- 関
- コタール症候群
- 19世紀にフランスの精神病医(Jules Cotard)は否定妄想病(delire de negation)と呼ばれる症候群に罹患した数名の患者を記載した。これは時に否定妄想性障害(nihilistic deusional disorder)あるいはコタール症候群(Cotard syndrome)と呼ばれている。この症候群の患者は財力、地位、能力のみならず心臓、血管、腸までを失ってしまったと訴える。彼らの周囲に広がる世界は無に帰せられる。比較的まれなこの疾患は統合失調症性ないしうつ病性障害の前兆であると普通考えられている。抗精神病薬が広く使用されている今日、この症候群は以前にましてさらに希とみられている。
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Japanese Journal
- 自己の身体イメージの矮小化を認めたCotard症候群の一例
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- 英
- delusion
概念
- 思考内容の異常 → 思考障害
- 誤った考え方や意味づけに異常な確信を持ち訂正できないような思考内容の異常。
定義
- 1. 非常な信念、何ものにも比べられない主観的な確信
- 2, 経験上こうであるはずだとか、こうだからこうなるという正しい論理に従わせることができない
- 3. 内容がありえないこと
分類
発生過程による分類
- 妄想着想:突然何の前触れもなく妄想が思いつく妄想
- 妄想知覚:実際の知覚に対して特別の意味づけがなされ、強く確信される妄想
- 妄想気分:周りがいつもと違い、何か不気味で「大変なことが起こりそうだ」という不安に襲われる
- 二次妄想:状況・感情・性格の反応として妄想の発生が了解できるもの。鬱病の貧困妄想や罪業妄想などは抑うつ気分から生じたものと了解される。
妄想内容による分類
被害的内容
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統合失調症に多い
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迫害妄想
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自分が迫害されているという妄想
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被害妄想
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他人から悪意をもって害されていると信じる妄想
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追跡妄想
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追跡されているという妄想
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関係妄想
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周囲に起こっている現実を自らに結びつけて考える妄想
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注察妄想
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「常に盗聴されている」とか「隠しカメラで監視されている」と思い込む妄想
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被毒妄想
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食事に毒を入れられているという妄想
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嫉妬妄想
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恋人が浮気していると確信する
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盗害妄想
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自分の物を盗まれたと思い込む妄想
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誇大的内容
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躁状態、統合失調症
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誇大妄想
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自己を過剰評価したり、地位・財産・能力があるように思い込む妄想
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血統妄想
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自分が高貴な家系と確信する妄想
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宗教妄想
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自分が宗教上の救世主と確信する妄想
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発明妄想
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自分がすばらしい発明したと確信する妄想
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恋愛妄想
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他人が自分を愛しているという妄想
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微小的内容
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うつ状態
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貧困妄想
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自分は非常に貧しい、借金を抱えてしまったなどと信じる妄想
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罪業妄想
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自分は非常に悪い存在だ、罰せられるべきだ、皆に迷惑をかけているなどと思いこむ妄想
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心気妄想
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自分の身体の一部が病気にかかっていると思いこむ妄想
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虚無妄想
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自分の体や世界がなくなったと確信する妄想
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精神疾患と妄想
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- delusion of negation, nihilistic delusion
- 同
- 虚無妄想
- 関
- 妄想
[★]
- 英
- denial、deny、negate
- 関
- 拒否、拒む