- 英
- in vitro fertilization IVF, extracorporal fertilization
- 関
- 受精
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/20 19:05:17」(JST)
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この項目では、生殖医療における体外受精(In Vitro Fertilization)について説明しています。卵と精子が体外に放出されて受精する自然の受精様式(External fertilization)については「体外受精 (生物)」をご覧ください。 |
生殖医療における体外受精(たいがいじゅせい、英: In Vitro Fertilization, IVF)は、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法。
受精し分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)(ET; embryo transfer)という。 胚盤胞まで成長させてから子宮内に移植する場合は、IVF-BT(BT; blastocyst transfer)という。
一般では体外授精と表記されることもあるが、これは人工授精や顕微授精などと混同したものであり、 日本産科婦人科学会の用語集では「体外受精」の表記を用いている。 日本語では受精と授精が、表記・音ともに似ているため混同されやすいが、 もともと英語では、受精はFertilization、授精はInseminationの訳であり、全く別のものである。
目次
- 1 対象
- 2 歴史
- 3 方法
- 4 合併症
- 5 脚注
- 6 関連項目
対象
通常、卵管閉塞などの器質的原因や、タイミング法・人工授精をしたが、妊娠に至らなかった場合に用いられる。通常は精子を自然受精させるが、乏精子症など精子側の受精障害がある場合には顕微授精(多くの場合卵細胞質内精子注入法:ICSI)を行う。卵子を包む透明帯に問題が有り孵化しにくいときは、アシステッドハッチングと呼ばれる技術で着床の手助けをする事もある。自然での人間の周期あたり妊娠率は平均15%前後だが、IVF-ETの場合25%程となる。
広く行われる不妊治療の一つであるが、あくまでも女性の卵子を使用するため、卵子そのものの老化の影響は受ける。体外受精を利用しても、45歳を超える女性の場合、妊娠できる可能性は0.5%ほどである。しかしその実態を知らず、体外受精をすれば50歳まで妊娠は可能と考える女性もいる[1]。
歴史
イギリスの生理学者ロバート・G・エドワーズが1978年に最初に成功し、女の子が生まれた。エドワーズはこの業績により2010年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した。日本では1983年に東北大学の鈴木雅州らが成功して以来、約6万人が生まれたと言われている。
開始初期には費用はHMGと呼ばれる注射の排卵誘発剤を用い約30万 - 60万円と高額であったが、近年クエン酸クロミフェン内服錠を用いた簡易誘発法を用いて10万前後で治療を行う施設も出てきている。
方法
- 女性は約1か月、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ(スプレキュア点鼻薬等)使用し、性腺刺激ホルモンを放出する下垂体の作用を麻痺させる(正確にはダウンレギュレーションと呼ばれる)ことで排卵を防ぎ、卵胞を成長させる。続いて閉経ゴナドトロピン(hMG)の注射を7ー9日連続で行う。これら誘発方法は何通りかあり、内服薬のみの場合もある。超音波画像診断で卵胞が十分な大きさに成長したのを確認した後、最後にヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を注射し、またはスプレキュアの点鼻により排卵を誘発する(通常の排卵は月経周期につき一個であるが、ホルモンの投与によって複数個の排卵が誘発される。排卵数は個人差が大きい)。
- 排卵誘発後35時間に静脈麻酔や部分麻酔をし(医療機関によっては無麻酔の場合もある)、超音波で確認しながら腹式または膣式に細い針を卵巣に刺し、複数の卵子(通常2〜10個程度)を採取(採卵)する。
- 採卵日に精子も採取する。
- 採卵から1 - 3時間後にシャーレの中で調整済みの精子を振りかけて受精を行い、数日間培養を続ける。
- 受精した卵は分割をし、翌日には受精卵として確認できる。体外受精が成功するかどうかの1つの鍵は、どれだけ質の良い受精卵が得られるかということで、色がきれいで、透明感があり、形が良く、はりがあって、傷がない受精卵が着床率が良い。
- 4細胞期または8細胞期の受精卵の内、発生が順調で形態の良い受精卵だけが膣から子宮内へ注入される(胚移植)。麻酔は行わない。母子ともにリスクの大きい多胎妊娠を防ぐため、原則として子宮に戻される受精卵は1個とされている。
- さらに胚盤胞まで培養し凍結保存した上で、2周期以上後に移植する方法もある(胚盤胞移植)。
子宮に戻されなかった余剰受精卵は通常、妊娠が成功しなかった場合や次の妊娠に備えて液体窒素タンク中で凍結保存剤を加えて冷凍保存される。これは、排卵誘発および卵子採取に関わる女性への負担を低減する利点もある。冷凍保存を維持するのにかかる費用(定期的な液体窒素の補充や機器の維持管理等)もすべて、不妊治療を受ける夫婦の自費負担となる(体外受精法による不妊治療は、そのほとんどが健康保険適用されない)。
合併症
多数の受精卵を子宮内に戻せば当然妊娠率が上がるため、不妊治療クリニックの中には一度の体外受精で多数の受精卵を子宮に戻すこともあるため、3胎以上の超多胎妊娠の例も増えた。現在は「体外受精で一度に子宮へ戻す受精卵は原則1個」という産婦人科学会によるガイドラインが出来ている。
脚注
- ^ “不妊原因「卵子の老化」が約半数”. NHK. (2012年6月23日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120623/t10013059751000.html
関連項目
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Japanese Journal
- 日本一の牛群造り : 高育種価牛を用いたOPU-IVFによる受精卵生産の取り組み(経膣採卵・体外受精における尾椎硬膜外腟への卵胞刺激ホルモン1回投与の有効性)
- 国内情報 牛体外受精卵移植の現場 : 体外受精卵移植技術者情報交換会から
- P3-56-7 体外受精胚移植周期の黄体補充用プロゲステロン膣用ゲル剤COL-1620 8%第III相多施設共同非盲検単一群試験(Group 121 ART・周産期予後,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第68回学術講演会)
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- 体外受精で妊娠率を上げている大谷レディスクリニックでの体外受精の流れをお伝えします。 大谷レディスクリニックでは、不妊治療に精通したスタッフが一般不妊治療・体外受精・顕微授精など、不妊でお悩みの方のための治療に ...
