ドキソルビシン
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Japanese Journal
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- 警告. 1. 従来のドキソルビシン塩酸塩製剤の代替として本剤を投与しないこと。[「重要な 基本的注意」の項参照]. 2. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において 、本剤投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。 3. 本剤の卵巣癌 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ドキシル注20mg
組成
- 本剤は、ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE修飾リポソームに封入した静脈内投与製剤である。
成分・含量
- 1バイアル10mL中ドキソルビシン塩酸塩20mg含有
添加物(1バイアル中)
- HSPC注1) 95.8mg
MPEG-DSPE注2) 31.9mg
コレステロール 31.9mg
硫酸アンモニウム 20mg
L-ヒスチジン 15.5mg
精製白糖 940mg
pH調整剤 適量
- 注1)Hydrogenated Soy Phosphatidylcholine(水素添加大豆ホスファチジルコリン)
- 注2)N-(Carbonyl-methoxypolyethylene glycol 2000)-1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine sodium salt
禁忌
- 従来のドキソルビシン塩酸塩製剤又は本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- がん化学療法後に増悪した卵巣癌
- エイズ関連カポジ肉腫
卵巣癌
- 本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の他の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。
がん化学療法後に増悪した卵巣癌
- 通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回50mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後4週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
エイズ関連カポジ肉腫
- 通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回20mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後2〜3週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
- 本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した場合の有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤は、5%ブドウ糖注射液で希釈すること。希釈方法については、本剤の投与量に合わせ、以下の(1)、(2)いずれかの方法で行うこと。
本剤の投与量が90mg未満の場合
本剤の投与量が90mg以上の場合
- 5%ブドウ糖注射液500mLで希釈する
- 急速な投与によりinfusion reaction発現の危険性が高くなるおそれがあるため、急速静脈内投与又は希釈しない溶液での投与は行わないこと。
- 他の薬剤等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。
- 副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。なお、減量を行った場合は、有害事象が軽快しても減量前の投与量に戻さないこと。
用量調節基準(卵巣癌)
手足症候群
Grade 1
(日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑)
- 用量の変更
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
Grade 2
(正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 3
(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
- 用量の変更
Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
- 用量の変更
Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
口内炎
Grade 1
(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
- 用量の変更
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
Grade 2
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 3
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
- 用量の変更
Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
- 用量の変更
Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
骨髄抑制
Grade 1
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
Grade 2
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 3
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 4
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。持続性の好中球数減少(好中球500/μL未満が7日以上継続するか、本剤投与後22日目までに軽快しない場合)又は血小板25,000/μL未満が認められた場合には、投与再開時、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。
肝機能障害
血清ビリルビン値
1.2〜3.0mg/dL
血清ビリルビン値
3.0mg/dLを超える
- 用量の変更
本剤との因果関係が否定できない場合、本剤の投与を中止する。本剤との因果関係が否定される場合、用量を50%減量の上、投与を再開する。
その他の副作用
- 重度の副作用(Grade 3以上)が発現した場合、Grade 0〜2に軽快するまで最大2週間延期し、用量を25%減量する。
用量調節基準(エイズ関連カポジ肉腫)
手足症候群
Grade 1
(日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑)
- 用量の変更
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
Grade 2
(正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 3
(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
口内炎
Grade 1
(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
- 用量の変更
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
Grade 2
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 3
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
- 用量の変更
Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
骨髄抑制
Grade 1
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
Grade 2
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 3
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 4
好中球(/μL)
血小板(/μL)
用量の変更
- 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。投与再開時には、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。
肝機能障害
- 肝機能障害のある患者に対する本剤の治療経験は限られている。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤での経験に基づき、血清ビリルビン値が次のように上昇した場合は、本剤を減量することが望ましい。
- ・血清ビリルビン値が1.2〜3.0mg/dLの場合は、通常量の1/2
- ・血清ビリルビン値が3.0mg/dLを超える場合は、通常量の1/4
慎重投与
- 心血管系疾患又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある(「警告」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]
- 骨髄抑制のある患者(エイズ関連カポジ肉腫患者では、HIVや併用薬等により、また、卵巣癌患者では前治療等の影響により、本剤の投与開始前から骨髄抑制が認められる場合がある。)[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]
- 肝機能障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 大豆アレルギーのある患者[本剤の添加物に大豆由来の成分が含まれている。]
重大な副作用
心筋障害注)
頻度不明
- 心筋症、うっ血性心不全があらわれることがあるので、本剤投与時には患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。特に、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量が500mg/m2を超えると急性左室不全が生じる可能性があるので注意すること。[「警告」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
骨髄抑制注)
白血球数減少93.2%、好中球数減少93.2%、血小板数減少60.8%、ヘモグロビン減少85.1%、赤血球数減少75.7%
- 白血球数減少、好中球数減少、血小板数減少、貧血(ヘモグロビン減少、赤血球数減少)があらわれることがある。また、骨髄抑制が生じた結果、感染症、発熱性好中球減少症又は出血が起こることがあるので、本剤投与時には頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
infusion reaction注)
18.9%
- infusion reactionのうち重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様の症状があらわれることがあるので、投与中は患者の状態を十分に観察し、重篤なinfusion reactionが認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「警告」、「重要な基本的注意」の項参照]
手足症候群注)
78.4%
- 腫脹、疼痛、紅斑、手足の皮膚の落屑を特徴とする手掌・足底の皮疹があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
口内炎注)
77.0%
- 口内炎があらわれることがあるので、本剤投与時には頻回に観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
肝機能障害注)
頻度不明
- 肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
間質性肺疾患注)
間質性肺疾患1.4%、肺臓炎1.4%
- 間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症注)
頻度不明
- 致死的な肺塞栓症がまれに報告されているので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
深部静脈血栓症注)
1.4%
- 深部静脈血栓症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
- 本剤は卵巣癌細胞株を移植した担癌マウスにおいて腫瘍の増大を抑制した9)、10)。
- 本剤はエイズ関連カポジ肉腫患者から分離した初代培養カポジ肉腫細胞に対して増殖抑制作用を示した11)。
作用機序12)、13)、14)
- 本剤の有効成分であるドキソルビシン塩酸塩は、細胞の2本鎖DNAを架橋することによって、DNA合成とRNA合成反応を阻害し、更にトポイソメラーゼII阻害作用により、DNA鎖を切断することによって抗腫瘍作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- 水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- technetium-99m-PMT
- 同
- technetium(99mTc) N-pyridoxyl-5-methyltryptophan, 99mTc-PMT, テクネチウム99m-PMT
- 商
- N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファンテクネチウム(99mTc)
- 関
- 肝胆道シンチグラム
- 肝臓の胆汁排泄に関わる、あるいは胆道系の疾患に有用。
- 高分化肝細胞癌の遠隔転移巣の検出にも有用とのこと。
参考
- https://aih-net.com/medical/depart/housya/tf/case431/answer.htm
[★]
99mTc-N-ピリドキシル-5メチルトリプトファンテクネチウム
[★]
99mTc-N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファン