レミフェンタニル
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Japanese Journal
- 超短時間作用性オピオイド鎮痛薬 ; GG084 (塩酸レミフェンタニル) とプロポフォール併用による臨床検討-ASA PS分類3の全身麻酔患者を対象-
- 超短時間作用性オピオイド鎮痛薬 ; GG084 (塩酸レミフェンタニル) と吸入麻酔薬セボフルランの併用による国内第III相一般臨床試験
- 超短時間作用性オピオイド鎮痛薬 ; GG084 (塩酸レミフェンタニル) と静脈麻酔薬プロポフォールの併用による国内第III相臨床試験-並行群間 二重盲検 用量比較試験-
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- レミフェンタニルは塩酸塩の形で供給される。投与経路は静脈内投与で投与速度は体重 1kgに対し1分間に0.1マイクログラムから0.5マイクログラムである。なお、添付文書に 記載されている投与速度はこれよりも多く、最大でも2マイクログラム/kg/分となっている ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アルチバ静注用2mg
組成
- 1バイアル中に下記成分・含量を含有する凍結乾燥製剤で、用時溶解して用いる静注用注射剤である。
成分・含量
- レミフェンタニル塩酸塩2.2mg(レミフェンタニルとして2mg)
添加物
禁忌
- 本剤の成分又はフェンタニル系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 全身麻酔の導入及び維持における鎮痛
- 成人では他の全身麻酔剤を必ず併用し、下記用量を用いる。
麻酔導入
- 通常、レミフェンタニルとして0.5μg/kg/分の速さで持続静脈内投与する。なお、ダブルルーメンチューブの使用、挿管困難等、気管挿管時に強い刺激が予想される場合には、1.0μg/kg/分とすること。また、必要に応じて、持続静脈内投与開始前にレミフェンタニルとして1.0μg/kgを30〜60秒かけて単回静脈内投与することができる。ただし、気管挿管を本剤の投与開始から10分以上経過した後に行う場合には単回静脈内投与の必要はない。
麻酔維持
- 通常、レミフェンタニルとして0.25μg/kg/分の速さで持続静脈内投与する。なお、投与速度については、患者の全身状態を観察しながら、2〜5分間隔で25〜100%の範囲で加速又は25〜50%の範囲で減速できるが、最大でも2.0μg/kg/分を超えないこと。浅麻酔時には、レミフェンタニルとして0.5〜1.0μg/kgを2〜5分間隔で追加単回静脈内投与することができる。
- 本剤を単独で全身麻酔に使用しないこと。[本剤は鎮静効果が弱いため、意識消失を得るためには他の全身麻酔剤を併用すること。]
- 本剤を単回静脈内投与する場合は、30秒以上かけて行うこと。
- 肥満患者(BMI25以上)の用量設定は実際の体重よりも標準体重1)に基づいて行うことが望ましい。
注射液の調製方法
- (溶解法)レミフェンタニル濃度が1mg/mLになるように、アルチバ静注用バイアル内に注射用水、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を注入し、よく振盪して完全に溶解する。
(希釈法)レミフェンタニルとして100μg/mL(20〜250μg/mL)になるように、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈する。また、希釈後は安定性が低下するので、24時間以内に使用すること。
(注射用水は、溶液が等張とならないため希釈液として用いないこと。)
溶解及び希釈に必要な総液量
最終濃度:100μg/mL
薬剤(1バイアル):アルチバ静注用2mg
- 溶解に必要な液量:2mL
希釈に必要な液量:18mL
溶解後総液量:20mL
最終濃度:100μg/mL
薬剤(1バイアル):アルチバ静注用5mg
- 溶解に必要な液量:5mL
希釈に必要な液量:45mL
溶解後総液量:50mL
慎重投与
- ASAIII、IV2)の患者[血液循環が抑制されるおそれがあるため、開始投与速度を減速し、その後調節すること。]
- 衰弱患者、循環血液量減少のある患者[心血管系に影響を及ぼすおそれがある。]
- 高齢者[心血管系に影響を及ぼすおそれがある。(「高齢者への投与」の項参照)]
- 重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。]
- 不整脈のある患者[徐脈を起こすことがある。]
- 慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
- 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣が起こることがある。]
- 気管支喘息の患者[気管支収縮が起こることがある。]
重大な副作用
筋硬直
3.0%
- 筋硬直があらわれることがある。筋硬直の発現は本剤の投与量及び投与速度に関連するため、本剤の単回静脈内投与は30秒以上かけて行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。また、麻酔導入時に発現する過剰な筋硬直に対しては、臭化ベクロニウム等の筋弛緩剤の追加投与による治療を行うこと。なお、必要に応じて本剤の投与速度の減速又は投与中止を含め、適切な処置を行うこと。
換気困難
頻度不明注)
- 筋硬直、喉頭痙攣により換気困難な状況に陥る可能性がある。異常が認められた場合には、筋弛緩剤の使用等適切な処置を行うこと。なお、喉頭痙攣がラリンジアルマスク使用中に出現し、換気困難となった症例が報告されているため、注意すること。
呼吸停止(頻度不明注))、呼吸抑制(1.8%)
- 呼吸停止、呼吸抑制があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては補助呼吸を行い、必要に応じて筋弛緩剤あるいは麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩等)を使用するなど適切な呼吸管理を行うこと。
血圧低下
41.2%
- 血圧低下があらわれることがあるので、本剤の投与速度の減速、若しくは併用する全身麻酔剤の投与速度の減速又は投与量の減量を含め、輸液、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
徐脈
22.1%
- 徐脈があらわれることがあるので、本剤の投与速度の減速、若しくは併用する全身麻酔剤の投与速度の減速又は投与量の減量を含め、輸液、昇圧剤、アトロピン硫酸塩等の副交感神経遮断剤の使用等適切な処置を行うこと。
不全収縮、心停止
頻度不明注)
- 徐脈に引き続いて不全収縮、心停止があらわれることがある(本剤と他の全身麻酔剤が併用されている場合、重篤な徐脈、不全収縮、心停止がみられることがあるので、十分な患者管理のできる状態で使用すること)。
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明注)
- 本剤と他の全身麻酔剤が併用されている患者においてアレルギー、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
全身痙攣
頻度不明注)
- 全身痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
鎮痛作用22)、23)
- ラットの輻射熱法において、レミフェンタニルは用量依存的な鎮痛作用を示し、作用持続時間も用量依存的に延長したが、高用量投与時又は持続投与時においても作用消失が速やかであることが示された。また、繰り返し投与による作用持続時間の延長及び鎮痛作用の減弱は認められなかった。さらに、主代謝物の鎮痛作用は未変化体の約1/270と弱いことが示された。
鎮静作用24)
- レミフェンタニルを0.5μg/kg/分でイヌに持続静脈内投与したとき、深い麻酔状態に特有のデルタ波形が脳波図に認められたことから、鎮静作用を有することが示された。
作用機序25)
- 受容体結合試験において、レミフェンタニルはμ-、δ-及びκ-オピオイド受容体に対して親和性を示した(それぞれ、IC50=2.6nmol/L、66nmol/L及び6.1μmol/L)。この結果から、レミフェンタニルは選択的なμ-オピオイド受容体アゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- 水、メタノールに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、2-プロパノール、酢酸エチルに極めて溶けにくい。
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- remifentanil
- 化
- 塩酸レミフェンタニル remifentanil hydrochloride
- 商
- アルチバ
- 関
- 麻薬、麻酔薬、オピオイド、オピオイド受容体
- フェニルピペリジン構造(フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル)
- 選択的μ受容体アゴニスト
- 脳内への移行が速やかなため、作用発現までの時間が短く、消失も早い。
- 投与中中止後、速やかに血中濃度が低下し、術後呼吸抑制の心配が少ない(SAN.55)
- 血中および組織内の非特異的エステラーゼによって加水分解されるため(腎・肝機能に非依存的)、蓄積性がなく、肝・腎機能障害を有している患者にも有効。
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関