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性分化疾患 | |
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分類及び外部参照情報 | |
MeSH | D012734 |
性分化疾患(せいぶんかしっかん、英: disorders of sex development, DSDs)は「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」を指す医学用語である[1]。英語ではDSDと略されることが多い。
「性分化疾患」という単一の疾患があるわけではなく、アンドロゲン不応症や先天性副腎皮質過形成、卵精巣性性分化疾患、クラインフェルター症候群、ターナー症候群など、身体的性別に関する様々なレベルでの、約60種類以上の症候群・疾患群を包括する用語で、日本では以前までは「性分化異常症」「性発達障害」などと呼ばれていたものに当たる。これらの影響による、出生時(第一次性徴)における性別の判別が難しい状態を指して半陰陽(英: hermaphrodite)、インターセックス(英: intersex)という言葉もよく用いられていたが、名称と実態が合っていないこともあり現在ではあまり使用されなくなってきている(後述参照)。
この概念は、内外生殖器や性染色体など身体的性別にかかわる非典型的な特徴に関するもので、ジェンダー・アイデンティティ(性同一性・性自認)、性指向を指すものではない。また、生物学的性別は典型的な状態で、自身の身体の性別をはっきり認識しているものの、ジェンダー・アイデンティティと身体的性別とが一致しない状態「性同一性障害」(GID) とは異なる。
性分化疾患とは単一の疾患を指すのではなく、約60種類以上ある疾患群の包括用語に過ぎない。以下は代表的なものを挙げる。
性別不明外性器で最も多い(70~80%)のが先天性副腎皮質過形成 (CAH)。常染色体劣性遺伝を取る。副腎皮質のはたらきの異常によりコルチゾールやアルドステロンが低下し、アンドロゲンが過剰に分泌される内分泌系の疾患。そのほとんどが21水酸化酵素欠損症。男児女児合わせて約5,000~15,000人に1人の頻度で見られる。XX女児においては、内性器の構造は女性のものであるが、外性器の一部がどちらかというと男性様の外見になる場合がある。XY男児の場合は思春期早発症が見られることがある。男児女児とも、治療を行わないと早い時期に発育が停止し、新生児期より副腎不全が発生するため、適切な治療を行わないと死亡してしまう。XX女児の思春期以降の性別違和感は、女性として育てた場合4.6%、男性として育てた場合21.4%。
染色体はXYでアンドロゲンが分泌されるが、アンドロゲン受容体が働かないため、外見・外性器共に女性型となるが、内性器は未分化な精巣であり、思春期以降の無月経などで判明することが多い。受容体がすべて働かない型を完全型アンドロゲン不応症 (CAIS)、一部のみ働く型を部分型アンドロゲン不応症 (PAIS) と言う。発生頻度はCAISは13,000人に1人、PAISは130,000人に1人の割合。どちらもX染色体由来の伴性遺伝形式をとる。不完全性アンドロゲン不応症で、誕生時に性別不明外性器の場合、男性として育てられることもある。
思春期以降の性別違和感は、女性として育てられたCAISでは0%、女性として育てられたPAISでは10.9%、男性として育てられたPAISでは14.3%。特にPAISの停留精巣は悪性腫瘍化するリスクが高い(CAISの場合は思春期までの悪性腫瘍化は2~5%)。
性腺が精巣もしくは卵巣に分化仕切れていない状態を指す。性染色体は45X0/46XYのモザイクが多い。発生頻度は不明。未分化性腺の悪性腫瘍化のリスクは15歳までで10~20%、成人までで20~25%。
卵巣と精巣の両方の組織を含む性腺を持つ状態。発生頻度は83,000人中1人の割合。ほとんどのケースで養育性の性自認を獲得する。未分化な性腺は悪性腫瘍化のリスクがあるため、医師のモニタリングが必要となる。
