下。高頻度の刺激で振幅が増加。治療:intubation for airway protection、呼吸補助、aggressive inpatient supportive care(e.g., nutrition, DVT prophylaxis)。馬の抗毒素を検査結果が帰ってくる前に投与する(?)。
上位運動ニューロン intracranial mass lesions
頭蓋内占拠病変
複視はintracranial mass lesionが外眼筋の神経を圧迫することにより生じる。
progressive external ophthalmoplegia
進行性外眼筋麻痺
外眼筋の筋脱力を伴う。四肢の近位筋の筋力低下やそのほかの全身症状を伴うことがある。ミトコンドリアの異常を有する。

検査

HIM.2672-

  • 画像検査:胸部のCT, MRI → 胸腺腫のスクリーニング
  • 血清学的検査:全身性エリテマトーデスのスクリーニング検査、抗核抗体、リウマトイド因子、抗甲状腺抗体
  • 甲状腺機能検査
  • PPD skin test:結核の検査
  • 胸部X線検査:結核の検査
  • 空腹時血糖検査:耐糖能異常(糖質コルチコイドの副作用)
  • 肺機能検査:重症筋無力症の病態把握
  • 骨密度検査(老人):糖質コルチコイドの副作用

治療 IMD.1075

  • 薬物療法
  • 抗アセチルコリンエステラーゼ薬
  • 適応:眼症状のみ、高齢者
  • 糖質コルチコイド ← (CASES p.36によると第一選択らしいが)
  • 適応:症状が強く全身性で、血清抗AChR抗体高値、かつ胸腺腫
  • 免疫抑制薬
  • 適応:難治例
  • 手術療法
  • 胸腺摘除
  • 適応:症状が強く全身性で、血清抗AChR抗体高値、かつ胸腺腫。良い適応は診断後5年以内かつ胸腺腫が無い場合(CASES.36)。
  • 適応:難治例
  • 放射線療法
  • 適応:悪性胸腺腫か胸腺異所迷入例であって胸腺摘除後

HIM.2672-

  • 薬物療法:コリンエステラーゼ、グルココルチコイド、免疫抑制薬、免疫グロブリン製剤
  • 手術療法:胸腺摘出術
  • その他の治療:血漿交換

禁忌

医療禁忌マニュアル
  • ベンゾジアゼピン系薬などの筋弛緩作用を有する薬物の投与により呼吸不全の危険がある ex. ミダゾラム
  • アミドグリコシド系抗菌薬は神経接合部作用があり、重症化の恐れ
  • インターフェロンα:クリーゼを起こしたという報告があり、一旦起こると薬物を中止しても進行し重症化しうる。

予後

  • ほとんどの患者が適切な処置によりfull productive livesに復帰できる。(HIM.2672-)

国試

参考

  • 1. [charged] Treatment of myasthenia gravis - uptodate [9]



バーター症候群」

  [★]

Bartter syndrome, Bartter's syndrome
Bartter症候群
ギテルマン症候群 Gitelman症候群

概念

  • 常染色体劣性遺伝 AR
  • RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
  • 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
  • 傍糸球体細胞の過形成
  • 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
  • ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる

病因

  • 遺伝子異常
  • 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常

原因遺伝子

  Location Phenotype Phenotype Gene/Locus Gene/Locus
MIM number     MIM number  
1 15q21.1 [[10]] Bartter syndrome, type 1 601678 [[11]] SLC12A1 600839 [[12]]
2 11q24.3 [[13]] Bartter syndrome, type 2 241200 [[14]] KCNJ1 600359 [[15]]
3 1p36.13 [[16]] Bartter syndrome, type 3 607364 [[17]] CLCNKB 602023 [[18]]
4A 1p36.13 [[19]] Bartter syndrome, type 4, digenic 602522 [[20]] CLCNKB
1p32.3 [[21]] Bartter syndrome, type 4a BSND 606412 [[22]]
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
4B 1p36.13 [[23]] Bartter syndrome, type 4b, digenic 613090 [[24]] CLCNKA 602024 [[25]]

病態

uptodate.1
  • 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
  • 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired

症候および検査異常

uptodate.1
しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
  • 発育遅滞、精神発達遅滞   ←  幼小児で発見されるきっかけ?
  • 低カリウム血症
  • 代謝性アルカローシス
  • 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
  • 尿中カルシウム:正常~増加
  • 血清マグネシウム:正常~軽度低下
  • (時に)低リン酸血症 ←  二次性副甲状腺亢進症による

鑑別診断

IMD.1003
  カリウム 血圧 レニン アルドステロン pH その他
Bartter症候群 低カリウム血症 正常 高値 高値 代謝性アルカローシス  
原発性アルドステロン症 低カリウム血症 高血圧 低値 高値 代謝性アルカローシス  
二次アルドステロン症 低カリウム血症 高血圧 高値 高値 代謝性アルカローシス  
尿細管性アシドーシス 低カリウム血症       代謝性アシドーシス  
甲状腺機能亢進症 低カリウム血症          
Liddle症候群 低カリウム血症 高血圧 低値 低値   ACTH高値


