トラゾドン
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トラゾドン
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IUPAC命名法による物質名 |
2-(3-[4-(3-chlorophenyl)piperazin-1-yl]propyl)-[1,2,4]triazolo[4,3-a]pyridin-3(2H)-one
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臨床データ |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
高 |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
3-6時間 |
排泄 |
20% 糞便
80% 尿 |
識別 |
CAS番号 |
19794-93-5 |
ATCコード |
N06AX05 |
PubChem |
CID: 5533 |
DrugBank |
APRD00533 |
ChemSpider |
5332 |
KEGG |
D08626 |
化学的データ |
化学式 |
C19H22ClN5O |
分子量 |
371.864 g/mol |
トラゾドン(trazodone)は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。水、エタノール、クロロホルムにやや溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンの量を増やすことにより、うつ病、うつ状態の改善に効果があり、眠気の副作用と抗うつ作用から睡眠導入剤の代替品として用いられることもある。その他、強迫性障害にも効果が高い。三環系、四環系抗うつ薬に属さない、新しいタイプの抗うつ薬で、SSRIの登場まではよく使われた。
トラゾドン塩酸塩は、日本国内ではファイザーから「デジレル」、MSD株式会社から「レスリン」などの商品名で発売されている。
目次
- 1 副作用
- 2 種類
- 3 用量・用法
- 4 慎重投与
副作用
主に眠気、ふらつき、喉の渇き、だるさ、セロトニン症候群、軽い不整脈、動悸、便秘など。また陰茎及び陰核の持続性勃起が起こることもあるが、その場合には、直ちに服用を中止し、医師に相談すること。また急に服薬を止めたり、減量した場合に離脱症状が起こる可能性がある。
- 線維筋痛症ではしばしば抗うつ薬が用いられる。他の抗うつ薬と異なり、トラゾドンはむしろ線維筋痛症の疼痛を悪化させることがあるといわれる[要出典]。
種類
用量・用法
通常成人1日 75mg から 100mg を初期用量し、1日最大 200mg まで増量できる。1~数回に分け経口投与する。また、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 心筋梗塞回復初期の患者、及び心疾患の患者
- 緑内障、排尿困難のある患者
- てんかんの既往歴のある患者
- 躁うつ病の患者
- 統合失調症の要素のある患者
- 小児等
- 高齢者
抗うつ薬 (N06A) |
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再取り込み阻害薬 |
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選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
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フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン エスシタロプラム
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セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
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デュロキセチン ミルナシプラン ベンラファキシン
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ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
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アトモキセチン
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ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
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ブプロピオン
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受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
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セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
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トラゾドン
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ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
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ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
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アゴメラチン フリバンセリン
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三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
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三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
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アリピプラゾール タンドスピロン
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サプリメント (ビタミン, ミネラル, アミノ酸など) |
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アスコルビン酸 (Vitamin C) 魚油 葉酸 (Vitamin B9) L-5-HTP (Oxitriptan) レボドパ (Levodopa) L-Methionine フェニルアラニン トリプトファン チロシン マグネシウム メラトニン ナイアシン/Niacinamide (Vitamin B3) ω-3脂肪酸 ピリドキシン (Vitamin B6) S-アデノシルメチオニン 亜鉛
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 初老期不安障害における不眠に対する塩酸トラゾドンの有用性
- 井上 勉,渡辺 裕輔,野平 由香 [他],新井 鐘大,佐藤 貴彦,菊田 知宏,小林 和裕,池田 直史,鈴木 洋通
- 日本内科学会雑誌 97(12), 3049-3051, 2008-12-10
