- 英
- amygdalin
- 関
- 杏仁
WordNet
- a bitter cyanogenic glucoside extracted from the seeds of apricots and plums and bitter almonds
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/15 18:52:34」(JST)
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アミグダリン |
|
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IUPAC名
2-フェニル-2-[(2R,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[[(2R,3R,4S,5S,6R)-3,4, 5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシメチル]オキサン-2-イル]オキシアセトニトリル
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
29883-15-6 |
PubChem |
34751 |
MeSH |
Amygdalin |
特性 |
化学式 |
C20H27NO11 |
モル質量 |
457.429 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
アミグダリン (amygdalin - C20H27NO11) とは、青酸配糖体の一種。レートリル (laetrile) とも呼ばれる。主にウメ、アンズ、モモ、ビワなどのバラ科植物の未成熟な果実や種子、葉などに含まれる。加水分解されるとシアン化水素を発生する。
解説
アミグダリンそのものには毒性は無い。エムルシン (emulsin) という酵素によって加水分解されるとグルコース、マンデロニトリルが生成され、さらにマンデロニトリルが分解されると杏仁豆腐やビワ酒に共通する芳香の原因になるベンズアルデヒドとシアン化水素(青酸、猛毒であるが長期保存すれば分解されて無害になる)を発生する。
エムルシンはアミグダリンを含む未熟な果実などと一緒に含まれる事が多く、アミグダリンを含む果実が熟すにつれてエムルシンの作用によりアミグダリンは分解され、濃度が下がっていく。この時に発生する青酸も時間と共に消失していく。このため、熟したウメやアンズなどをヒトが経口摂取しても青酸中毒に陥る心配はほとんど無い。
エムルシンは、動物の体内に存在するβ-グルコシダーゼという酵素の一種である。高濃度のアミグダリンが残った果実などを経口摂取すると、エムルシンとβ-グルコシダーゼによってアミグダリンは体内で加水分解され、青酸を発生し、中毒を起こす。ただし、致死量は遊離した青酸の状態でおよそ60mgとされており、この量を満たすためには多くのアミグダリン(未成熟なウメで100〜300個ほど)を必要とするため、少量であれば死に至るほどの効果は表れない。
アミグダリンの食品利用と健康被害
アミグダリンを含む食品あるいはそれを加工した商品はアーモンド、杏仁豆腐、ビワ酒や枇杷茶、カリン漬等広広囲にわたる。アミグダリン分解産物のベンズアルデヒドが独特の芳香をもつため広く利用されている。また漢方薬の咳止めの有効成分としても研究されている[1]。
一方で幾つかの薬効に対して否定的な研究も存在する 例えば癌(悪性腫瘍)に効く成分とされる事があるが、米国国立癌研究所(NCI)[2]によると、癌への治療や改善、延命などに対して効果が無く、逆に青酸中毒を起こし死に至る恐れがある事を指摘している[3]。
また、アミグダリンをビタミンB17として扱った事があったが過去の話で、現在では否定されている[3]。健康食品(サプリメント)などに配合される事もあるが、生体の生命活動に必須となる栄養素ではなく、欠乏症の症例も出ていない事からビタミンの定義から外れてしまう。つまり、アミグダリンはビタミンとは言えない。それどころか、サプリメントとして使用したために青酸中毒となり、健康障害を引き起こしたり、場合によっては死に至るなどおよそ健康とはかけ離れた結果となった例が多数報告されている。[4][5]なお、米国では米国食品医薬品局(FDA)により、アミグダリンの販売は禁止されている[5]。
国立健康・栄養研究所は、「癌に効き、癌細胞だけを攻撃する」「ビタミンの一種であり、アミグダリンの欠乏が癌や生活習慣病の原因となる」などといったアミグダリンの持つとされる健康効果について、その科学的根拠が確認できない、あるいは否定されているにもかかわらず、その健康効果を強調した健康食品が後を絶たないことや、そのような健康効果について特別な期待をして過剰摂取することは健康障害を招く危険性があるとして注意を呼びかけている[5]。
脚注
- ^ Miyagoshi M, Amagaya S, Ogihara Y. "Antitussive effects of L-ephedrine, amygdalin, and makyokansekito (Chinese traditional medicine) using a cough model induced by sulfur dioxide gas in mice." Planta Med. 1986 Aug;(4):275-8.
