- 59歳の女性。本態性高血圧症、2型糖尿病および高脂血症で通院治療中である。食事療法、運動療法および服薬に関する知識を何度も教えてきたがなかなか守れない。身長156 cm、体重65kg。脈拍68/分、整。血圧158/102mmHg。血清生化学所見:空腹時血糖168mg/dl、HbA1c7.2%(基準4.3~5.8)、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール252mg/dl、トリグリセライド128mg/dl(基準50~130)。
- この患者への対応で適切なのはどれか。
- a. セルフコントロールの重要性に気付かせる。
- b. 正確で威厳のある言い方で再教育する。
- c. 合併症の怖さを強調する。
- d. 頻回受診してもらう。
- e. 入院治療を行う。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 68歳の男性。肺炎、高血圧症、2型糖尿病および高脂血症で1週前から入院中である。肺炎は軽快傾向であり、高血圧症は良好なコントロールが得られている。しかし、血糖値は空腹時血糖が148 mg/dl、HbA1cは6.5%(基準4.3~5.8)である。同級生が脳梗塞で同じ病院に入院し、半身不随になっていることを聞いたころから怒りっぽくなり、「看護師の採血が下手だ。」とか「受け持ちの研修医の点滴が下手だ。」などと言い出した。
- この患者への対応で最も適切なのはどれか。
- a. 抗菌薬の点滴投与を止めて経ロ薬に変える。
- b. 患者の怒りをなだめる。
- c. 患者の不安な気持ちを聞き出す。
- d. 受け持ち医を変更する。
- e. 他の病院へ紹介転院させる。
[正答]
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[★]
- 47歳の男性。健康診断で高脂血症を指摘され2か月前に来院した。現在食事療法のみで経過観察中である。2か月前は総コレステロール310 mg/dl、トリグリセライド262mg/dl (基準50~130)。1か月前は総コレステロール292mg/dl、トリグリセライド215mg/dl。今回は総コレステロール268mg/dl、トリグリセライド185mg/dlであった。
- 行動変容の観点から、適切でないのはどれか。
- a. 今後とも継続診療が必要であることを説明する。
- b. 患者に相応しい食事療法について話し合う。
- c. 次回に向けた行動目標を明確にする。
- d. データ改善に繋がった生活習慣の良い点を認める。
- e. 未だに基準範囲外にいる状態を指摘する。
[正答]
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[★]
- 英
- compliance
- 同
- 肺コンプライアンス lung compliance pulmonary compliance、静肺コンプライアンス static lung compliance(Cst)
- 肺の静止圧-容量曲線における傾き (SP.632)
- 肺の膨らみやすさを示す (SP.632)
- 圧力をP、体積をV、肺コンプライアンスC、で表せば
C=ΔV/ΔP
- 単位:l/cmH2O ← エラスタンスの逆。本によっては l/s/cmH2Oと書いてある
- 肺線維症など病的に肺が硬くなった場合→肺コンプライアンスC↓ (SP.632)
- 初期の肺気腫で弾性組織が破壊されて線維性組織に置換されていないとき→肺コンプライアンスC↑ (TP.354)
呼吸器全体のコンプライアンス
- 呼吸器全体のコンプライアンスCALL、肺のコンプライアンスCL、胸郭のコンプライアンスCWLとすると
1/CALL = 1/CL + 1/CWL
エラスタンス(弾性抵抗エラスタンス)との関係
E = 1/ C
- 英
- compliance
- 同
- 服薬忠実度、服薬遵守、服薬コンプライアンス、薬剤コンプライアンス
- 患者が医師の指示守って治療に協力するかどうかを表す用語。
- 内服薬を指示通りに服用しない場合は服薬コンプライアンスが悪いなどという。
- 服薬コンプライアンスに影響を与える要因:病識の有無、病気の認識(罹患状態への否認)、治療への理解、服用方法、副作用
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