- 英
- nonionizing radiation、non-ionizing radiation
- 関
- 電磁放射線
- 電離作用を持たない放射線。
- 波長の長い電磁波:紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、ラジオ波など。
- 波長が短ければ、原子に干渉しうるが、長い放射線になると、分子間に作用したりするレベルになる。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/22 13:29:33」(JST)
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非電離放射線(ひでんりほうしゃせん、Non-ionizing radiation:NIR)とは、原子や分子を電離させる(原子や分子の周りを回っていた電子を原子の力が及ばない距離まで引き剥がす)のに十分なエネルギーを持たない電磁波のことである[1]。国際放射線防護委員会では、「物質との相互作用の主要モードが電離でない所の放射線」と定義し、電子ボルト単位でエネルギーが10eV以下のもの、波長では近紫外線から低周波領域までとしているが、広義では電場・磁場・超音波なども含めることがある[2]。物体を通過しても荷電イオンは生成せず、励起、つまり電子をより高い準位に移動させるだけのエネルギーしか持たない。しかしながら、様々な生物学的影響が、それぞれの非電離放射線にあることが確認されている[3][4]。
非電離放射線に分類される光線や電波として近紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、また低周波が挙げられる。可視光および近紫外線は物質に対し電離(光化学反応)を起こすと同時にラジカル反応を促進させる。ワニスの老化や[5]、感光によるビールの劣化などもこれらの反応が原因である[6]。太陽から地球に降り注いでいる光線の大半が非電離放射線であるが、一部の紫外線という重大な例外が存在する。しかし殆どが地球の大気中で吸収される為地上には届きにくい。なお、静電磁場では電離放射線は発生しない[4]。
目次
- 1 健康被害
- 2 紫外線放射
- 3 可視光および赤外線レーザー
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
健康被害[編集]
非電離放射線は生態組織内で熱エネルギーを発生させ火傷を引き起すなどの非突然変異効果をもたらす。
生物学的影響に基づくとスペクトラムの非電離放射領域は以下のように分けられる。
- 光放射領域。電子が励起される(可視光、赤外領域)。
- 人体よりも波長が短い領域。誘導電流による発熱を伴う(マイクロ波及び高周波)。
- 人体よりも波長が長い領域。誘導電流による発熱はほとんど起こらない(低周波、電力低周波、静電磁場)[4]。
これらのことから、波長が短いほど急激な反応が起こると考えることができる。
[3] |
起源 |
波長 |
周波数 |
生物学的影響 |
近紫外線(UV-A) |
ブラックライト、太陽光線 |
315–400 nm |
750–950 THz |
目 – 光化学効果による白内障; 皮膚 – 日焼け |
可視光 |
レーザー、太陽光線、火、LED、電球 |
400–780 nm |
385–750 THz |
肌の老化; 目 – 光化学および熱による網膜の損傷 |
赤外線-A |
レーザー、リモコン |
780 nm – 1.4 µm |
215–385 THz |
目 - 熱による網膜の損傷、熱による白内障; 皮膚 - 火傷 |
赤外線-B |
レーザー<長距離通信 |
1.4–3 µm |
100–215 THz |
目 – 角膜の損傷、白内障; 皮膚火傷 |
赤外線-C |
遠赤外線レーザー |
3 µm – 1 mm |
300 GHz – 100 THz |
目 – 角膜の損傷、白内障; 体表面の加熱 |
マイクロ波 |
PCS電話、携帯電話(一部除く)、電子レンジ、コードレスフォン、動作感知装置、レーダー、Wi-Fi |
1 mm – 33 cm |
1–300 GHz |
生体組織の加熱 |
高周波 |
携帯電話、テレビ、FM、AM、短波、CB無線、コードレスフォン |
33 cm – 3 km |
100 kHz – 1 GHz |
生体組織の加熱、体温の上昇 |
低周波 |
送電線 |
>3 km |
<100 kHz |
体表面の電荷の蓄積; 神経や筋肉の反応の阻害 |
静電磁場[4] |
強力な磁石、MRI |
無限大 |
0 Hz |
磁力による影響 – めまい、吐き気; 電解による影響 – 体表面の電荷の蓄積 |
紫外線放射[編集]
紫外線は波長の長い順にそれぞれ近紫外線、中紫外線、遠紫外線に分類されるが、非電離性を持つのは近紫外線である。皮膚が紫外線を受けると日焼けとなり[7]、また目が長期間さらされると白内障の原因となる[7]。紫外線は発癌因となる可能性があるダメージを細胞に与える遊離基を発生させる。紫外線はしばしばメラニン細胞からメラニンを生成して日焼けを引き起こす。紫外線放射によって引き起こされるラジカル反応により、皮膚上にはビタミンDが作りだされる。
可視光および赤外線レーザー[編集]
可視光は人体へほとんど影響を及ぼさない。強い光は目に不快な刺激を与える。可視光レーザーは例え弱い出力であっても、目に重大なダメージを与える。極めて強い可視光は光脱毛に利用される。
