- 英
- potassium clavulanate、clavulanate potassium
- 関
- クラブラン酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/17 05:44:20」(JST)
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クラブラン酸
|
IUPAC命名法による物質名 |
(2R,5R,Z)-3-(2-hydroxyethylidene)-
7-oxo-4-oxa-1-aza-bicyclo[3.2.0]
heptane-2-carboxylic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B (USA)
B1 (Aust) |
法的規制 |
Schedule 4 (Aust) |
投与方法 |
経口、点滴静注 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
よく吸収する |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
1 時間 |
排泄 |
腎臓 (30–40%) |
識別 |
CAS登録番号 |
58001-44-8 |
ATCコード |
J01 |
PubChem |
CID 42617 |
DrugBank |
APRD00049 |
KEGG |
D07711 |
化学的データ |
化学式 |
C8H9NO5 |
分子量 |
199.16 g/mol |
クラブラン酸 (Clavulanic acid) は、1974年に放線菌の代謝産物から発見された物質。最初に臨床使用されたβ-ラクタマーゼ阻害剤である。
特性
構造はOxapenamに属し、基本骨格はペニシリンの4位硫黄原子が酸素原子に置き換わったものである。単独では抗菌力が弱いが、β-ラクタム系抗生物質を不活化する酵素であるβ-ラクタマーゼを不可逆的に阻害する作用があることから、ペニシリンとの合剤として臨床応用されている。βラクタマーゼ阻害作用はペニシリナーゼに対して強く、セファロスポリナーゼに対しては弱い。アモキシシリン、チカルシリンなどと組み合わされた薬剤が市販化されている。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 経口抗菌薬 (新薬展望2011) -- (治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉--新薬の広場)
- 薬と食の相互作用(101)3.薬と食事の相性(41)アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム配合剤と食事
- 小児中耳炎患者を対象としたクラブラン酸カリウム・アモキシシリン配合剤(クラバモックス^【○!R】)小児用ドライシロップの有効性, 安全性の検討
- 杉田 麟也,山中 昇,工藤 典代,伊藤 理恵,川合 基司,大脇 一郎,浅野 哲,永田 傳
- The Japanese journal of antibiotics 60(4), 221-241, 2007-08-25
- NAID 10019820481
Related Links
- また、別の配合薬クラブラン酸カリウムは、細菌が作るβラクタマーゼという抗生物質 分解酵素を阻害することで、アモキシシリン ... 抗生物質のアモキシシリン(AMPC)と、β ラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウム(CVA)が配合されている複合抗生物質です 。
- また、別の配合薬クラブラン酸カリウムは、細菌が作るβラクタマーゼという抗生物質 分解酵素を阻害することで、アモキシシリン ... 抗生物質のアモキシシリン(AMPC)と、β ラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウム(CVA)が配合されている複合抗生物質です 。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質製剤
販売名
クラバモックス小児用配合ドライシロップ
組成
成分・含量(1.01g中)
- 日局クラブラン酸カリウム 42.9mg(力価)
日局アモキシシリン水和物 600mg(力価)
添加物
- 軽質無水ケイ酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、キサンタンガム、含水二酸化ケイ素、香料
禁忌
- 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
- 伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]
- 本剤の成分による黄疸又は肝機能障害の既往歴のある患者[再発するおそれがある。]
効能または効果
適応菌種
- 本剤に感性の肺炎球菌(ペニシリンGに対するMIC≦2μg/mL)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、ブドウ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
適応症
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎
- 通常小児は、クラバモックスとして1日量96.4mg(力価)/kg(クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kg)を2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 分包製剤を使用する場合は、次の体重換算による服用量を目安とし、症状に応じて適宜投与量を決めること。
1日量(ドライシロップとして):1.01g
1日量(ドライシロップとして):2.02g
1日量(ドライシロップとして):3.03g
1日量(ドライシロップとして):4.04g
1日量(ドライシロップとして):5.05g
1日量(ドライシロップとして):6.06g
- 体重:37〜39kg
- ボトル製剤を使用する場合は、1日量(調製後懸濁液として)が0.75mL/kgになるよう調製すること。[「適用上の注意」の項参照]
慎重投与
- セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
- 高度の腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与間隔をあけて使用すること。]
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。]
- 肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化するおそれがある。]
- フェニルケトン尿症の患者[本剤はアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
