- 英
- promethazine hydrochloride
- 関
- プロメタジン
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プロメタジン |
|
IUPAC名
(RS)-N,N-dimethyl-1-(10H-phenothiazin-10-yl)propan-2-amine
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
60-87-7 |
KEGG |
D00494 |
- CN(C)C(C)CN1c3ccccc3Sc2ccccc12
|
特性 |
化学式 |
C17H20N2S•HCl |
モル質量 |
320.88 |
外観 |
白色または帯黄色粉末 |
融点 |
223 (分解)
|
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
プロメタジン(英: promethazine)は、フェノチアジン系化合物で、抗パーキンソン作用や抗ヒスタミン作用を示す有機化合物の一種。分子式は C17H20N2S•HCl で、白色または淡黄白色の粉末。エタノール、酢酸に溶けやすい。フランスの製薬会社ローヌ・プーラン社(Rhône-Poulenc、現サノフィ・アベンティス)により開発された(整理番号は3277RP)。
目次
- 1 概説
- 2 剤形・適用・効能
- 3 用量・用法
- 4 禁忌
- 5 副作用など
- 6 関連項目
- 7 参考文献
概説
薬理作用として、抗コリン性抗パーキンソン作用、抗ヒスタミン作用(H1受容体を遮断)、抗アナフィラキシー作用、そして中枢神経抑制作用を有する。これにより、鎮静作用、嘔吐抑制作用、抗ムスカリン作用を期待した薬物療法がなされる。例えば、乗り物酔いによる悪心や嘔吐を抑制する作用を有し、この効果は抗ムスカリン作用に由来する。一般にH1受容体拮抗薬は抗ヒスタミン薬と呼ばれ、プロメタジンも通常抗ヒスタミン薬として分類される。
そのほか、使用例としては、鎮静催眠薬であるベゲタミンの成分の一つとして使用されており抗ヒスタミン拮抗作用による催眠作用と、同薬に配合されているクロルプロマジンによるパーキンソン症状の抑制作用とを担っている。他、PL顆粒にも含まれており、抗ヒスタミン作用並びに鎮静作用を担う。
また、依存性や乱用の可能性が低い点から、イギリスではOTC睡眠薬「ソミネックス(R)」として販売されている。
しかし、一方で、本薬は、一部の抗ヒスタミン薬と同様に、ドパミン取り込み阻害作用を有するとされ、モルヒネ・メタンフェタミンなどのドパミンを遊離させる依存性薬物の効果を高める可能性もあることから、患者背景を十分に考慮し、処方は慎重であるべきである。
剤形・適用・効能
本邦においては、ピレチア Pyrethia(高田)・ヒベルナ Hiberna(田辺三菱)という商品名で発売されている。
ピレチアの剤形は 5mg, 25mg の錠剤と 10% の細粒剤である。
ヒベルナの剤形は 5mg, 25mg の錠剤と 10% の散剤、そして25mg/1ml/1管の注射剤(皮下・筋注)である。
適応は多岐にわたるが、主に下記の通りである。
- 振戦麻痺
- パーキンソニズム
- 麻酔前投薬
- アレルギー性鼻炎
- 動揺病
用量・用法
- 麻酔前投与などでは、1回 5 - 25mg を 1 - 3 回服用する。なお、年齢や症状により適宜増減する。
- 振戦麻痺・パーキンソニズムでは、25 - 200mg/日を分服する。
- 注射剤は、5 - 50mg / 回を、皮下注射ないし筋肉注射する。
禁忌
- 緑内障の者
- 前立腺肥大等下部尿路の閉塞性疾患のある者
副作用など
重大な副作用としては、悪性症候群が知られている。
また、制吐作用を有するため、他の薬剤による中毒、頭蓋内占拠性病変による嘔吐症を不顕在化することもある。
関連項目
- ヒスタミン
- ジフェンヒドラミン
- クロルフェニラミン
- クロルプロマジン
- フェノチアジン
- 抗コリン薬
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4-87402-101-8
- 山口登 et al. 『こころの治療薬ハンドブック』 星和書店 2014年 ISBN 978-4-7911-0864-0
- Adam K et al. The hypnotic effects of an antihistamine; Promethazin. Br J Clin Pharmc 22: 715-717, 1986
抗ヒスタミン薬 |
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エタノールアミン系 |
- ブロマジン (bromodiphenhydramine)
- クレマスチン
- クロルフェノキサミン
- ジフェニルピラリン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシラミン
- オルフェナドリン
- フェニルトロキサミン
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プロピルアミン系 |
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エチレンジアミン系 |
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フェノチアジン 系 |
- アリメマジン
- ヒドロキシエチルプロメタジン
- イソチペンジル
- メキタジン
- オキソメマジン
- プロメタジン
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ピペラジン 系 |
- ブクリジン
- セチリジン
- クロルシクリジン
- シクリジン
- ヒドロキシジン
- レボセチリジン
- メクリジン
- オキサトミド
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その他 |
- アンタゾリン
- アザタジン
- バミピン
- シプロヘプタジン
- デプトロピン
- エバスチン
- エメダスチン
- エピナスチン
- ケトチフェン
- メブヒドロリン
- ミゾラスチン
- オロパタジン
- ピメチキセン
- ピロブタミン
- キフェナジン
- ルパタジン
- トリプロリジン
- アクリバスチン
- アステミゾール
- アゼラスチン
- ビラスチン
- デスロラタジン
- フェキソフェナジン
- ロラタジン
- テルフェナジン
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Japanese Journal
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- 古元 嘉昭 [他],平井 俊一,藤原 敏雄,川崎 義巳
- 日本温泉気候物理医学会雑誌 56(2), 126-128, 1993
