- 英
- epidemic
- 関
- 激増、伝染性、流行、流行性、伝染病、集団発生、世界的流行
WordNet
- (especially of medicine) of disease or anything resembling a disease; attacking or affecting many individuals in a community or a population simultaneously; "an epidemic outbreak of influenza"
- a widespread outbreak of an infectious disease; many people are infected at the same time
PrepTutorEJDIC
- (病気などが)『伝染性の』,急速に広がる / (一般に)流行している / (一時的な)流行病,伝染病 / 流行,はやり
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/13 17:15:20」(JST)
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疫病(えきびょう)
- 疫病とは集団発生する伝染病・流行病のことであり、やまとことばの「ハヤリヤマイ」、英語のepidemic(ギリシア語の「民衆の上に」が語源)に相当する。本項にて解説
- 卵菌類のエキビョウキン(Phytophthora)が感染して引き起こされる植物の病害。
疫病(えきびょう)とは、流行病・はやり病のこと。古くは役病、疫気、疫癘(えきれい)、時疫、時気、時行などとも表記され、「えやみ」「えのやまい」「ときのけ」などとも読まれていた。
目次
- 1 概要
- 2 疫病菌の発見
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
概要
日本の歴史上、疫病として流行したと考えられているものに、痘瘡(天然痘)・麻疹(はしか)・赤痢・コレラ・インフルエンザ・癩・結核・梅毒などがあげられる。こうした病気は元々特定の地域の風土病であったが、文明・文化・社会の発展と異世界との交流拡大による人や文物の往来に伴い、これまで同種の病が存在しなかった地域にも伝播し、中には世界的に流行するようになったと考えられている。例えば、コレラは日本では19世紀に初めて発症したとされ、それ以前には存在しなかったとされている。
『日本書紀』には垂仁天皇の時代に役病が流行していたことが記され、『倭名類聚抄』には“疫”の字の意味について「民が皆病むなり」とある。
古くは疫病の原因として、荒振る神・疫神(えきじん/やくしん、疫病神)・疫鬼・怨霊の仕業とか仏罰・神罰によるものであるという超自然的なものに原因を求める考え方が前近代においては広く行われ、神仏を鎮めるための加持祈祷や各種祭礼(鎮花祭・道饗祭・四角四境祭・鬼気祭・疫神祭・御霊会など)などが行われた。疫病に関わる民俗・風習は今日でも広く名残を残している。
一方、漢方医学の分野では天地の気の乱れや陰陽不順による邪気・寒気・悪気が毛穴や口鼻を通じて体内に侵入して生じると考えられ、鍼灸や薬によって体内の陰陽のバランスを回復させることに主眼が置かれていた。疫病の原因がはっきりとするのは19世紀後期(日本では幕末から明治)に細菌学が進歩した後のことであったが、江戸時代には病気が病人から伝染することが漢方医の間でも知られており、香月牛山の『国字医叢』の中にも中国大陸から今まで知られていなかった病気が日本に伝わってきたことや病が伝染するものであることが記されている。
政治的には朝廷が典薬寮の勘申を受けた太政官符や幕府医官の意見を受けた江戸幕府の御触書(時疫御触書)を出して、薬療・食療による治療が奨励された。明治以後、限られた予算の中で内務省・厚生省を中心として公衆衛生の強化が図られた。
疫病菌の発見
主な疫病菌の発見は以下の通りであり、19世紀後半から20世紀初頭にかけての時期に集中している[1]。
発見年 |
病名 |
病原菌発見者 |
ハンセン病 |
1875年 |
アルマウェル・ハンセン(ノルウェー) |
マラリア |
1880年 |
シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン(フランス) |
腸チフス |
1880年 |
カール・エーベルト(ドイツ) |
結核 |
1882年 |
ロベルト・コッホ(ドイツ) |
コレラ |
1883年 |
ロベルト・コッホ(ドイツ) |
破傷風 |
1884年 |
アルトゥール・ニコライエル(ドイツ語版)(ドイツ) |
ブルセラ症 |
1887年 |
デビッド・ブルース(イギリス) |
ペスト |
1894年 |
アレクサンドル・イェルサン(フランス語版)(フランス)、北里柴三郎(日本) |
赤痢 |
1898年 |
志賀潔(日本) |
梅毒 |
1905年 |
フリッツ・シャウディン(ドイツ語版)(ドイツ) |
百日咳 |
1906年 |
ジュール・ボルデ(フランス) |
チフス |
1909年 |
シャルル・ジュール・アンリ・ニコル(フランス) |
脚注
参考文献
- 杉田暉道「疫病」(『国史大辞典 2』(吉川弘文館、1980年) ISBN 978-4-642-00502-9)
- 立川昭二「疫病」(『日本史大事典 1』(平凡社、1992年) ISBN 978-4-582-13101-7)
- 新村拓「疫病」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2001年) ISBN 978-4-095-23001-6)
- 蔵持不三也『ペストの文化誌-ヨーロッパの民衆と疫病-』朝日新聞社<朝日選書>、1995年8月。ISBN 4-02-259633-3
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 村岡 潔
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- … 亡の確率系について思考実験を行ない,感染症は,要注意であるが必ずしも集団の全滅を引き起こすわけではないことを確認した.「おわりに」では,生態系として人体に様々な病原体が住み着いていることを理解するとともに,抗菌グッズは,文化社会的な「きれい/汚い」空間と医学的な「清潔/不潔」空間を消費者に混同させることで成立していることを指摘した.相関と因果汚染と浄化流行病生態系抗菌グッズ …
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- 流行病、社会文化的解釈ならびに徳川時代(1603-1867)におけるアイヌへの種痘の実施
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- 流行の程度は の数が多いほど流行が目立つことを示します。 ・ は流行が終わっている ことを示します。 ・流行の推移は増加 、減少 、横ばい を示します。 ・青色太字の病名は 説明のページとリンクしています。クリックすると病気の説明ページにつながります。
★リンクテーブル★
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- 英
- communicability、infectious、epidemic、transmissible、communicable、contagious
- 関
- 感染性、伝達性、伝播性、流行、流行性、流行病、伝染病
[★]
- 英
- endemicity、epidemicity、epidemic、prevalent
- 関
- 伝染性、蔓延、流行、流行病、伝染病
[★]
- 英
- pandemic
- 関
- 激増、汎発性、流行病、大流行、集団発生、感染爆発、パンデミック
[★]
- 英
- epidemic、communicable disease
- 関
- 感染症、伝染性、流行、流行性、流行病
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- 英
- outbreak、upsurge
- 関
- 流行病、大流行、集団発生、世界的流行
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- 英
- fashion、epidemic、prevalence、prevail、prevalent、epidemic
- ラ
- epidemia
- 関
- 伝染性、普及、方法、蔓延、有病率、様式、罹患率、流行性、流行病、伝染病
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- 英
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- 関
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