バーター症候群とギテルマン症候群

出典不明
  バーター症候群 ギテルマン症候群
異常部位 ヘンレの太い上行脚 遠位曲尿細管
共通点病態 二次性アルドステロン症
低カリウム性アルカローシス
RAA系亢進
正常血圧
診断時年齢 6歳以下 学童~成人
成長障害 多い 無し~少ない
羊水過多 44% 0%
テタニー 少ない 多い
尿中カルシウム 正常~増加 減少
低マグネシウム血症 40% 100%
低ナトリウム血症 多い 少ない
遠位尿細管Cl再吸収 高度低下 軽度~中等度低下
多飲・多尿・脱水 中等度~高度 無~中等度

参考

uptodate

  • 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [26]
  • 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [27]

OMIM

  • 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
[display]http://omim.org/entry/601678
  • 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
[display]http://omim.org/entry/241200
  • 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
[display]http://omim.org/entry/607364
  • 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
[display]http://omim.org/entry/602522
  • 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
[display]http://omim.org/entry/613090

国試



骨粗鬆症」

  [★]

osteoporosis
骨多孔症、オステオポローシス
骨軟化症くる病老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症


  • 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
  • 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。

概念

  • 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患

定義

  • WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
  • 日本:骨量が30%以上減少したもの

リスクファクター

YN.D-156
  • 全身性:閉経、無月経、加齢、やせ、偏食、運動不足、ステロイド投与、日光照射不足、タバコ、糖尿病、胃切除、遺伝的素因
  • Ca欠乏:Ca摂取不足
  • ビタミンD欠乏:腎障害、肝障害、胃・小腸切除、日照不足
  • マグネシウム欠乏状態
  • 内分泌:糖尿病、医原性、Cushing症候群甲状腺機能亢進症副甲状腺機能亢進症エストロゲン分泌能低下
ガイドライン2
  • 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性


以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
  • 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤

原因による分類

原発性骨粗鬆症

続発性骨粗鬆症

内分泌性

栄養性

  • 壊血病
  • その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
別ソース
  • アルコール、摂食障害、ビタミンD欠乏、胃切除

遺伝性

  • 骨形成不全症、
  • ホモシスチン尿症

薬物性

別ソース

不動性

  • 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
  • 局所性:骨折後

先天性

その他

別ソース

小児の骨粗鬆症

Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
遺伝性症候群 骨形成不全症
特発性若年性骨粗鬆症  
慢性後天性症候群 胆道閉鎖症、チアノーゼ性心疾患
急性後天性症候群 身体の固定、体動制限
後天性代謝異常 甲状腺中毒、クッシング症候群カルシウム欠乏壊血病
新生物による 白血病、原発/転移性悪性腫瘍

男性の骨粗鬆症

原因

  • 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
  • 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤

病理

  • 皮質骨が薄くなる。海綿骨は骨梁が減少。

検査

  • 骨評価:骨量測定 + 胸椎/腰椎の単純X線撮影
  • 骨量測定
  • 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
  • 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
  • 胸椎/腰椎の単純X線撮影
  • 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要

治療

薬物治療

薬物治療開始基準

ガイドライン2
  • 以下のいずれかを満たす場合。
  • 1. 脆弱性既存骨折有り
  • 2. 脆弱性既存骨折無し
  • 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
  • 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
  • a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
  • b) 現在の喫煙
  • c) 大腿骨頚部骨折の家族歴

治療開始のトリガー

別ソース
  • 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
  • Tスコアが-2.5以下
  • Tスコアが-1~-2.5 FRAX
  • FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。

検診

スクリーニング

USPSTF
  • 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
  • 男性ではエビデンスがない

スクリーニング間隔

  • DEXA:1.0~-1.5→15年
  • DEXA:-1.5~-2.0→5年
  • DEXA:-2.0~-2.5→1年

ガイドライン

  • 1. 骨粗鬆症 - ガイドライン
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html

参考

[display]http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm




発熱」

  [★]

pyrexia
fever, thermogenesis
熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9

概念

  • 体温中枢のセットポイント上昇による

分類

  • 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
  • 発熱:38.0℃以上
ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9


小児

  • 37.5℃以上

病態生理

  • 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。

熱源の精査

  • 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)

疾患と発熱

膠原病と発熱

発熱40℃(PMID 8107744)

発熱の後に関節炎(PMID 8107744)

原因不明の熱の鑑別

  • 感染症
  • 腫瘍
  • 膠原病
  • 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP

発熱と心拍数の関係

  • 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。  ←  1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)

発熱を伴う内科的緊急疾患

内科レジデントの鉄則 第2版 p.6

院内における発熱の鑑別疾患

  • 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
  • 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症

小児科における発熱の原因

年齢 原因
乳児(生後3ヶ月未満) 敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
乳児(生後3ヶ月以降) ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
幼児、学童期 溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
  • 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。

小児における発熱

SPE.63
  • 甲状腺機能亢進症

新生児・乳児における発熱

see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
生後   :対処
0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。

漢方医学

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