テストステロンをジヒドロテストステロンに変換するための5α還元酵素を欠くために、XY染色体を持つ個体が胎内で男性化せず女性型として生まれる。たいていは気付かれず女性として育てられるが、二次性徴では男性化する。頻度は不明だが、先進国ではごく稀とされている。先進国では手術及びホルモン治療を受けて女性として生きることを望む人が多いが、ドミニカ共和国での発生頻度の多い地域の部族では、文化的に男性にならなければならないとしているところがある。
先天性膣欠損症とも呼ばれる。XX女性で他の性器は通常だが、膣・子宮が欠如している状態。発生頻度は女性の4,000~5,000人に1人の割合。性自認は全員が女性の自認を持つ。
通常の男性の性染色体は「XY」であるが、これにX染色体が1つ多く「XXY」となっている。一般に染色体すべてを総合して「47, XXY」と表現される。さらにX染色体が二つ以上多い「XXXY」等もある。過剰なX染色体が多いほど障害の傾向も強い。XXY染色体の発生頻度は1,000人中1人の割合だが、X染色体の数の異常があればクラインフェルター症候群の症状が高確率で出るわけではなく、この組み合わせの染色体を持ちながら症状が全く出ないケースの方が多い。通常の男性器を持って生まれ、通常の二次性徴を経験するため気づかれない場合が多いが、乳房発達や不妊傾向が見られ、不妊検査などで判明することが多い。性自認は大多数が通常男性だが、性同一性障害を伴う人もいる。
染色体異常症のうちの異数性の一つ。配偶子形成時の減数分裂過程での染色体不分離により、X染色体が1本少ないことによる。正常女性核型は46,XXとX染色体が2本あるのに対して、X染色体が少なく45,Xとなる。しかしながら、実際には45,Xだけではなく、X染色体の構造異常によりX短腕が欠失した核型も稀ではなく、46,X,i(Xq)やマーカー染色体などがモザイクで存在する場合も多い。、新生児期の四肢の浮腫、先天性心疾患。小児期の低身長。思春期の無月経で判明する。発生頻度は2,000~3,000人に1人の割合。性自認は全員女性。
性分化疾患を持つ人々の大多数が、典型的な男性/女性としてのジェンダー・アイデンティティを持っており(たとえば、2004年から2005年にかけてドイツで行われた大規模調査[2]では、性分化疾患当事者439人のうち、自らを「男でも女でもない」とした人は9人で、残りの430人は通常の男性か女性のジェンダー・アイデンティティを報告している)、むしろ「インターセックス」とのステレオタイプ的なラベリングは拒絶されることが多い[3]。
まず第一に、性分化疾患とは、約60種類以上ある疾患群の総称に過ぎず、そのような単一の疾患があるわけではない。両性具有のようなイメージに参照されると思われる卵精巣性性分化疾患においても、性腺が精巣・卵巣に分化していない状態であり、両方の性腺を併せ持っているわけではない。その他の性分化疾患においても、内性器と外性器、性染色体などがマッチしていなかったり、内性器や外性器の発達が不十分だったり、性ホルモンが不足しているなど、「両性具有」という完全性をイメージさせる状態とは全く異なる。
上記にある通り、性分化疾患を持つ人達の大多数は、違和感なく通常の男性/女性として生活しており、むしろ、「男でも女でもない性」「第3の性」とラベリングされることは拒絶される場合が多い。たとえば通常の女性として育ち、性自認も女性の完全型アンドロゲン不応症の女性は、以前「精巣性女性化症」と呼ばれていたが、この疾患名は「女性ではない」という印象を与え、大きく傷つく人が多かったため、当事者の切実な要望から現在の疾患名に変更された。このような状況を代表として、通常の男性・女性の性自認を持っている当事者に対して、「男でも女でもない」と名指しすることは、実情に合わず、当事者を大きく傷つける可能性が高い。ただし、性分化疾患の当事者の中には「男でも女でもない」と自認する人もいるが、それは性分化疾患を持たない人の中にも自認する人がいて、性分化疾患を持つ人に限らず、厳に尊重されるべきである。
