出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/04 21:36:10」(JST)
比視感度(ひしかんど、Luminosity function, or Photopic luminous efficiency function)とは、ヒトの目が光の各波長ごとの明るさを感じる強さを数値で表したものである。
明るい場所に順応したときに、ヒトの目が最大感度となる波長での感じる強さを "1" として、他の波長の明るさを感じる度合いをその比となるよう、1以下の数で表したものである。
明るい所では555nm(ナノメートル)付近の光を最も強く感じ、暗いところでは507nm付近の光を最も強く感じるとされる。標準比視感度とは、国際照明委員会(CIE)と国際度量衡総会では、ヒトの比視感度の平均から世界標準となる「標準比視感度」が規定された。標準比視感度には「明所視標準比視感度」と「暗所視標準比視感度」がある。
特に断らない場合は、視感度といえば明るい環境でのヒトの目の感じ方である明所比視感度のことを指す[1]。
視感度とは、人間の目が波長ごとに光を感じ取る強さの度合を表すものであり、また、波長ごとに光を感じ取る強さが異なるという現象全体を指す。
ヒトが光の波長によってその強度の感じ方が異なるということは、純物理量としての光の量、例えば光子の量とヒトが感じる明るさには波長によって差が生じる事を意味しており、例えば、明るいところで青色の450nmの波長の1,000個の光子を目に受けた時に感じる光の強さは、緑色の555nmの波長の38個の光子を目に受けた時に感じる光の強さに等しくなり、同様に赤色の700nmの波長の1,000個の光子を目に受けた時に感じる光の強さは、緑色の555nmの波長の4個の光子を目に受けた時に感じる光の強さに等しくなる。
また、ヒトの目には主に明るい環境で機能する錐体細胞と主に暗い環境で機能する桿体細胞という2種類の視細胞があり、それぞれの視感度の特性は異なる[1]。
最大視感度とは、視感度の最大となる光の波長である。明るい場所では、多くのヒトが波長555nmで視感度が最大となるため明所最大視感度は波長555nmとされる。555nmでの視感度は683lm/Wとされる[1]。
国際単位系では波長555nmでの視感度683lm/Wを最大視感度とする「明所標準比視感度」を純物理量に乗じて光束、光度、照度、輝度、光量といった心理物理量にしている。
放射量 (純物理量) |
測光量 (心理物理量) |
放射束 W | 光束 lm |
放射強度 W/sr | 光度 cd |
放射輝度 W/sr・m2 | 輝度 cd/m2 |
放射照度 W/m2 | 照度 lx |
放射発散量 W/m2 | 光束発散量 lm/m2 |
放射エネルギー J | 光量 lm・s |
[1]
[編集]
測光量 | SI単位 | 記号 | 備考 |
---|---|---|---|
光度エネルギー | ルーメン·秒 | lm·s | 放射量における放射エネルギー |
光束 | ルーメン(またはカンデラ·ステラジアン) | lm | 放射量における放射束 |
光度 | カンデラ | cd | 放射量における放射強度 |
輝度 | カンデラ毎平方メートル | cd/m2 | 放射量における放射輝度 |
照度 | ルクス(またはルーメン毎平方メートル) | lx | 放射量における放射照度 |
光束発散度 | ラドルクス(またはルーメン毎平方メートル) | rlx | 放射量における放射発散度 |
視感度 | 分光視感効果度とも呼ぶ | ||
発光効率 | ルーメン毎ワット | lm/W | ランプ効率とも呼ぶ |
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疾患あり | 疾患なし | |
検査陽性 | a 真陽性 |
b 偽陽性 |
検査陰性 | c 偽陰性 |
d 真偽性 |
Sn= a / ( a + c )
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