- 英
- kynurenine
- 同
- 3-アントラニロイルアラニン 3-anthraniloyl alanine
- 関
- トリプトファン、ピリドキサール
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L-キヌレニン |
|
IUPAC名
2-アミノ-4-(2-アミノフェニル)- 4-オキソブタン酸
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
343-65-7 |
PubChem |
846 |
MeSH |
Kynurenine |
- C1=CC=C(C(=C1)C(=O)CC(C(=O)O)N)N
|
特性 |
化学式 |
C10H12N2O3 |
モル質量 |
208.214 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
キヌレニン(Kynurenine)は、トリプトファンからナイアシンを生合成するキヌレニン経路における主要な代謝中間体のひとつである。アミノ酸のひとつで(伝統的記法を用いると)D体とL体の2つのエナンチオマーが存在する。
目次
- 1 生合成
- 2 代謝
- 3 疾患との関連
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
生合成
キヌレニン経路においてN'-ホルミルキヌレニンからアリールホルムアミダーゼによって生合成される。
代謝
キヌレニンの主要代謝物は3つあり、
- キヌレニン-3-モノオキシゲナーゼによって3-ヒドロキシキヌレニン
- キヌレニナーゼによってアントラニル酸
- キヌレニン—オキソグルタル酸トランスアミナーゼ(英)によってキヌレン酸
へと変換される。
疾患との関連
- チック症に関連を持つ。[1][2]
- UV光をフィルターする機能とも関係しており加齢に伴う白内障との関連が研究されている。
- 癌との関連では、キヌレニンは人の芳香族炭化水素受容体(AHR)のリガンドであり、癌細胞はトリプトファン代謝酵素であるトリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)活性を亢進させ、結果キヌレニン生合成亢進により抗腫瘍免疫反応を抑制しているとの報告がある。
脚注
- ^ Hoekstra PJ, Anderson GM, Troost PW, Kallenberg CG, Minderaa RB (June 2007). "Plasma kynurenine and related measures in tic disorder patients". European Child & Adolescent Psychiatry. 16 Suppl 1: 71–7. doi:10.1007/s00787-007-1009-1. PMID 17665285.
- ^ “Kynurenine potentiates the DOI head shake in mice | DeepDyve - Research. Rent. Read.”. 2011年4月6日閲覧。
参考文献
- Dawn M Richard, Michael A Dawes, Charles W Mathias, Ashley Acheson, Nathalie Hill-Kapturczak and Donald M Dougherty (23 Mar 2009). "L -Tryptophan: Basic Metabolic Functions, Behavioral Research and Therapeutic Indications". International Journal of Tryptophan Research: 46/(45–60). Retrieved 18 May 2012.
- Opitz CA, Litzenburger UM, Sahm F, Ott M, Tritschler I, Trump S, Schumacher T, Jestaedt L, Schrenk D, Weller M, Jugold M, Guillemin GJ, Miller CL, Lutz C, Radlwimmer B, Lehmann I, von Deimling A, Wick W, Platten M (2011). "An endogenous tumour-promoting ligand of the human aryl hydrocarbon receptor". Nature (journal) 478 (7368): 197–203. doi:10.1038/nature10491. PMID 21976023.
