- 英
- tricyclic antidepressive agent
- 関
- 三環系抗うつ薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/11 20:38:01」(JST)
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三環系抗うつ薬(さんかんけいこううつやく、英: Tricyclic Antidepressants, TCA)は、抗うつ薬の種類の一つ。
名称は、構造中にベンゼン環を両端に含む環状構造が3つあることを共通に特徴とする事に由来する。第1世代、第2世代抗うつ薬とも分類される。
三環系抗うつ薬はノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質に関与する神経細胞受容体に作用し、遊離するノルアドレナリン、セロトニンを増やす(正確には神経細胞による再取り込みを阻害する)働きをする。
また、臨床効果が現れるのに飲み始めてから1~2週間はかかるため、そのことに留意して服用する必要がある。
一般に、選択的作用が比較的低い。副作用(主に口渇、便秘、排尿困難など)を伴う場合がある。 また、この排尿困難の副作用を逆手に取り、夜尿症の治療に三環系抗うつ薬を用いるケースもある。
他の抗うつ薬の分類として、四環系抗うつ薬(第2世代)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI、第3世代)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI、第4世代)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA) などがある。これらは副作用は少ないものの、薬効は低くなる傾向にある(セロトニン選択性が高くなるかわりに抗ヒスタミン作用が低下し、不眠や鎮静への作用が減るなど)。
近年、これら以外の薬理作用を示す抗うつ剤(トリアゾロピリジン系など)も登場している。
緊急入院を要する重症例ではTCAが有効性に勝るのではないかと言う専門家の意見がある。[1]
薬剤名[編集]
「一般名(商品名)」という形式で、具体的薬剤を列挙する。
- 第1世代
- 塩酸アミトリプチリン (トリプタノール、ラントロン)
- 塩酸イミプラミン (イミドール、トフラニール)
- 塩酸クロミプラミン (アナフラニール)
- マレイン酸トリミプラミン (スルモンチール)
- 塩酸ノルトリプチリン(ノリトレン)
- 第2世代
- アモキサピン (アモキサン)
- 塩酸ドスレピン (プロチアデン)
- 塩酸ロフェプラミン (アンプリット)
議論[編集]
詳細は「抗うつ薬#議論」を参照
脚注[編集]
- ^ 2012-07-26 日本うつ病学会治療ガイドライン II.大うつ病性障害2012 Ver.1 日本うつ病学会
関連項目[編集]
抗うつ薬 (N06A) |
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再取り込み阻害薬 |
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選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
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フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン
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セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
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デュロキセチン ミルナシプラン ヴェンラファキシン
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ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
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アトモキセチン
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ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
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ブプロピオン
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受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
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セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
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トラゾドン
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ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
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ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
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アゴメラチン フリバンセリン
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三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
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三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
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アリピプラゾール タンドスピロン
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サプリメント (ビタミン, ミネラル, アミノ酸など) |
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アスコルビン酸 (Vitamin C) 魚油 葉酸 (Vitamin B9) L-5-HTP (Oxitriptan) レボドパ (Levodopa) L-Methionine フェニルアラニン トリプトファン チロシン マグネシウム メラトニン ナイアシン/Niacinamide (Vitamin B3) ω-3脂肪酸 ピリドキシン (Vitamin B6) S-アデノシルメチオニン 亜鉛
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- イヌ・ナルコレプシーにおける各種抗カタプレキシー薬による治療効果
- 戸野倉 雅美,田熊 大祐,島田 雅美,馬場 亮,井原 麻里子,杉本 洋太,難波 直,藤原 香,笹原 沙衣子,鴇田 真弓,藤田 桂一,西野 精治
- 動物臨床医学 = Journal of Animal Clinical Research Foundation 16(3), 71-76, 2007-09-20
- … イミプラミン(三環系抗うつ剤),ヨヒンビン(α-2拮抗薬),スルピリド(D2/D3拮抗薬)ならびに塩酸ミルナシプラン(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)を用い,本症例において治療効果を判定した。 …
- NAID 10019833488
- 薬歴管理編 初回患者へのアプローチ (Premium Edition 疾患ごとに学ぶPOS薬歴管理(12)うつ・気分障害)
- 早川 達
- 日経ドラッグインフォメーションpremium (101), PE12-15, 2006-03-10
- … 高齢者では、三環系抗うつ剤による口渇、排尿障害、視調節障害、認知障害などの抗コリン作用による症状と起立性低血圧に注意する。 …
- NAID 140000155659
- SSRIと少量のTCAの併用により重篤な起立性低血圧をきたした高齢うつ病の2症例
- 大西 康則,加藤 敏,小林 聡幸 [他],羅田 亨,平井 伸英
- 精神神經學雜誌 = Psychiatria et neurologia Japonica 107(10), 1034-1039, 2005-10-25
- NAID 10020402540
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