- … 者,3年前よりうつ病あり塩酸トラゾドンを使用していた.徐々に増悪した嘔気,嘔吐,水様下痢を主訴に救急外来を受診,血圧202/86mmHg,ミオクローヌスも認めたが原因は不明であった.入院後,経口薬剤を中止してから血圧は次第に下降し,消化器症状も改善した.頭部および胸腹部CT,上部消化管内視鏡で器質的疾患は否定された.これら臨床経過から塩酸トラゾドンによるセロトニン症候群の …
- NAID 10024933113
- 症例報告 両側縮瞳と意識障害を来たした薬物中毒の一例
Related Links
- 成分(一般名) : トラゾドン塩酸塩 製品例 : レスリン錠25~50、デジレル錠25~50 ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分 : 神経系用剤(含む別用途)/その他の抗うつ剤/抗うつ剤
- ファイザー株式会社がご提供するエスタブリッシュ医薬品に関する情報ページです。医療関係者の方に 抗うつ剤 デジレル(一般名 塩酸トラゾドン)がご提供する付加価値をご紹介します。
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
デジレル錠25
組成
有効成分
(含量)
添加物
- 酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- サキナビルメシル酸塩を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
効能または効果
- 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[「その他の注意」の項参照]
- トラゾドン塩酸塩として、通常、成人には1日75〜100mgを初期用量とし、1日200mgまで増量し、1〜数回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 心筋梗塞回復初期の患者及び心疾患の患者又はその既往歴のある患者[循環器系に影響を及ぼすおそれがある。]
- 緑内障、排尿困難又は眼内圧亢進のある患者[抗コリン作用を若干有するため、症状を悪化させるおそれがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣発作を起こすおそれがある。]
- 躁うつ病の患者[躁転、自殺企図があらわれることがある。]
- 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
- 小児等[「小児等への投与」の項参照]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsades de pointesを含む)(頻度不明)、心室細動(頻度不明)、心室性期外収縮(頻度不明)
- QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、心室性期外収縮があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
セロトニン症候群(頻度不明)
- セロトニン症候群があらわれることがあるので、錯乱、発汗、反射亢進、ミオクロヌス、戦慄、頻脈、振戦、発熱、協調異常等が認められた場合には、投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
錯乱(頻度不明)、せん妄(0.07%)
- 錯乱、せん妄があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス(0.03%)
- 腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来たし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
持続性勃起(頻度不明)
- 陰茎及び陰核の持続性勃起が起こることが報告されているので、本症状が発現した場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(持続性勃起の治療として、エピネフリン、ノルエピネフリンなどのα-アドレナリン作動薬の海綿体内注射及び外科的処置が行われた症例が報告されている。)
無顆粒球症(頻度不明)
- 無顆粒球症があらわれたとの報告があるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ラット脳シナプトゾームを用いた実験で、ノルアドレナリンよりもセロトニンに対して強い取り込み阻害作用を示す。14〜21)
- ラットでのin vivo試験において、ノルアドレナリン取り込み阻害作用はほとんど認められない。14〜21)
- ラット脳を用いたin vitroの実験において、α1及びα2受容体ならびにセロトニン受容体に対して親和性を示すが、ドーパミン受容体及びムスカリン性アセチルコリン受容体に対する親和性はほとんどない。
- 低用量では、セロトニンにより誘発されるマウス首振り行動(head twitch)を抑制し、フェンフルラミンによるラット後肢屈曲反射亢進を抑制することからセロトニン受容体遮断作用を有すると考えられる。高用量では、それ自体で後肢屈曲反射を亢進することからセロトニン受容体に対する直接的な刺激作用を有すると考えられる。
- ラットを用いた実験において、ノルアドレナリンによる昇圧反応を抑制することから、α受容体遮断作用を有すると考えられる。
- ラットを用いた実験において、25日間の連続投与によりβ受容体への[3H]-ジヒドロアルプレノロール結合量が減少し、β受容体の感受性が低下すると考えられる。
- 従来の三環系抗うつ薬と異なり、ラットを用いた抗レセルピン作用、マウスを用いたメタンフェタミン作用増強効果を示さず、強制遊泳試験においても作用が認められず、マウスを用いた抗コリン作用もほとんど認められない。
- 健常人における定量脳波試験において、100mg投与1時間後にthymoleptic型の脳波変化を示すが、低域α波の増加と速波の減少が特徴的である。トラゾドン塩酸塩の作用特性は精神賦活作用よりも抗不安・鎮静作用が強いと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- トラゾドン塩酸塩(trazodone hydrochloride)
化学名
- 2-[3-[4-(m-Chlorophenyl)-1-piperazinyl]propyl]-s-triazolo[4,3-a]pyridin-3(2H)-one hydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で、においはない。
水にやや溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はクロロホルムにやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- trazodone
[★]
- 英
- trazodone
- 化
- 塩酸トラゾドン trazodone hydrochloride
- 商
- アンデプレ、デジレル、レスリン、Desyrel
- 関
- 抗うつ薬、薬理学。SSRI
- トリアゾピリジン骨格を有する抗うつ薬。
- 鎮静作用の強い非定型抗うつ薬
- 日本初のSSRI
- 抗コリン作用が弱く、心機能抑制は低い。
- セロトニン再取り込み阻害作用はノルアドレナリンの26倍という高い選択性
- 長期投与により、うつ病患者で亢進しているノルアドレナリン受容体やセロトニン受容体の感受性を低下させる。
- KPS.1209
- 1-2時間で血中濃度が最高濃度となる
- 半減期は6-11時間
- 活性代謝物はm-クロロフェニルピペラジン
- 肝臓代謝。代謝産物の75%は尿から排泄される。
- 選択的セロトニン歳取り込み阻害作用、多少のシナプス後セトロニン活性、α1アドレナリン拮抗作用、抗ヒスタミン作用を有する。
- トラゾドンの長期投与によりシナプス後セトロニン受容体2A型(5-HT2A)とβアドレナリン受容体数を減少させる。
- 副作用:起立性低血圧(α1アドレナリン拮抗作用)、胃炎、持続勃起症(α1アドレナリン拮抗作用)、弱い骨格筋弛緩作用
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関