- 体外受精の基礎知識やリスク、費用などの情報サイトです。 ... 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)は日々進歩し、妊娠率も向上しています。 治療をしていくうえで、体外受精・顕微授精の内容・流れ・リスクなど不安に思うことが多い ...
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★リンクテーブル★
[★]
- a 出生500人に約1人が体外受精児である。
- b 女性不妊の頻度は男性不妊の約5倍である。
- c 40歳代女性の不妊症の頻度は約10%である。
- d 同年齢層では体外受精の流産率は自然妊娠よりも高い。
- e 女性の加齢とともに体外受精による妊娠率は低下する。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A009]←[国試_107]→[107A011]
[★]
- a 1周期当たりの出産率は約70%である。
- b 凍結胚の妊娠率は新鮮胚の妊娠率の約半分である。
- c 体外受精による出生は全出生児の約10%を占める。
- d 卵管閉塞は卵細胞質内精子注入法(ICSI)の適応である。
- e 1周期につき1つの胚を移植することが推奨されている。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A003]←[国試_111]→[111A005]
[★]
- a. 妊婦貧血の発症率が高い。
- b. 1卵性双胎は1絨毛膜性双胎となる。
- c. 妊娠高血圧症候群の発症率は単胎と差がない。
- d. 体外受精の結果発生する双胎のほとんどは2卵性である。
- e. 2絨毛膜性双胎は1絨毛膜性双胎に比較して周産期のリスクが高い。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F001]←[国試_101]→[101F003]
[★]
- 医学の歴史的発見と発見者名の組合せで正しいのはどれか。
- a 通仙散―――――――――貝原益軒
- b 体外受精 ―――――――― Edward Jenner
- c ワクチン ―――――――― Barry Marshall
- d ペニシリン ――――――― Alexander Fleming
- e Helicobacterpylori ―――― Robert Edwards
[正答]
※国試ナビ4※ [108H010]←[国試_108]→[108H012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106G036]←[国試_106]→[106G038]
[★]
- 英
- artificial insemination, artificial fertilization
- 同
- 子宮内授精 intrauterine insemination IUI
- 関
- 体外受精
分類
[★]
- 関
- fertilization in vitro、in vitro fertilization、IVF
[★]
- 関
- external fertilization、in vitro fertilization、IVF
[★]
体外受精 in vitro fertilization
[★]
[★]
- 英
- in vitrofertilization-embryo transfer IVF-ET, in vitro fertilization embryo transfer
- 関
- 受精
排卵誘発・胚移植
- 参考1
- GnRHアゴニスト、hMG or FSH、hCG
- (1)高温相5-7日からGnRHアゴニストを投与して内因性のFSH,LHの分泌を(一度はflare upによって増加するが)抑制する。(2)卵胞期に入ってから、連日hMG、もしくはFSHの投与を行う。(3)hCGの投与により卵胞を成熟させて、36時間後に採卵を行う。(4)胚移植後に黄体ホルモンを投与し肺の着床を促進する。
- クロミフェン+FSH/hMG併用療法
- GnRHアンタゴニスト法
参考
- http://www.koshida-cl.or.jp/ivf-icsi_ovarian-stimulation.html
- 2. クリニカルカンファレンス3 生殖医療のup-to-date 3)調節卵巣刺激法 - 日産婦誌62巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/62/6209-141.pdf
[★]
- 英
- fertilization
- 関
妊娠との関係
- 精子の生存時間:30-45時間
- 卵生の生存時間:6-24時間
- 排卵から約2日以内は妊娠する可能性がある。