甲状腺癌

thyroid cancer, thyroid carcinoma
carcinoma thyreoidea
甲状腺腫瘍甲状腺

まとめ

YN.D-41
  • 甲状腺濾胞由来の甲状腺癌は組織型から分化型と未分化型に分けられる。
  • 前者は放射線療法・化学療法に対する感受性は低く適応とはならないが、後者は放射線・化学療法の適応となる。
  • 分化型には乳頭癌と濾胞癌がある。
  • 乳頭癌は甲状腺癌の中で最も頻度が高い。好発年齢は30-50歳と比較的若年であり、女性に多い(男女=1:8)。発育は緩徐で転移はリンパ行性であり、血行性転移は稀である。組織的には濾胞内への乳頭状増殖が見られる。腫瘍内に砂粒小体を認め、組織的に核内封入体を認めるのが特徴的である。術後10年生存率は90%と予後良好である。治療は手術、TSH抑制療法、遠隔転移例に対しては131I大量療法を行う。
  • 濾胞癌は甲状腺癌の中で2番目に多く(5-10%)、年齢・性別の特徴は乳頭癌と同様である。発育は緩徐で、リンパ行性の転移があるが、血行性転移がよく見られるのが乳頭癌と異なる。転移する組織には肺、骨・肝に多い。組織的には濾胞の増殖が認められる。予後は術後10年生存率80-90%と良好である。治療は乳頭癌と同じである。
  • 未分化型は未分化癌である。
  • 未分化癌は甲状腺癌の2-4%をしめている。分化型と異なり60歳以上に多く、性差も著しく違わない(男女=1:2)。発育は急激であり、赤沈上昇、CRP上昇などの炎症所見をきたす。診察上、可動性に乏しく、有痛性である。転移は血行性もリンパ行性もありうる。組織上、N/C比の大きい未分化細胞の増殖が認められる。67Gaシンチの取り込みを見たのち、試験切開もしくは手術を行うが、増殖が早いために手術不能である場合が多く、ほとんどの場合放射線治療もしくは化学療法を行うことになる。術後10年生存率は0%である。
  • 傍濾胞細胞由来の腫瘍に髄様癌がある。甲状腺癌の1-2%と最も少ない。好発年齢は30-50歳と若く、男女比も分化型と比べて大きくない(男女比=1:2)。増殖は分化型と同様、緩徐である。転移はリンパ行性も血行性もあるが、リンパ行性優位である。組織的には異型細胞が認められ、間質にはアミロイドが沈着してるのが特徴的である。検査上、CEA高値、カルシトニン高値であるのが特徴的である。治療法は手術である。であり、予後は術後10年生存率は60-70%と比較的良好である。
  • 悪性リンパ腫は甲状腺癌のうち2-4%をしてめいる。疫学は未分化癌と同様であり、急激に増殖する。転移はリンパ行性であり、血行性は少ない。組織的には非ホジキンリンパ腫である。67Gaシンチ、試験切開を行ってステージの決定を行い、放射線療法か化学療法を行う。術後10年後生存率は50-70%である。

甲状腺原発悪性リンパ腫

  • 疫学:65歳。20-30歳に発症することあり。基礎疾患に橋本病が存在することがある。
  • 病理:多くがB細胞性の非ホジキンリンパ腫でびまん性大細胞型リンパ腫やMALTリンパ腫がほとんど
  • 進行:比較的急性。3ヶ月程度で明らかに腫大
  • 症状:腫瘤をみとめる程度。ときにリンパ節腫大、反回神経麻痺、呼吸困難
  • 治療:手術は合併症を起こさずに切除できる場合のみ。標準治療は化学療法と放射線療法。
  • 予後:5年生存率50-70%