ロキソプロフェン
Japanese Journal
- 文献探究編集部,ブンケンタンキュウヘンシュウブ
- 文獻探究 1, 26-32, 1977-08-08
- 一.散文 二.和歌 三.漢詩 四.その他 五.目録・資料集・善本展
- NAID 120001859619
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ケンタン細粒10%
組成
- ケンタン細粒10%:1g中に日局ロキソプロフェンナトリウム水和物113.4mg(無水物として100mg)を含有する。
添加物として、軽質無水ケイ酸、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、フマル酸、D-マンニトールを含有する。
禁忌
- 消化性潰瘍のある患者〔プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある。〕(ただし、「慎重投与」の項参照)
- 重篤な血液の異常のある患者〔血小板機能障害を起こし、悪化するおそれがある。〕
- 重篤な肝障害のある患者〔副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれがある。〕
- 重篤な腎障害のある患者〔急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある。〕
- 重篤な心機能不全のある患者〔腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある。〕
- 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者〔アスピリン喘息発作を誘発することがある。〕
- 妊娠末期の婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
- 通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mg、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60〜120mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
- 手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
- 通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mg、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60〜120mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
- 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
- 通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
慎重投与
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者〔潰瘍を再発させることがある。〕
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者〔ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。〕
- 血液の異常又はその既往歴のある患者〔溶血性貧血等の副作用がおこりやすくなる。〕
- 肝障害又はその既往歴のある患者〔肝障害を悪化又は再発させることがある。〕
- 腎障害又はその既往歴のある患者〔浮腫、蛋白尿、血清クレアチニン上昇、高カリウム血症等の副作用がおこることがある。〕
- 心機能異常のある患者(「禁忌」の項参照)
- 過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息の患者〔病態を悪化させることがある。〕
- 潰瘍性大腸炎の患者〔病態を悪化させることがある。〕
- クローン病の患者〔病態を悪化させることがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(血圧低下、蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 溶血性貧血、白血球減少、血小板減少:溶血性貧血、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症:皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎:急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、急性腎不全に伴い高カリウム血症があらわれることがあるので、特に注意すること。
- うっ血性心不全:うっ血性心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 消化管出血:重篤な消化性潰瘍又は小腸、大腸からの吐血、下血、血便等の消化管出血が出現し、それに伴うショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 消化管穿孔:消化管穿孔があらわれることがあるので、心窩部痛、腹痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害、黄疸:肝機能障害(黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ‐GTP上昇等)、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。
- 喘息発作:喘息発作等の急性呼吸障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
- 無菌性髄膜炎:無菌性髄膜炎(発熱、頭痛、悪心・嘔吐、項部硬直、意識混濁等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい。)
薬効薬理
- ロキソプロフェンナトリウムはプロドラッグであり、経口投与後、胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収され、その後速やかに活性代謝物(trans‐OH体)に変換されて鎮痛、抗炎症作用を示す。特に鎮痛作用は強力で、インドメタシン、ケトプロフェンの3〜20倍、ナプロキセンと同等または4〜20倍強い。解熱作用はケトプロフェン、ナプロキセンとほぼ同等でインドメタシンより3倍強い。3)
作用機序は、アラキドン酸代謝におけるシクロオキシゲナーゼの活性を阻害して、プロスタグランジンの生合成を抑制することによる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ロキソプロフェンナトリウム水和物
(Loxoprofen Sodium Hydrate)
化学名
- Monosodium 2‐{4‐[(2‐oxocyclopentyl)methyl]phenyl}propanoate dihydrate
分子式
分子量
性状
- ロキソプロフェンナトリウム水和物は白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、収れん性の味があり、後にわずかに甘味と塩味がある。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。1.0gを新たに煮沸して冷却した水20mLに溶かした液のpHは6.5〜8.5である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- loxoprofen
- 同
- ロキソプロフェンナトリウム loxoprofen sodium、ロキソプロフェンナトリウム水和物 loxoprofen sodium hydrate
- 商
- ウナスチン、オキミナス、オロロックス、カンファタニン、ケンタン、コバロキニン、サンロキソ、スリノフェン、ツルメリン、ノブフェン、ポナペルト、リンゲリーズ、レトラック、ロキソート、ロキソニン、ロキソプロフェン、ロキソマリン、ロキフェン、ロキプロナール、ロキペイン、ロゼオール、ロブ、ロルフェナミン
- 関
- NSAID
- プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬;プロドラッグ