- 英
- pollen、grass pollen
- 関
- 牧草花粉
WordNet
- the fine spores that contain male gametes and that are borne by an anther in a flowering plant
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- 花粉
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/22 01:08:37」(JST)
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花粉(かふん)とは、種子植物門の植物の花の雄蘂(おしべ)から出る粉状の細胞。花粉がめしべの先端(柱頭)につくことにより受粉が行われる。種子植物が有性生殖を行う際に必要となる。大きさは数10μmほどである。種により大きさは異なるが、同一種ではほぼ同じ大きさになる。
ラン科植物では花粉が塊になり、はなはだしい場合にはプラスチック片状にすらなる花粉塊を形成する。
花粉は一見では1個の細胞に見えるが共通の細胞壁内で細胞分裂が進んでおり、栄養細胞と生殖細胞が分化している。これはシダ植物の小胞子が発芽した雄性配偶体にあたるものである。
目次
- 1 花粉の媒介
- 2 花粉の形成
- 3 花粉の発芽
- 4 花粉の利用
- 5 脚注
- 6 参考資料
- 7 関連項目
花粉の媒介
裸子植物では、小型のガによって花粉が媒介されるグネツムなどごく一部を除き、花粉は通常風に飛ばされて他の花にたどりつく。これを風媒という。被子植物では、花が匂いや蜜などを出し、それを集めに来た昆虫によって運ばれる虫媒が発達する。花に花弁ができて、目立つ姿になるのも、昆虫の目を引くためと考えられる。他に、鳥媒花や、コウモリ媒花も存在する。こうした動物に依存する花粉媒介を行う植物は、ハチ、ハエ、チョウ、ガ、鳥、コウモリなどといった性質の異なる媒介動物ごとにまとまりの良い形質を共有する傾向があり、この形質の組み合わせを送粉シンドロームと呼ぶ。被子植物にも、風媒のものがあり、それらは地味な花を咲かせる。水生植物には水流で花粉を運ぶ水媒のものもあり、これも地味な花をつけるが、水中や水面で効果的に花粉を授受するのに適応した特殊な形態を持つことが多い。
花粉の形成
アマリリスのおしべ。葯において花粉が作り出される。
花粉は、雄しべの先端にある葯(やく)という袋の中で形成される。この内部には花粉母細胞があり、減数分裂によって、4個の細胞を形成する。1個の花粉母細胞から生じた4個の細胞をまとめて花粉四分子と呼び、個々の細胞は小胞子(または花粉細胞)と呼ぶ。成熟過程で、花粉四分子の4個の細胞は互いに離れ、それぞれが花粉となる。小胞子は体細胞分裂するため、成熟した花粉は花粉管細胞と雄原細胞の2個の細胞からなる。
裸子植物では細胞壁内に前葉体細胞と花粉管細胞、生殖細胞を生じる。被子植物ではまず花粉管核と雄原核に核の分裂が起きる。このとき細胞質の分裂も起き2つの細胞に分かれるが、雄原核をとりまく原形質は極めて薄い。細胞分裂後、雄原細胞は花粉管核を持つ細胞に取り込まれ、入れ子状態となる。雄原細胞は後に再度分裂して2個の生殖細胞となる。
花粉は細胞壁が厚くなり、形は種によって異なり、表面にはそれぞれの種で特有の構造を持つ。風媒花であるマツの花粉は、空気を受ける袋状の構造を持つ事で有名である。
花粉の発芽
様々な花粉の電子顕微鏡像(ヒマワリ、アサガオ、タチアオイ、ヤマユリ、ツキミソウ、ヒマ)
裸子植物では、花粉は胚珠の先端に分泌される液滴(受粉液)に付着して捕捉されると受粉液の吸収によって胚珠の内部に引き込まれ、発芽する。花粉が発芽後、成熟した花粉管になるまで数か月を要する。花粉が発芽するためのエネルギーは、花粉粒内に蓄えられている糖類が利用される[1]。
被子植物では、花粉はめしべの上で発芽して花粉管を形成し、直ちに胚珠内の卵細胞に接近する。さらに花粉管内の2個の生殖細胞によって重複受精と呼ぶ特殊な受精が起きる。花粉が付着するのは、通常めしべの先端にある柱頭という部位であり、胚殊はめしべの基部にある子房にあるから、花粉管は、めしべの長さ分は伸びる事になる。
被子植物では花粉管の中にわずかしか原形質を持たない生殖細胞(精核)が作られるのみで、それが卵細胞と接合する。裸子植物の生殖細胞は厚い原形質を持ち、なかでもイチョウやソテツ類では発達した精子となる。精子は球形に近く、らせん状に配列する多数の鞭毛を持つ。
花粉の利用
花粉を食物とする動物はいろいろあるが、人間が直接に花粉を集めて食料とした歴史はあまりない。ただし、ミツバチの集めたものを摂取するといった、間接的な利用は古くから行われた。人体の組織にとってきわめて重要ないくつかの酵素およびビタミンB2をはじめとする補酵素を含んでいる。 性ホルモンであるエストロゲンやアンドロゲンなどの多数の生理活性物質を含んでおり、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、亜鉛、リン、塩素、硫黄、シリコン(通常はシリカ・珪酸の状態で含まれる)といった主要ミネラル、およびクロムをはじめとするほかの多くの微量栄養素を含んでいる。
他方で、いくつかの種の花粉は、花粉症の原因となることも知られている。
化石
花粉は単純な構造しか持たないが、スポロポレニンという極めて化学的に安定な物質を含むため、微化石として残りやすい。古い時代のものでは、植物本体と花粉化石を関連付けるのは簡単ではないが、近い時代の植物は現在のものとほとんど変わらないので、花粉化石からその地域の植物相を知ることができ、過去の気候などの古環境を推測するなどといったことも行われる。
脚注
参考資料
- 日本花粉学会編『花粉学事典(初版)』朝倉書店、1994年。(新装版2008年 ISBN 978-4254171389)
関連項目
