フェリチン
概念
- フェリチンは、H鎖とL鎖からなるサブユニットからなるヘテロダイマーであり、これが組み合わさってアポフェリチンとなる。アポフェリチンは細胞内で鉄イオンと結合してフェリチンとなる。フェリチンは鉄を生体内に貯蔵し、鉄による組織障害を防ぐのに貢献している。細胞内のフェリチンはわずかに血中に漏れだしており、漏れ出た血清中のフェリチンは(血清フェリチン)は貯蔵鉄の量と相関するので臨床検査に用いられる。
体内分布
- 網内系:肝細胞、脾臓、骨髄 ← 多い
- その他:肺、心臓、骨、腸管など広く存在
解釈
- LAB.488
- 低下
- 鉄欠乏性貧血
- 発作性夜間血色素尿症
- 真性多血症
- 潜在性鉄欠乏(月経、妊娠、成長、慢性失血、摂取鉄過少、鉄吸収低下、造血亢進など)
- 上昇
-
- その他
- 臨床検査データブック
減少
増加
- 急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、成人Still病、血球貪食症候群、細網肉腫、原発性肝癌、転移性肝癌、膵癌、肺癌、乳癌、ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス、再生不良性貧血、無効造血、慢性炎症性疾患に伴う貧血、膵炎、肝炎、心筋梗塞。(可能性)胃癌、大腸癌
臨床
- フェリチン低値(≦12ng/ml)のみで診断可能(感度59%,特異度99%)なので、フェリチン単体で提出されることがある(内科外来マニュアル.394)。
- フェリチンは女性で<10ng/ml, 男性で<20ng/mlであれば、鉄貯蔵欠乏と診断する特異度が高い(ワシントンマニュアル33.742)。
- フェリチンが100ng/ml以上では鉄欠乏の可能性は低いとされる(内科外来マニュアル.394)。
- 血清フェリチンが>200ng/ml以上では鉄欠乏性貧血は除外できる(ワシントンマニュアル33.742)。
- 腎透析や機能的鉄欠乏状態では500ng/mlまでの高値を示すことがある。
- 健常な成人では15ng/ml未満、小児では12ng/ml未満が絶対的な鉄欠乏を示唆。(臨床透析 vol.24 no.1 2008 p.38)