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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2020/02/05 11:16:39」(JST)
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当帰湯(とうきとう)は漢方方剤のひとつ。冷え性で体力中等度以下の虚弱体質、上腹部から胸部にかけ疼痛のある場合に用いる。出典は『千金方』。
効果・効能
背中に冷感があり、腹部膨満感や腹痛のあるものに使用[1]。
適応症
肋間神経痛、心臓神経症、過敏大腸症、慢性膵炎、狭心症[2]
組成
当帰(とうき)5.0、半夏(はんげ)5.0、芍薬(しゃくやく)3.0、厚朴(こうぼく)3.0、桂枝(けいひ)3.0、人参(にんじん)3.0、乾姜(かんきょう)1.5、黄耆(おうぎ)1.5、山椒(さんしょう)1.5、甘草(かんぞう)1.0
慎重投与
次の患者には慎重に投与する[1]。
- 著しく胃腸の虚弱な患者
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者
相互作用
併用注意
次の薬剤との併用により、偽アルドステロン症、ミオパシーが出現しやすくなる[1]。
- 甘草含有製剤
- グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
副作用
次の副作用がある[1]。
重大な副作用
偽アルドステロン症、ミオパシー
その他
発疹、発赤、掻痒、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢
注意事項
高齢者は生理機能が低下し、妊産婦、小児は安全性が未確立であり、注意が必要である[1]。
脚注
- ^ a b c d e ツムラ製品情報『ツムラ当帰湯』
- ^ 監修高久史麿、矢崎義雄『治療薬マニュアル2001』(医学書院、2001)
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Japanese Journal
- <b>当帰湯の補気剤としての効果が示唆された</b><b>胸部症状の二例</b>
- 沢井 かおり,渡辺 賢治
- 日本東洋医学雑誌 69(2), 150-154, 2018
- … <p>当帰湯は虚寒証の胸腹部痛に用いられる処方である。 … 今回,疼痛以外の胸部症状に当帰湯を用いたところ,症状が軽快するとともに気力体力が増強した症例を経験した。 … 症例1は81歳男性,虚寒証の胸部絞扼感に対して当帰湯を用いたところ,胸部絞扼感が著明に軽快するとともに,気力が強くなり,しばらくできなかった農作業ができるようになった。 …
- NAID 130007507074
- 川島 春佳,木村 容子,伊藤 隆
- 日本東洋医学雑誌 67(3), 280-284, 2016
- … <p>当帰湯は,虚証,寒証の慢性の胸腹部痛・背痛を目標として用いる処方であるが,皮膚瘙痒症に有効であった報告は見当たらない。 … 今回,冷えを伴う皮膚瘙痒症が当帰湯により速やかに改善した症例について報告する。 … 当帰湯5.0g/日を投与し,服用6日目に皮膚瘙痒感が消失した。 …
- NAID 130005284886
- 逆流性食道炎によるとされる胸痛・腹痛・背部痛に当帰湯が有効であった1例
- 藤本 誠,野上 達也,井上 博喜,海老沢 茂,渡り 英俊,引網 宏彰,嶋田 豊
- 漢方の臨床 60(2), 275-278, 2013-02-25
- NAID 10031155417
Related Links
- 当帰湯(トウキトウ) 当帰湯(トウキトウ) 体力がなく背中が冷え、胸や背中の痛みや腹部膨満感のある方の腹痛や胸痛に用いられます。肋間神経痛にも用られます。 出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活 社) ...
- 当帰湯の特徴 背中に寒冷を感じ、血色も悪く、体力がない人 で、 水おちが痛んだり、胸から背中にかけて痛む場合 に用いられる漢方薬です。 肋間神経痛、仮性狭心症に応用されます。 中国・唐時代の「千金方(センキンホウ)」に記されています。
- 当帰湯 は,その処方中に大建中湯を含み、したがって当帰湯証には冷え,腹部膨満,腹痛などの大建中湯証を含有しています。 古典・現代における用い方 次に古典に見られる使用法ですが,原南陽(はらなんよう)は「真心痛(今日の ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツムラ当帰湯エキス顆粒(医療用)
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.75gを含有する。
日局トウキ 5.0g
日局ハンゲ 5.0g
日局ケイヒ 3.0g
日局コウボク 3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局ニンジン 3.0g
日局オウギ 1.5g
日局カンキョウ 1.5g
日局サンショウ 1.5g
日局カンゾウ 1.0g
添加物
- 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル
効能または効果
- 背中に寒冷を覚え、腹部膨満感や腹痛のあるもの
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等があらわれるおそれがある。]
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
偽アルドステロン症
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
ミオパチー
- 低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 漢方製剤、当帰湯
[★]
- 日
- とうき
- 英
- Japanese angelic aroot
- ラ
- Angelicae Radix、Angelica root
- 同
- 大和当帰、北海当帰
- 生薬。
- 成分:ligustilide、クマリン、ポリアセチレン、スクロース