性分化疾患について、「生まれた時に間違った性別を与えられている」「勝手に医者や両親が性別を決めている」「性別を決めずにインターセックスとして育てるべきだ」などと述べられることがあるが、これはすべて誤解である。まず、大多数の性分化疾患は、将来の性自認がほとんど自明であるか、出生時の検査によって判明する[4]。当然ながら、すぐには判明しないケースもあるが、インターセックス(性分化疾患)の当事者運動は、健康上の問題がない美容上の性器形成手術の弊害は訴えてきているが、性別決定そのものを否定しているわけではない。それ以前に、「間違った性別を与えられて苦しんでいるから、インターセックスとして育てるべき」との誤解は、ではインターセックスというもので育てれば、それは間違っていないのか、本人は苦しまないのかという大きな問題を持っていることに気がついていない。また、以前、フェミニスト生物学者のアン・ファースト=スターリンは、性器の形、内性器と外性器の組み合わせから、「5つの性別」にすればよいとした論文を出版したことがあったが、これは性分化疾患(インターセックス)の当事者から大きく批判された。性器の形(ペニスの長さが男性として適当かどうか)を基準に、正式な検査を行えば男性として育つことが自明であったケースにおいても、性器切除の上女性として育てられ、後に勝手に手術を受けさせられた当事者の人生が大きく狂ってしまうということが頻発しており、インターセックスの当事者運動は、性器の形だけで性別を決めないように訴えていたのだが、ファースト=スターリンの論文は、ファースト=スターリン自身が、インターセックス当事者運動の支援者であったにも関わらず、運動の目的を全く理解しないものであった。そのため、ファースト=スターリンは後に「5つの性別論」を撤回している。
コミックなどによって流布された誤解であるが、一部の当事者しか用いない。元々はトランスジェンダーの人々が使い出した略語であり、当事者から言い出した自称ではないし、この略称が医学・医療にて用いられたことはない。上記の通り、性分化疾患を持つ人々の大多数は通常の男性・女性として生活しており、「IS:インターセックス:中性」といったイメージは拒否されることが多い。また医療現場では、「副腎皮質過形成」「アンドロゲン不応症」「クラインフェルター症候群」「MRKH」などの個別の疾患名が用いられ、「インターセックス」という用語も用いられない。現在では医学論文において、総体的に呼称する場合に「性分化疾患」という用語が用いられるだけである。「インターセックス」はもともと生物学の用語で、昆虫や爬虫類、魚類などに用いられた用語であったが、後に医学論文などで、人間に対しても用いられるようになっていた。しかしそれは、医学内部の論文などで用いられる俗称であり、実際は、昔の医療現場での告知では「hermaphrodite(半陰陽)」を基準にした用語が用いられることが多かったが、患者の心理的な状態を理解出来ない医師によって、誤って「インターセックス」という用語が用いられたり「男でも女でもない」と告知されるケースもあった。後に「hermaphrodite(半陰陽)」という用語も蔑視的であるとして医学・医療では用いられなくなっている。現在では「インターセックス」「インターセクシュアル」との用語は、学術的論文では、以前のように、生物学の範囲でしか見られなくなっている。しかし、当然ながら、性分化疾患当事者が「インターセックス」という用語を用いてはいけないということではなく、それは個々の考えにより、厳に尊重されなければならない。
ジェンダー論やクィアセオリーなどでこう述べられることがあるが、「生物学的には」ヒトの性別は性腺・外性器・内性器の組み合わせが典型的である男性・女性が99%以上であるため、「第三の性」は多型ではなく変異と定義される。但しこのことは心理的・社会的な「第三の性」を否定するものではない。性分化疾患の人の中には、性自認が揺れる人も、男女どちらでもない性自認を持つ人も、政治主張として「男も女もない」と主張する人もいるが、それは、性分化疾患ではない人がそういう状態にあったり、そういう政治的信念を持つことと変わりがない。個々人の性自認や政治的信念は生物学的な定義に関らず尊重されるべきである。
「性分化疾患」との用語へと至る過程は、主にアメリカ合衆国の医学界及び一部の当事者団体から成る「DSDコンソーシアム」[5]が主導した。これまで医学領域や一般に用いられていた「半陰陽」「両性具有」(hermaphroditism) や「インターセックス」(intersex) などの用語は、「患者には蔑視的な意味が潜むものと感じられ、専門家や親などにとっては紛らわしいものである」[1]ため、医学領域においては用いられなくなりつつある。
半陰陽もしくは両性具有(英: hermaphroditism)とは、19世紀に病理学者のエドウィン・クレプス(en:Edwin Klebs)によって導入された解剖学的医学用語。
