出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/02 20:32:49」(JST)
塩化物(えんかぶつ、英: chloride)とは、塩素がそれより陽性な元素または原子団と形成する化合物である[1]。塩素 (Cl2) は第18族元素以外のほとんどの元素と反応し塩化物を形成する。
塩素の結合がイオン結合性の場合、容易に塩素の陰イオン (Cl-) を遊離するのでこのイオンは塩化物イオン(えんかぶつイオン、英: chloride ion)または塩素イオン(えんそイオン、現在この呼び方は推奨されていない)と称する。また命名法において後置せずに前置する場合は塩化 (— chloride) と称する[2]。いずれも陰性の塩素原子を意味する名称である。
金属塩化物はたいていイオン結合性が高く(例:塩化ナトリウム)水中でも単純に塩化物イオン(アニオン)と金属イオン(カチオン)とに乖離(電離)し水に対して溶解性が高い。ただし、1価の銀、銅、金、タリウムの塩化物および2価の鉛、白金の塩化物は水に難溶である。
また、高酸化数の遷移金属や非金属元素の塩化物は共有結合性が支配的であり気体または揮発性が高い固体ないしは液体である。これらの塩化物は水中では加水分解してオキソ酸と塩酸を生じる。
イオン結合性が高い金属塩化物(例:塩化ナトリウム)に不揮発性である濃硫酸を加えると、塩化水素がガスとして遊離する。
金属塩化物に類似するものとして、アンモニウムや、第四級アンモニウムなどの有機物と塩化物イオンにより形成された塩、またアミンなど塩基性有機化合物と塩酸により形成された塩(塩酸塩)もある。
sp3 炭素の塩化物は安定な共有結合化合物を形成する。この様な低分子の炭素塩化物は揮発性が高く、かつては広く溶媒として利用された(揮発性有機塩素化合物を参照)。
化合物命名法では有機塩化物が持つ Cl- は一価の官能基として取り扱われ、クロロ基 (chloro group) と呼ばれる。また、いくつかの有機反応では脱離基としてはたらく。sp3 炭素ないし sp2 炭素に置換したクロロ基は脱離しやすく、この様な有機塩化物は脱離反応の基質として有用である。ウィリアムソン合成などの求核置換反応でも、sp3 炭素上のクロロ基が脱離基となる。合成・反応については ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールも参照。
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リンク元 | 「水質汚濁防止法施行規則」「塩素イオン」 |
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別表 (第九条の三関係)
有害物質の種類 | 基準値 |
カドミウム及びその化合物 | 一リットルにつきカドミウム〇・〇一ミリグラム |
シアン化合物 | 検出されないこと。 |
有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及びEPNに限る。) | 検出されないこと。 |
鉛及びその化合物 | 一リットルにつき鉛〇・〇一ミリグラム |
六価クロム化合物 | 一リットルにつき六価クロム〇・〇五ミリグラム |
砒素及びその化合物 | 一リットルにつき砒素〇・〇一ミリグラム |
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 | 一リットルにつき水銀〇・〇〇〇五ミリグラム |
アルキル水銀化合物 | 検出されないこと。 |
ポリ塩化ビフェニル | 検出されないこと。 |
トリクロロエチレン | 一リットルにつき〇・〇三ミリグラム |
テトラクロロエチレン | 一リットルにつき〇・〇一ミリグラム |
ジクロロメタン | 一リットルにつき〇・〇二ミリグラム |
四塩化炭素 | 一リットルにつき〇・〇〇二ミリグラム |
一・二―ジクロロエタン | 一リットルにつき〇・〇〇四ミリグラム |
一・一―ジクロロエチレン | 一リットルにつき〇・〇二ミリグラム |
シス―一・二―ジクロロエチレン | 一リットルにつき〇・〇四ミリグラム |
一・一・一―トリクロロエタン | 一リットルにつき一ミリグラム |
一・一・二―トリクロロエタン | 一リットルにつき〇・〇〇六ミリグラム |
一・三―ジクロロプロペン | 一リットルにつき〇・〇〇二ミリグラム |
チウラム | 一リットルにつき〇・〇〇六ミリグラム |
シマジン | 一リットルにつき〇・〇〇三ミリグラム |
チオベンカルブ | 一リットルにつき〇・〇二ミリグラム |
ベンゼン | 一リットルにつき〇・〇一ミリグラム |
セレン及びその化合物 | 一リットルにつきセレン〇・〇一ミリグラム |
ほう素及びその化合物 | 一リットルにつきほう素一ミリグラム |
ふつ素及びその化合物 | 一リットルにつきふつ素〇・八ミリグラム |
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 | 一リットルにつき亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量一〇ミリグラム |
備考「検出されないこと。」とは、第九条の四の規定に基づき環境大臣が定める方法により地下水の汚染状態を測定した場合において、その結果が当該測定方法の定量限界を下回ることをいう。 |
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