- ショック(頻度不明注1))、アナフィラキシー(頻度不明注1),3))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、顔面浮腫、眼瞼浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群(頻度不明注1),3))、多形紅斑(頻度不明注1),4))があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、顆粒球減少
- 無顆粒球症、顆粒球減少(頻度不明注1),3))があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎不全
- 急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明注1))があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
- 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(頻度不明注1),3))等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝障害
- 肝炎、黄疸(頻度不明注1),3))、また、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇(頻度不明注1),5))等の肝障害があらわれることがある。(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物製剤において肝障害は、主に男性と高齢患者で報告されており、また、長期投与と関連する可能性もある。兆候や症状は、通常、投与中又は投与直後に発現するが、投与終了後、数週間発現しない可能性もある。これらの症状は通常可逆的であるが、重篤になる可能性もあり、極めてまれな状況では死亡例が報告されている。)
小児におけるこれらの症状の報告は非常にまれである。
間質性肺炎、好酸球性肺炎
- 間質性肺炎、好酸球性肺炎(頻度不明注1))があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗菌作用
- 本剤は、ペニシリン耐性菌を含む肺炎球菌、β-ラクタマーゼ産生菌をそれぞれ含むインフルエンザ菌及びモラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスに対して抗菌力を示した。また、好気性のグラム陽性菌、陰性菌、嫌気性のグラム陰性菌等の広範囲の各種菌株に対して、抗菌力を示し、特にβ-ラクタマーゼ産生AMPC耐性菌に対し、AMPC単独に比べ、抗菌力が増強された。さらに、ブドウ球菌属をはじめ、グラム陰性の大腸菌、プロテウス・ミラビリス、アンピシリン(ABPC)(含む誘導体)・AMPCが無効であるクレブシエラ属、プロテウス・ブルガリス及び嫌気性菌(バクテロイデス属等)にも幅広い抗菌力を示した。
動物感染試験
- ペニシリン耐性肺炎球菌及びβ-ラクタマーゼ非産生ABPC耐性(BLNAR)あるいはβ-ラクタマーゼ産生のインフルエンザ菌による呼吸器感染ラット21)において、CVA、AMPCを持続静注することで本剤のヒトにおける血中濃度推移をラット血中で再現することにより、肺内生菌数を有意に低下させた。
- β-ラクタマーゼ産生のAMPC耐性菌(大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、黄色ブドウ球菌)等によるマウス実験的全身感染症(腹腔内接種)22)〜24)、腎膿瘍(大腸菌接種)25)、皮下混合感染症(大腸菌、バクテロイデス・フラギリス接種)26)の感染防御試験において、CVA/AMPC(CVA:AMPC=1:2)はAMPC22)〜26)、CEX23),24)、CEZ26)より優れた治療効果を示した。
腸内細菌叢ヘの影響26)
- CVA/AMPC(CVA:AMPC=1:2)及びAMPCをマウスに、2mg/日、7日間連続投与し、盲腸内クロストリジウム・ディフィシルの菌数を非投与群と比較検討した。その結果、偽膜性大腸炎の原因とされるクロストリジウム・ディフィシルの増殖が明らかに少ないことが認められている。これは、クロストリジウム・ディフィシルに対する抗菌力(MIC)が0.01μg/mLであり、AMPCのMIC0.39μg/mLに比べて、著しく増強されたために菌の出現が阻止されたものと考えられる。
作用機序
- AMPCは、合成ペニシリンで、グラム陽性菌、陰性菌の細胞壁合成を阻害し殺菌的な抗菌力を示す27)。CVAはβ-ラクタマーゼを不可逆的に阻害することにより、AMPCの加水分解を防ぐ28),29)。したがって、CVA/AMPCはAMPC感受性菌に加えて、β-ラクタマーゼを産生するAMPC耐性菌に対しても抗菌力を示す22),30)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クラブラン酸カリウム(Potassium Clavulanate)
分子式(分子量)
化学名
- Monopotassium(2R,5R)-3-[(1Z)-2-hydroxyethylidene]-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate
性状
- 白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。吸湿性である。
融点(分解点)
一般名
- アモキシシリン水和物(Amoxicillin Hydrate)
分子式(分子量)
化学名
- (2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-Amino-2-(4-hydroxyphenyl)acetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid trihydrate
性状
- 白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。
融点(分解点)
★リンクテーブル★
[★]
クラブラン酸カリウム(クラブラン酸)、アモキシシリン水和物(アモキシシリン)
[★]
クラブラン酸カリウム(クラブラン酸)、アモキシシリン水和物(アモキシシリン)
[★]
- 関
- clavulanate、clavulanic acid、potassium clavulanate
[★]
- 関
- clavulanate、clavulanate potassium、clavulanic acid
[★]
- 英
- ticarcillin sodium/potassium clavulanate mixture
- 同
- TIPC/CVA
- 商
- オーグペニン
- 関
- チカルシリン、クラブラン酸
[★]
アモキシシリン・クラブラン酸
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- bulla, pulmonary bulla
- 同
- 気腫性嚢胞 emphysematous bulla
- 関
- ブレブ
- ブラ bulla 気腫性嚢胞 肺胞が破壊されてできた肺実質内の気腔
- 肺胞壁の破壊、融合、拡張により生じた気腫 ただし胸膜の弾性板の内側に留まっている
[★]
- 英
- clavulanic acid, clavulanate, CVA
- 関
- β-ラクタマーゼインヒビター
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- lab
- 関
- レンニン