関連項目
- インドレアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ
- N'-ホルミルキヌレニン
アミノ酸代謝の代謝中間体 |
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ケト原性アミノ酸(K)
→アセチルCoA |
リシン→
|
サッカロピン - アリシン - α-アミノアジピン酸 - グルタリルCoA - グルタコニルCoA - クロトニルCoA - β-ヒドロキシブチリルCoA
|
|
ロイシン→
|
α-ケトイソカプロン酸 - イソバレリルCoA - 3-メチルクロトニルCoA - 3-メチルグルタコニルCoA - ヒドロキシメチルグルタリルCoA
|
|
トリプトファン→アラニン→
|
N'-ホルミルキヌレニン - キヌレニン - アントラニル酸 - 3-ヒドロキシキヌレニン - 3-ヒドロキシアントラニル酸 - 2-アミノ-3-カルボキシムコン酸セミアルデヒド - 2-アミノムコン酸セミアルデヒド - 2-アミノムコン酸 - グルタリルCoA
|
|
|
糖原性アミノ酸(G) |
G→ピルビン酸→クエン酸
|
グリシン→セリン→
|
3-ホスホグリセリン酸
グリシン→クレアチン: グリコシアミン · クレアチンリン酸 · クレアチニン
|
|
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G→グルタミン酸→
α-ケトグルタル酸
|
ヒスチジン→
|
ウロカニン酸 - イミダゾール-4-オン-5-プロピオン酸 - ホルムイミノグルタミン酸 - グルタミン酸-1-セミアルデヒド
|
|
プロリン→
|
1-ピロリン-5-カルボン酸
|
|
アルギニン→
|
オルニチン - プトレシン - アグマチン
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|
他
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システイン+グルタミン酸→グルタチオン: γ-グルタミルシステイン
|
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G→プロピオニルCoA→
スクシニルCoA
|
バリン→
|
α-ケトイソ吉草酸 - イソブチリルCoA - メタクリリルCoA - 3-ヒドロキシイソブチリルCoA - 3-ヒドロキシイソ酪酸 - 2-メチル-3-オキソプロパン酸
|
|
イソロイシン→
|
2,3-ジヒドロキシ-3-メチルペンタン酸 - 2-メチルブチリルCoA - チグリルCoA - 2-メチルアセトアセチルCoA
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メチオニン→
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S-アデノシルメチオニン - S-アデノシル-L-ホモシステイン - ホモシステイン - シスタチオニン - α-ケト酪酸
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トレオニン→
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α-ケト酪酸
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プロピオニルCoA→
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メチルマロニルCoA
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G→フマル酸
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フェニルアラニン→チロシン→
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4-ヒドロキシフェニルピルビン酸 - ホモゲンチジン酸 - 4-マレイルアセト酢酸 - 4-フマリルアセト酢酸
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G→オキサロ酢酸
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尿素回路を参照
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その他 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 福渡 努
- 日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 63(4), 135-141, 2010-08-10
- トリプトファンからニコチンアミドが生合成されるという点において, ナイアシンは他のビタミンとは異なる特徴を持つ。本研究では, トリプトファン-ニコチンアミド転換経路は, ナイアシンの栄養状態の維持にどのような生理的意義を持つのか明らかにすることを目的とした。ヒトを対象とした調査より, 67 mgのトリプトファン摂取から1 mgのニコチンアミドが生合成されること, 妊娠中期から末期にかけてトリプトフ …
- NAID 10026597536
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★リンクテーブル★
[★]
キヌレニン。3-アントラニロイルアラニン
[★]
- 英
- kynurenine 3-monooxygenase, KMO
- 関
- トリプトファン
[★]
- 英
- formylkynurenine
- 関
- トリプトファン
[★]
- 英
- N-formylkynurenine
- 関
- キヌレニン
[★]
- 英
- renin
- 関
- アンジオテンシノゲン、アンジオテンシン
分類
産生組織
標的組織
作用
分泌の調整 (PT. 480)
- 循環中枢からの刺激→レニン放出↑ β1受容体を介する
- 立位 → 交感神経亢進(おそらく脳への血行を保つため) → レニン放出↑
- 腎動脈圧↓→レニン放出↑
- 腎動脈圧↑→レニン放出↓
- 腎臓の輸入細動脈の圧受容器による
- cf.腎動脈の動脈狭窄により血流↓→レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系↑→血圧↑
- 遠位尿細管濾液中のNaCl濃度↓→レニン放出↑
- 緻密斑細胞により検出される
- 血漿濃度や輸入細動脈圧の減少はGFRを減少させ、それによって遠位尿細管濾液中のNaCl濃度を減少させる
- ネガティブフィードバック制御を受ける。
- アンジオテンシンII↑→レニン↓
分子機構
臨床関連