卵管
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輸卵管 |
輸卵管(Fallopian tube)の位置
|
ニワトリの輸卵管
1 漏斗、2 筒部、3峡部、4 子宮、5膣(卵が入っている)
|
ラテン語 |
tuba uterina |
英語 |
Fallopian tube |
器官 |
女性器 |
動脈
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卵巣動脈
子宮動脈
|
輸卵管(ゆらんかん、Fallopian tube)または卵管(らんかん、oviduct)は、哺乳類や鳥類に存在する卵巣と子宮を結ぶ管。イタリアの解剖学者にちなんでファロピウス管とも呼ばれる。鳥類では通常左側のみが発達して、右側のものは退化する。その構造から卵管漏斗、卵管膨大部、卵管峡部に区別される。
目次
- 1 概要
- 2 鳥類の輸卵管
- 3 哺乳類の輸卵管
- 4 参考文献
- 5 関連項目
概要
卵管漏斗は漏斗状の構造をしており、卵巣からの卵細胞を収容する。卵管膨大部は卵管漏斗に続く太い管であり、精子と卵子が受精する場である。ここに到達した精子は数日間劣化せずに残留することが可能である。卵管峡部は卵管膨大部に続く細管であり、受精卵を子宮へ運ぶ。ほとんどの哺乳類は卵管峡部を通過するのに4〜5日かかり、着床までの初期胚の発生の場となる。卵管膨大部と卵管峡部は内輪走筋層と外縦走筋層の収縮による蠕動運動によって精子の運搬を行う。卵管の壁は粘膜、筋層、漿膜の3層からなり、粘膜上皮は単層円柱上皮である。
鳥類の輸卵管
鳥類の輸卵管は以下の部分に分かれる:
- 漏斗 - カラザを形成、受精の場
- 筒部 - 卵白を形成
- 峡部 - 卵殻膜を形成
- 子宮 - 卵殻を形成
- 膣 - クチクラ層を形成
哺乳類の輸卵管
爬虫類から進化した哺乳類では、輸卵管は卵管・子宮・膣へと進化しており、受精卵は体外へ排出されずに子宮へ留まる。従って哺乳類では輸卵管とはいわれない。
参考文献
- 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4-87362-113-5
関連項目
生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - 外陰部 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
|
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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Japanese Journal
- アカスジカスミカメStenotus rubrovittatus (Matsumura)(カメムシ目:カスミカメムシ科)の交尾による精包の形成および雄性生殖付属腺の形態変化
- 菅野 亘,渡邊 朋也
- 日本応用動物昆虫学会誌 55(3), 133-139, 2011
- … が球根状の精包であった.交尾後3日から7日までに,精包を保有する雌の割合が93%から30%に減少し,存在した精包の多くは頭部が収縮した杯状の精包であった.交尾後1~7日の雌では,96%以上の個体で側輸卵管内に精子が観察された.既交尾雌を70%エタノール水溶液に浸漬して,3~4週間保存した個体を用いた観察でも,雌生体を解剖した結果と同様に精包が存在した.雄の生殖器官の観察の結果,未交尾雄の生 …
- NAID 130000999696
- 井上 直和,岡部 勝
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 27(4), 183-190, 2010-10-01
- … 交尾後、子宮内に進入した精子のごく一部が輸卵管に移行する。 … その後、精子は輸卵管膨大部に存在する卵子に向かい、卵丘細胞層、透明帯を通過して受精に至る。 …
- NAID 10027595356
- 緑色蛍光を発する先体部分と赤色蛍光を発する尾部を持つトランスジェニック精子の作製と先体反応の輸卵管内におけるin vivoイメージング
- 蓮輪 英毅,室 悠子,伊川 正人 [他],KATO Noriko,TSUJIMOTO Yoshihide,OKABE Masaru
- Experimental animals 59(1), 105-107, 2010-01-01
- In the present paper, we introduce a transgenic mouse line whose sperm express green fluorescent protein (GFP) in their acrosome and red fluorescent protein (RFP) in their mitochondria [B6D2F1- Tg(CAG …
- NAID 10027852768
Related Links
- 詳細は卵管の項目にあります 輸卵管とは、卵管のこと。輸卵管という言葉は医学の分野ではあまり使われないが、生物学ではよく使われており、特に哺乳類以外の動物ではよく使われる。逆に、医学以外では卵管はあまり使われない。
- 輸卵管(ゆらんかん、Fallopian tube)または卵管(らんかん、oviduct)は、哺乳類や鳥類に存在する卵巣と子宮を結ぶ管。イタリアの解剖学者にちなんでファロピウス管とも呼ばれる。鳥類では通常左側のみが発達して、右側のものは退化 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- uterine tube (Z), oviduct
- ラ
- tuba uterina
- 同
- ファロピウス管 Fallopian管 Fallopian tube、輸卵管、ラッパ管
- 関
- 子宮
概念
- 卵巣から排卵された卵子を子宮に運ぶ環状臓器
- 長さ約10cm、太さ約8mm、1対の管。
女性性器の解剖
分類
- 外性器:外陰唇、内陰唇、陰核
- 内性器:子宮、付属器、膣
卵管の区分
卵管壁
- HIS.400
- 3層からなる
- 粘膜上皮:単層円柱上皮。ヒダを有する。分泌細胞と線毛細胞からなる。
- 1. 分泌細胞:(=無線毛細胞、小桿細胞)。この細胞の分泌液は精子に栄養を与え保護する。また、精子の受精能獲得にも関与しているといわれているが、不明。受精卵への栄養を与えることもある
- 2. 線毛細胞:分泌液、受精卵を子宮に向かわせるような方向に運動する。
卵管の検査
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道