- ^ NCI
- ^ a b Vickers A. "Alternative cancer cures unproven or disproven?" CA Cancer J Clin. 54(2), 2004 Mar-Apr, pp110-8. PMID 15061600
- ^ アミグダリン、レートリル、レトリル - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所])
- ^ a b c 話題の食品成分の科学情報:アミグダリンについて (国立健康・栄養研究所)
外部リンク
- アミグダリン、レートリル、レトリル - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 話題の食品成分の科学情報:アミグダリンについて (国立健康・栄養研究所)
- 梶原直子、冨山智恵子、二宮隆博、細貝祐太郎、高速液体クロマトグラフィーによる杏仁中のアミグダリンの測定とその調理過程における消長 食品衛生学雑誌 Vol.24 (1983) No.1 P42-46_1, doi:10.3358/shokueishi.24.42
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- カリン果実中の青酸配糖体およびその分解物の分布と消長
- 冨岡 華代,高津 万結香,巽 美智,長谷川 絢,北田 善三
- 日本食品化学学会誌 21(1), 15-20, 2014-04-25
- A method has been developed for determining amygdalin (AM) and its degradation products, benzyl alcohol (BeOH), benzaldehyde (BAL) and benzoic acid (BA) in Chinese quince fruit utilizing high performa …
- NAID 110009810360
- カリン果実中の青酸配糖体およびその分解物の分布と消長
- 杏仁のエタノール水溶液浸漬によるアミグダリンの低減
- 山崎 慎也,澁澤 登,栗林 剛 [他],唐沢 秀行,大日方 洋
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 59(10), 522-527, 2012-10-15
- … 杏仁をエタノール濃度0∼99.5 % (v/v)の水溶液に1∼3日間,25℃で浸漬し,アミグダリン量の変化を調べた結果,エタノール濃度10∼30% (v/v)の範囲の水溶液に浸漬した杏仁において,特にアミグダリンの低減促進効果が高かった.<BR>(2) 0,20,50% (v/v)のエタノール水溶液に杏仁を浸漬し,アミグダリンの低減における酵素分解と浸漬液への溶出の割合について調べた結果, …
- NAID 10031122187
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- 発信者 構築グループ 本文 アミグダリンについて アミグダリンとは? アミグダリン (amygdalin) は、アンズ、ウメ、モモ、スモモ、アーモンド (ハタンキョウ) 、ビワなどのバラ科サクラ属植物の未熟果実の種子にある仁<じん>に多く ...
- アミグダリンを多く含むビワの葉による温灸で癌の治療をしています。 ビワの葉に豊富に含まれ“自然の分子標的薬”とも言うべきアミグダリンについて解説します。
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★リンクテーブル★
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- 英
- apricot seed、apricot kernel、Armeniacae Semen
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- 関
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- 関
- アプリコットアーモンド、アミグダリン、杏、杏仁オイル、杏の種、苦扁桃、ホンアンズ、レアトリル、Amyddaloside、Amygdalus armeniaca、Armeniaca vulgaris、Bitter Apricot Kernel、Chinese Almond、Madelonitrile、Prunusarmeniaca、Prunus Kernel、Vitamin B17
- 杏の種から得たものが仁で、これを杏仁という。
- 青酸配糖体アミグダリン約3%、脂肪油30~50%を含有し、鎮咳去痰薬として漢方処方用薬に配合される。
- また、杏仁水の製造原料としても用いられる。
- アミグダリンは杏仁に含まれる酵素エムルシンの作用によってベンズアルデヒド、青酸を生成する。
- 大量投与により、悪心・嘔吐、めまい、頭痛、心悸亢進、過呼吸、チアノーゼなど青酸中毒を起こす。
- がんの治療薬として使われていることがあるが、杏仁、活性物質のアミグダリン、および抗がん剤のレアトリルはがん治療に無効と言われており、科学的根拠に乏しい。
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3