出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/03 17:00:28」(JST)
リンパ浮腫(英: lymphedema)またはリンパ水腫とは乳癌や子宮癌あるいは腋窩・鼠径部の悪性腫瘍切除に合わせてリンパ節の郭清を行ったために、リンパ液の還流が悪くなり、四肢にリンパ液が貯留し、浮腫に陥った病態です。先天的にリンパ組織の発育が悪く、徐々にリンパ浮腫になって行く場合もあります。いずれにしてもリンパ液のうっ滞が原因で、軽度の外傷で蜂窩織炎を起こしやすく、炎症を繰り返すたびにリンパ組織周囲に繊維化が進んで、浮腫が非可逆的になってきます。最終的には皮膚の過角化をともなった象皮状になります。
【最近の診断法】 リンパシンチグラフィ検査や、インドシアニングリーンを用いたリンパ管蛍光造影検査、MRIリンパ管描出法、SPECT/CTによるリンパ管撮影によるリンパ機能評価が可能になってきました。それぞれの検査方法に利点・欠点がありますので、いくつかの検査方法を組み合わせることでより正確に病態を把握することができます。
【治療法(リンパ外科】 これまでは“リンパ浮腫は治らない”とか“保存療法でも浮腫が増大した例にのみ外科療法を行う”という考えが一般的でした。しかし、圧迫を中心とする早期からの保存療法は有効です。リンパ外科治療としてはリンパ管静脈吻合術やリンパ節移植術、脂肪吸引術が少しずつ普及してきましたが、まだまだ医学的 Evidence が乏しいのが現状です。外科治療を行った場合も、圧迫療法を併用する必要があります。リンパ管静脈吻合術は、原則として入院していただき、比較的良好なリンパ管のある足背~足関節、膝関節、手関節、肘関節などの関節部分に小切開を加え、顕微鏡下に、真皮下あるいは脂肪組織内の細静脈とリンパ管を、リンパ液と血液の流れる方向を確認して、リンパ液が順行性に流れるように吻合します。吻合は、顕微鏡下にリンパ管と同径の静脈の吻合を行います。このような吻合術を1肢につき数カ所行い手術は終了します。術後数日はできるだけ患肢の安静を保っていただきます。その後は圧迫ストッキングか弾力包帯を用いた、患肢の圧迫を開始していただきます。
【治療を受ける前の注意点】 1.どの治療法も、全ての患者さんに有効とはいえませんが、浮腫発生後早期の例では有効なことが多いようです。そのためにもリンパ浮腫が発生しましたら、できるだけ早期に専門の医師にご相談されることをお勧めします。新しい治療であり治療成績は医療機関ごとに異なりますので、経験のある担当医を捜すことが重要になります。
2.従来の保存療法、リンパ管静脈吻合術に加えて、リンパ節移植術、脂肪吸引術がリンパ浮腫治療の選択肢として普及し始めてきました。患者さんの状態にあわせて治療法を選択する必要が出てきましたので、手術を受ける前・決定する前に前述する検査をお受けいただくことをお勧めします。
【期待される結果】 リンパ浮腫発生からの経過年数やその程度により、手術により得られる効果には差があります。著効例では四肢周径の劇的に減少し、蜂窩織炎が起こりにくなります。また、両側にリンパ浮腫が発生する場合もありますので、予防的治療も必要と思われます。
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