その後の医学の発展において、例えば女性仮性半陰陽の大部分が、先天性副腎皮質過形成の一部を構成する疾病群であることが判明するなど、病態生理が明らかになったり、1950年代以降可能となった染色体抽出によって明らかになっていった、性染色体の数と構成が非典型的であることに伴う疾病群が、19世紀時点での解剖学的概念に収まり切らなくなってきたことや、「半陰陽 (Hermaphroditus)」という用語が、完全な男性と完全な女性との両方を併せ持つという誤解を与えることから、特に患者間で問題視され、現在では用いられなくなりつつある。
インターセックス(英: intersex)は、比較的新しい言葉で、日本語では「間性」と訳される場合もあるが、この記事ではintersexの訳語は「インターセックス」で統一している。
性分化疾患 (disorders of sex development, DSDs) とは「染色体、性腺、または解剖学的性の発達が非典型的である先天的状態」を指す医学用語である[1]。
「『インターセックス:間性 (intersex)』や『仮性半陰陽 (pseudohermaphroditism)』、『半陰陽:雌雄同体 (hermaphroditism)』、『性転換 (sex reversal)』といった用語や、性別を基盤とした診断学的ラベリングが特に議論を呼んでおり、患者には蔑視的な意味が潜むものと感じられ、専門家や親などにとっては紛らわしいものである」ため、臨床上の系統的な専門用語として提案されたものである。この用語は、ローソン・ウィルキンス小児内分泌科学会 (LWPES) や、アメリカ小児医学会 (AAP)、ヨーロッパ小児内分泌学協会 (ESPA)、当事者団体である北米インターセックス協会 (ISNA)、日本小児内分泌学会性分化委員会などのメンバー・専門家ら約40人以上が集まった2006年の国際会議において合意・採択された(シカゴコンセンサス)[7]。
名称の変更案として半陰陽 (intersex) を「disorders of sex development (DSD)」、真性半陰陽 (true hermaphrodite) を「ovotesticular DSD」とする提唱がなされた[8]。論文『我々はその人たちを半陰陽 (hermaphroditism) と呼んできた』において、筆者のヴィランは「DSDs」はインターセクシュアリティの同義語ではなく、「半陰陽:雌雄同体 (hermaphroditism)」を基にした医学用語を置き換えるものであると明確にしている[9]。
2009年10月、日本小児内分泌学会では、こうした状態の総称に「異常 (abnormality) や障害 (disorder) という言葉を使うべきではない」として「性分化疾患」を用いることを決定した[10]。
以上のように「disorders of sex development」の語には「半陰陽」「間性」などの持つ偏見を取り除き、人格全体でなく単に症状を指すことで当事者に受け入れられやすくし、医療を受けやすくするなどの狙いがあったが、当事者の意見のヒアリングはあまり行われず(と受け止められ)、また「障害」(disorder) という言葉を含んでいることなどから、「生きやすく、偏見を受けにくく」という願いは共通でありながら当事者の受け止めは一様ではない[11]。
北米インターセックス協会 (en:Intersex Society of North America, ISNA) はアメリカ合衆国及びカナダのインターセックス当事者団体の1つであった。インターセックス当事者の世界で最初の組織であり、当時行われていた、患者の人権を無視した医療のあり方に対して異議を唱え、医療改革を目指した。
患者に事実を明らかにしない隠蔽中心の医療から、患者中心の医療へと改革するために、「disorders of sex development」の語の制定に関わり、2008年には解散してintersexを冠さない新組織「Accord Alliance」に移行した[12]。
ISNAは「インターセックス」という言葉が政治的、もしくはジェンダー的な「ラベリング」となっており、「両親や親が子どもにそのようなラベリングを付けるべきではな」く、「彼/彼女らの性別に関する体験が、典型的な男性/女性であ」り「インターセックスの状態を持って生れた成人には『インターセックス』というラベリングを拒絶する人が多い」と主張し、「『障害』であれば人格でもインターセクシュアリティでもなく事象の原因を指す」としていた[6]。またDSDsの語を用いることでISNAが「医療関係者と対話しやすくなった」と強調した[6]。