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- 学部・附属学校共同研究紀要 (39), 359-362, 2011-03-24
- … 近年, アレルギー性鼻炎を代表とする鼻咽腔疾患は, スギ花粉症の急増に伴い30%以上とも言われており, 今後も増加傾向がみられることから, 小児の鼻腔抵抗値に基準を設け, 鼻呼吸障害の重症度を診断することは, 成長発育の過程において重要であると思われる。 …
- NAID 120002949829
- 生物教材に関する基礎的研究 : デンプンの検出と花粉管の成長
- 土井 徹,古瀬 健太郎,秋山 哲,野添 生,竹下 俊治,富川 光,ドイ トオル,フルセ ケンタロウ,アキヤマ サトシ,ノゾエ ススム,タケシタ シュンジ,トミカワ コウ,Doi Toru,Furuse Kentaro,Akiyama Satoshi,Nozoe Susumu,Takeshita Shunji,Tomikawa Ko
- 学部・附属学校共同研究紀要 (39), 319-324, 2011-03-24
- … 今年度は花粉管の成長と葉のデンプン検出を容易に行うことができる植物について検討した。 … ②花粉管の成長観察はホウセンカが小学校での実施に適していると考えられる。 …
- NAID 120002949822
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 気管支喘息の特異的減感作療法薬
*治療用皮下エキス アカマツ花粉、ホウレン草花粉
- 気管支喘息・アレルギー性鼻炎の特異的減感作療法薬
*治療用皮下エキス ブタクサ花粉
販売名
- 治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」アカマツ花粉 1:100
組成
組成
- 本剤はアカマツ花粉を原料とし、50%グリセリン食塩溶液※で抽出して得たアレルゲンを含む液(1:20)をさらに50%グリセリン溶液で表示濃度に希釈したものである。(1:100)
※ : 50%グリセリン食塩溶液[濃グリセリン50%(W/W)、塩化ナトリウム5%(W/W)]
添加物
効能または効果
- 治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」アカマツ花粉1:100、1:1000、1:10,000:気管支喘息(減感作療法)
- 治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」ホウレン草花粉1:100:気管支喘息(減感作療法)
- 治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」ブタクサ花粉1:100、1:1,000、1:10,000:気管支喘息(減感作療法)、アレルギー性鼻炎
- 用法及び用量
- 皮膚反応で陽性の場合、通常1:100,000液0.02mLを初回量として皮下に注射し、 1週2回約50%ずつ増量し、0.5mLに至れば1:10,000液0.05mLにかえ、同様に増量しながら注射を続け、次第に高濃度の液とし、 1:20液0.5mLの維持量までに至らしめる。
但し、皮膚反応に応じ、初回の液の濃度及び量又は増量、投与間隔並びに維持量は適宜に定めうる。
- 患者の状態によっては過量投与になることがあるので、投与量、濃度、増量の割合、維持量等は個々の患者の症状を考慮して決定し、注意して投与すること。
製品のロット変更と投与濃度
- 減感作療法は長期にわたるため、同一ロットのアレルゲンエキスを使うことは困難である。エキスの力価は各ロットごとに常に一定の範囲内に保持されるように製造されているが、予期しない反応を避けるため、ロットが変わるときは、前回投与量の25〜50%を減ずることが好ましい。
なお、高濃度(1:100液以上)のアレルゲンエキスでは、同一ロットでも発作を誘発することがあるので、患者の容態を十分に観察した上で濃度を上げるような配慮が必要である。
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックを起こすことかあるので、観察を十分に行い、くしゃみ、蕁麻疹、血管浮腫、不快感、口内異常感、喘鳴、耳鳴等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
[★]
- 13歳の女子。呼吸困難を主訴に来院した。通学する中学校で体育大会に参加していた。午前11時ころ、次の競技に参加するため集合していたところ、目のチカチカ、流涙およびのどや鼻の痛みを自覚し、しばらくすると息苦しさを覚えたという。天気は晴れ。気温28℃、湿度55%。風は穏やかであった。意識は清明。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧102/72mmHg。呼吸数16/分。皮膚は軽度湿潤している。眼球結膜は充血している。咽頭には発赤がみられる。同様の症状を訴える生徒が他に数名いるという。
- 原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B040]←[国試_107]→[107B042]
[★]
- 英
- Japanese cedar pollinosis
- 商
- シダトレンスギ花粉
- 関
- 花粉、花粉症
[★]
- 関
- grass pollen
[★]
花粉、牧草花粉
- 関
- pollen
[★]
- 英
- grass pollen
- 関
- 花粉
[★]
会社名
鳥居
成分
スギ花粉
薬効分類
他のアレルギー用薬
薬効
スギ花粉症(減感作療法)
[★]
- 英
- Japanese cedar pollinosis
- 関
- Japanese cedar花粉症、鼻アレルギー
[★]
- 英
- cernitin pollen extract
- 関
- セルニチンポーレンエキス
[★]
- 関
- シラカバ、ハンノキ、花粉症
[★]
- 英
- birch pollinosis
- 関
- 花粉症