エポプロステノール
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Japanese Journal
- P-0616 エポプロステノールナトリウム製剤の使用状況と副作用傾向の調査(一般演題 ポスター発表,使用状況調査・意識調査,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 田村 勝彦,野村 久祥,小林 庸子,篠原 高雄,永井 茂,佐藤 徹
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 284, 2011-09-09
- NAID 110008910082
- 109) 当院でエポプロステノールナトリウム持続静注療法を施行している原発性肺高血圧症の2例(第131回日本循環器学会東海地方会)
- 伊藤 義久,高松 真一,稲垣 尚彦,市橋 拓,鈴木 健
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 72(Supplement_III), 1087, 2008-10-20
- NAID 110007011246
Related Links
- エポプロステノール静注用0.5mg「タイヨー」(ジェネリック薬品). 経路:注射薬|規格:0 .5mg1瓶(溶解液付) |一般名:エポプロステノールナトリウム静注用|薬価: 11195.00 |メーカー:テバ製薬 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エポプロステノール静注用0.5mg「ACT」
組成
成分※・含量(エポプロステノールとして)
添加物(1バイアル中)
- 精製白糖(100mg)、L-アルギニン(50mg)、水酸化ナトリウム(pH調節剤)
専用溶解用液(生理食塩液)
- 塩化ナトリウム(0.45g)
- ※:エポプロステノールナトリウム
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 右心不全の急性増悪時の患者[本剤の血管拡張作用によりその病態をさらに悪化させるので、カテコールアミンの投与等の処置を行い、状態が安定するまでは投与しないこと。]
- 重篤な左心機能障害のある患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある。]
- 重篤な低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある。]
- 用量設定期(投与開始時)に肺水腫が増悪した患者[「副作用」の項参照]
効能または効果
- 本剤は肺動脈性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用すること。
- 本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
- 先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症については、Eisenmenger症候群あるいは術後に肺高血圧の残存している患者にのみ使用すること。
- 本剤は他の血管拡張薬で十分な治療効果が得られない場合に適用を考慮すること。
- 成人では、特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における安全性・有効性は確立していない。
- 小児では、特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における安全性・有効性は確立していない。
[成人]
用量設定(投与開始時)
- 本剤は専用溶解用液(生理食塩液)を用いて溶解し、通常、成人にはエポプロステノールとして1分間当り2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら15分以上の間隔をおいて1〜2ng/kg/分ずつ増量し、10ng/kg/分までの範囲で最適投与速度を決定する。
最適投与速度の決定にあたっては、増量時における潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の副作用の発現が重要な指標となる。このような症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には15分以上の間隔をおいて2ng/kg/分ずつ減量すること。
継続投与
- その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら15分以上の間隔をおいて1〜2ng/kg/分ずつ増減する。
[小児]
用量設定(投与開始時)
- 本剤は専用溶解用液(生理食塩液)を用いて溶解し、通常、小児にはエポプロステノールとして1分間当り0.5〜2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら、原則として1〜4週の間隔をおいて0.5〜2ng/kg/分ずつ増量し、20〜40ng/kg/分を目安として最適投与速度を決定する。増量時に潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には0.5〜2ng/kg/分ずつ緩徐に減量する。
継続投与
- その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら0.5〜2ng/kg/分ずつ増減する。
注射液の調製法の例示
- 専用溶解用液(生理食塩液)を用い、下表を参考に調製する。
3,000ng/mLの調製方法
- 専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本より5mLを注射筒を用いて正確に取り、本剤0.5mgバイアル内に注入し、溶解した液1.5mLを正確に注射筒内にとる。新たな専用溶解用液(生理食塩液)1本より1.5mLを除き、これに先に注射筒内にとった液全量を注入する。
投与方法
- 本剤は末梢又は中心静脈内にカテーテルを留置し、フィルターを接続した精密持続点滴装置を用いて、下表に示す注射液流量に従い持続投与する。ただし、精密持続点滴装置は以下に示す機能・精度を有するものを使用する。
体重別の注射液流量(mL/時)
5,000ng/mLの濃度に調製した場合
注)精密持続点滴装置にセットする注射液量を算出する場合は小数点以下1桁に四捨五入する。
3,000ng/mLの濃度に調製した場合
*注)精密持続点滴装置にセットする注射液量を算出する場合は小数点以下1桁に四捨五入する。
注射液流量の計算式
- 注射液の流量(mL/時)=投与速度(ng/kg/分)×体重(kg)×60(分)/注射液の濃度(ng/mL)
精密持続点滴装置の仕様
注)間欠作動型の場合は駆動間隔が3分を超えないものとする。
- 本剤は、常に専用溶解用液(生理食塩液)のみで溶解し、他の注射剤等と配合しないこと。また、他の注射剤、輸液等を併用投与する場合は、混合せず別の静脈ラインから投与すること。(他の注射剤、輸液等との配合あるいは混合によりpHが低下し、安定性が損なわれ、本剤の有効成分の含量低下により投与量が不足する可能性がある。投与量の不足により十分な臨床効果が得られず、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがある。)