参考文献[編集]
- ^ "Ionizing & Non-Ionizing Radiation"
- ^ 『物理学辞典』、培風館、2005年、ISBN 4-563-02094-X
- ^ a b Non-Ionizing Radiations – Sources, Biological Effects, Emissions and Exposures |journal=Proceedings of the International Conference on Non-Ionizing Radiation at UNITEN ICNIR2003 Electromagnetic Fields and Our Health 20 – 22 October 2003 Kwan-Hoong Ng
- ^ a b c d Static Electric and Magnetic Fields and Human Health John E. Moulder
- ^ Helv. Chim. Acta vol. 83 (2000), pp. 1766 (PDF)
- ^ Photochemical & Photobiological Sciences, 2004, 3, 337-340, DOI: 10.1039/b316210a
- ^ a b "UW EH&S Hazards of Ultraviolet Light"
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Health Physics Society Public Education website
放射線(物理学と健康) |
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単位 |
放射線量の単位 - 放射能の単位
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測定 |
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物質との相互作用 |
各放射線と物質との相互作用
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Category:放射線
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Japanese Journal
- 一般演題 26 実験的マウスバセドウ病モデルにおける電磁波(放射線, 紫外線)の抗TSH受容体自己免疫反応に及ぼす影響の検討
- 齋藤 巨樹,松田 尚樹 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 81(特集号), 303-306, 2006-09
- … 電磁波,特に電離放射線と非電離放射線の1つである紫外線は,環境因子の1つとして生態に種々の影響を与えることが知られている。 …
- NAID 110006222812
Related Links
- 電離放射線と非電離放射線 電離放射線 X線、 線などの周波数が3千兆ヘルツを超える電磁波です。 エネルギーが大きく、DNAなどの生体高分子の電離や励起により、発がんや突然変異などの顕著な生体作用を及ぼすことがあります。
- 電磁波の種類と特徴 電磁波は電離放射線と非電離放射線に大別されます。 電離放射線は原爆の放射能に含まれるガンマ線やレントゲン撮影のときのエックス線、皮膚ガンの原因と言われる紫外線等、非常に危険な電磁波です。
- 非電離放射線(ひでんりほうしゃせん、Non-ionizing radiation:NIR)とは、原子や分子を電離させる(原子や分子の周りを回っていた電子を原子の力が及ばない距離まで引き剥がす)のに十分なエネルギーを持たない電磁波のことである [1]。
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- 英
- electromagnetic radiation
- 同
- 電磁波 electromagnetic wave
- 関
- 非電離放射線、放射線
[★]
- 英
- radiation, radioactive ray
- 同
- 輻射線
- 関
- 電磁波
場所による分類
性質による分類
胎児への放射線の影響
- 1999年のICRP勧告「胎児が100mGy被爆した場合、子供が奇形を持たない確率はほぼ97%、癌にならない確率は99.1%」
[★]
- 英
- radiation、beam、radiate、emit、beam、radiative、radiant
- 関
- 照射、照射性、排出、ビーム、放散、放射状、放射線、放射線照射
[★]
- 英
- line、string
- 関
- 裏打ち、系統、弦、紐、ライン
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- 英
- ionization、ionize
- 関
- イオン化、解離、陽イオン
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- 英
- nonionizing radiation
- 関
- 非イオン化放射