国際インターセックス機構 (en:Organisation Intersex International, OII) 北米を中心としたインターセックスの当事者団体である。インターセックスの支援団体としては世界最大であると自称している[13]。
OIIは「インターセックス」もしくは「半陰陽」という性別があるのではなく、「インターセックス」とはあくまで身体の状態のことであり、性自認・性指向のことではないという点では他の団体と意見を同じくするが、「disorders of sex development」という言葉の受け入れに反対している。
インターセックス・イニシアティヴ (Intersex Initiative, IPDX) はアメリカ合衆国のもう1つの当事者団体である。日本にも支部がある。
「子どもの身体ではなく社会を変える」べきであるとして、インフォームド・コンセントを求めており、特に外科的な処置に対しては否定的である[14]が、
インターセックスの症状を持つ当事者の大多数は自分のことを標準とは違った身体的特徴を持つ「男性」もしくは「女性」であると認識しており、自分の身体がその中間にあるとはあまり考えない。事実、インターセックスとは男性もしくは女性の標準的な定義の「外側」を指す言葉であって、必ずしも両性の中間的なものだけを指す言葉ですらない。多くの当事者は、自己認識に反する「中間の性=インターセックス」というラベルを自分に当てはめることはないし、かれらの家族はなおさら自分たちの子どもが「中間の性」であると受け入れようとはしない。かれらが受け入れるのは、あくまで「先天性副腎皮質過形成」「アンドロゲン不応症候群」といった診断名であって、「インターセックス」という大きなカテゴリではない[15]
と、大多数が通常の男性もしくは女性の性自認を持っているという現実とかけ離れた「男でも女でもない性」という印象を与える「インターセックス」との用語が与える弊害の大きさから、「disorders of sex development」という言葉に対しては慎重に中立を保ちながらも、
「障害」という括りに疑問を感じる人もいるけれど、DSDというのは少なくとも多くの当事者及びその家族が自称できる言葉であり、その点「インターセックス」よりはるかに優れている。「障害」という言葉が持つネガティヴな印象については、逆に「障害」であるからこそ障害者運動や障害理論に繋がることができるのだ、とポジティヴに捉えてみたい。それに、「医療化」に伴うさまざな問題を解決するには、インターセックスを「脱医療化」することでなく、医療そのものを変革する方が良いとわたしは思っている[16]
と、プラグマティックな意味で受け入れるという立場をとっている[3]。インターセックス運動には「実際にはインターセックスでない人達が多く紛れ込んでいた」と、ある団体を[3]示唆する一方で、DSDコンソーシアムの決定には「実際の患者の声はほとんど反映されず」「当事者団体のリーダーはその構成員を売り渡したと疑われ支持者の多くに失望されてしまった」[17]としている。
推進派・反対派のどちらも「子どものノーマライゼーション=手術や投薬による矯正」を望んではおらず、ラベリングから逃れたいと望んでいることでは共通していると整理した上で、「disorders of sex development」という語は前進ではあるが問題も残るとして、個人的には「anomalies of sex development」という用語を好むとし、「disorders of sex development」は「医学的な側面を指す用語としては容認できる」が、IPDXとしては団体名なども含めて「『インターセックス』という言葉も使う」としている[17]。
こうした状態の総称に「異常 (abnormality) や障害 (disorder) という言葉を使うべきではない」として、日本小児内分泌学会ではその総称に「性分化疾患」を用いることを決定した。
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