- 本剤による重篤な副作用は、投与開始時の最小の投与速度である0.5〜2ng/kg/分でも発現するおそれがあり、また本剤による副作用の多くが最適投与速度を決定するまでの間に発現しているので、その間は患者の症状、血圧、心拍数、血行動態等を十分観察すること。
- 最適投与速度を決定する際に、肺動脈圧の低下のみを目安にしないこと。(臨床試験において、用量設定期(投与開始時)には心拍出量は増加するが、肺動脈圧は低下しないことが認められており、過量投与となる可能性がある。)
- 投与開始後1日間は、血圧低下等血行動態の変化による副作用の発現を防ぐため患者の安静を保つこと。
- 投与中及び投与中止の際の急激な減量により肺高血圧症状が増悪するおそれがあるので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、1日当り2ng/kg/分以下で徐々に減量すること。また、重篤な副作用の発現等、本剤を直ちに中止すべきと判断した場合でも、可能な限り徐々に減量し、急に中止しないこと。
- 本剤の減量中又は投与中止後に症状の悪化又は再発が認められることがあるので、患者の状態に注意し、このような場合には、適宜増量又は再投与する等の適切な処置を行うこと。
慎重投与
- 高度に全肺血管抵抗が上昇(40mmHg・分/L以上)している患者[全肺血管抵抗が40mmHg・分/L以上を示し原発性肺高血圧症の末期と考えられる症例で、重大な副作用(血圧低下及び徐脈)を発現し死亡に至った報告があるので、観察を十分に行い慎重に投与すること。]
- 低血圧(収縮期血圧100mmHg以下)の患者[本剤の血管拡張作用により、血圧をさらに低下させるおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
重大な副作用
(頻度不明)
- 過度の血圧低下や過度の徐脈に引き続き、意識喪失等のショック状態、尿量減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止に加え輸液、カテコールアミン、アトロピン硫酸塩水和物の投与等の適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
- 肺水腫があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止すること。[肺静脈閉塞を有する患者では、本剤の投与により、特に用量設定期(投与開始時)に肺静脈閉塞に由来する肺水腫を増悪させることがある。]
(頻度不明)
- 甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
病態モデルに対する作用
- トロンビンにより誘発したヒツジ肺高血圧症モデルにおいて、肺血管抵抗及び平均肺動脈圧の上昇を抑制する。3)
- ガラスビーズ(静脈内注入)により誘発したブタ肺高血圧症モデルにおいて、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させ、心拍出量を増加させる。4)
血管拡張作用5)
- 血圧低下作用を指標として麻酔ウサギ及びラットにおいて血管拡張作用を検討した結果、用量依存的に血圧を低下させる。
血小板凝集抑制作用6)
- ヒト血小板のADP誘発凝集を抑制(50%抑制濃度:0.5±0.1ng/mL)する(in vitro)。
作用機序7), 8)
- PGI2は血管平滑筋及び血小板の特異的受容体に結合し、細胞内のcAMP産生を促進することにより血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を発現する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- エポプロステノールナトリウム(Epoprostenol Sodium)
化学名:
- Monosodium(+)-(Z)-(3aR, 4R, 5R, 6aS)-3, 3a, 4, 5, 6, 6a-hexahydro-5-hydroxy-4-[(E)-(3S)-3-hydroxy-1-octenyl]-2H-cyclopenta[b]furan-Δ2,δvalerate
分子式:
分子量:
- 374.45
- +76〜+86°
(残留溶媒及び水分を換算した乾燥物 0.1g、ジメチルホルムアミド、10mL、100mm)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- epoprostenol
- 化
- エポプロステノールナトリウム epoprostenol sodium
- 商
- フローラン
- 関
- プロスタサイクリン prostacyclin、プロスタグランジンI2 prostaglandin I2 PGI2
- 肺高血圧
[★]
エポプロステノール。エポプロステノールナトリウム
[★]
- 英
- sodium, natrium, Na
- 関
- Na+
血液(血清)中のナトリウム (臨床検査法提要第32版)
尿中のナトリウム
- <20 mEq/l (正常と判断できる範囲)
- >40 mEq/l (腎性腎不全を示唆)
尿Na,Kと血清Naによる血清Naの予測
- 経口摂取と輸液による自由水の摂取がなければ
- 尿([Na+]+[K+]) < 血清[Na+] → 血清[Na+]上昇
- 尿([Na+]+[K+]) = 血清[Na+] → 血清[Na+]普遍
- 尿([Na+]+[K+]) > 血清[Na+] → 血清[Na+]低下
食品中の食塩量
- ほとんどの製品ラベルに記載されている、ナトリウム[g]はそのまま食塩量[g]と考えることができないので、指導する債には注意を促す。
- 分子量から考えるとNa(23), Cl(35.5)なので、ナトリウムx[g]は食塩 x /23 * (23 + 35.5)、つまり2.54 * x [g]となる。
- 例えば、小生が常食している某社のインスタントラーメンにはナトリウム2[g]との記載があるが、これは5.08gの食塩が含まれているということになる。もちろんスープは全部飲む。1日3袋食べたことがあるのだが、、、
臨床関連
[★]
- 英
- thorium、Th
- 関
- トロトラスト、232Th
概念
- 参考1
- 原子番号:90
- 元素記号:Th
- アクチノイド元素の一つ
- 銀白色の金属。
- 安定同位体は存在しない。
- 北欧神話の軍神または雷神トールにちなんで名づけられた。
同位体
- 参考1
同位体
|
NA
|
半減期
|
DM
|
DE (MeV)
|
DP
|
228Th
|
trace
|
1.9116 y
|
α
|
5.52
|
224Ra
|
229Th
|
syn
|
7340 y
|
α
|
5.168
|
225Ra
|
230Th
|
trace
|
75380 y
|
α
|
4.77
|
226Ra
|
231Th
|
trace
|
25.5 h
|
β
|
0.39
|
231Pa
|
232Th
|
100 %
|
1.405 × 1010 y
|
α
|
4.083
|
228Ra
|
234Th
|
trace
|
24.1 d
|
β
|
0.27
|
234Pa
|
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
[★]
- 英
- pro
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類