- Promethazine-HCl was used to suppress histamine production in the skin by Na2SO4·NaHCO3 bathing, confirming the previous data that the small amount of histamine released as a chemical mediator may hav …
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ヒベルナ糖衣錠5mg
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- トウモロコシデンプン,乳糖水和物,タルク,ステアリン酸マグネシウム,白糖,炭酸カルシウム,アラビアゴム,マクロゴール,カルナウバロウ,黄色5号アルミニウムレーキ
禁忌
- フェノチアジン系化合物又はその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
- 昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある.〕
- バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる.〕
- 緑内障の患者〔眼内圧を亢進させることがある.〕
- 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者〔抗コリン作用により排尿困難を悪化させることがある.〕
- 2歳未満の乳幼児(「小児等への投与」の項参照)
効能または効果
- ○振せん麻痺,パーキンソニスム
- ○麻酔前投薬,人工(薬物)冬眠
- ○感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽,枯草熱,アレルギー性鼻炎
- ○皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹,中毒疹),じん麻疹,血管運動性浮腫
- ○動揺病
- 抗パーキンソン剤はフェノチアジン系化合物,ブチロフェノン系化合物等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない.場合によっては,このような症状を増悪,顕性化させることがある.
- プロメタジン塩酸塩として,通常成人1回5〜25mgを,1日1〜3回経口投与する.振せん麻痺,パーキンソニスムには1日25〜200mgを,適宜分割経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
慎重投与
- 肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある.〕
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい.〕
重大な副作用
Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)
- 抗精神病薬及び抗うつ剤との併用において,本剤及び併用薬の減量又は中止により,発熱,無動緘黙,意識障害,強度の筋強剛,不随意運動,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等があらわれることがある.このような症状があらわれた場合には,体冷却,水分補給などの全身管理等の適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇があらわれることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある.
乳児突然死症候群(SIDS),乳児睡眠時無呼吸発作(いずれも頻度不明)
- 小児(特に2歳未満)に投与した場合,乳児突然死症候群(SIDS)及び乳児睡眠時無呼吸発作があらわれたとの報告がある.
薬効薬理
動物での作用
抗ヒスタミン作用
- モルモットにおける実験で,抗ヒスタミン作用は,ジフェンヒドラミンの約30倍強力である3).
- マウスにおける実験で,ペントバルビタールの催眠作用を延長する4).
抗コリン作用
- モルモットにおける実験で,アセチルコリン吸入による気管支痙攣を寛解し3),また卵白によるアナフィラキシーショックを防止する.
- ラットを用いた実験で,オキソトレモリンによる振戦に対し,トリヘキシフェニジルに比し,約2.8倍の抑制作用を示す5).
抗アポモルフィン作用
- イヌにおける実験で,アポモルフィンによる催吐作用をジフェンヒドラミンより強く抑制する6).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- プロメタジン塩酸塩,Promethazine Hydrochloride(JAN)
化学名
- (2RS)-N,N-Dimethyl-1-(10H-phenothiazin-10-yl)propan-2-ylamine monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄色の粉末である.水に極めて溶けやすく,エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく,無水酢酸にやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.光によって徐々に着色する.本品の水溶液(1→25)は旋光性を示さない.
融点
分配係数
★リンクテーブル★
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- 関
- promethazine、promethazine methylenedisalicylate、promethazine teoclate
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- 英
- promethazine
- ラ
- promethazinum
- 化
- 塩酸プロメタジン promethazine hydrochloride
- 商
- Phenergan。PL配合、サラザック、セラピナ配合、トーワチーム配合、ピーエイ配合、ヒベルナ、ピレチア、プロモーション、ベゲタミン-A配合、マリキナ配合
- 関
- 抗ヒスタミン薬
- 古典的抗ヒスタミン薬
- フェノチアジン系。ヒスタミンH1受容体拮抗薬
- 抗ヒスタミン作用はジフェンヒドラミンの約30倍。
- 抗アナフィラキシー作用
- 中枢性抗コリン作用はトリヘキシフェニジルの約2.8倍。
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- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
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