出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/09/29 15:09:01」(JST)
生物学的利用能(せいぶつがくてきりようのう、英:Bioavailability)またはバイオアベイラビリティとは、薬剤学において、服用した薬物が全身循環に到達する割合をあらわす定数である。定義上、薬物が静脈内に投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%となる。一方、薬物がそれ以外の経路(例えば経口摂取など)により投与される場合は、全身循環に到達するまでに不十分な吸収と初回通過効果を受けるため、そのバイオアベイラビリティは減少する事になる。静脈内投与以外の経路で投与する際、投薬量の計算にバイオアベイラビリティを考慮する必要がある事から、バイオアベイラビリティは薬物動態学において必須のツールである。
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バイオアベイラビリティFは、投与された薬物量DOSEのうち、未変化体のまま全身循環に到達した薬物量XBの割合である。
絶対的バイオアベイラビリティは、薬物を非静脈内投与(経口、直腸、経皮、皮下投与など)した後、体循環においても活性な薬物の割合を求めるものである。薬物動態学において、薬物の絶対的バイオアベイラビリティを決定するためには、静脈内投与(iv)、非静脈内投与いずれにおいても単位時間あたりの血漿薬物濃度の推移を取得する必要がある。絶対的バイオアベイラビリティは、一定量の薬物を非静脈内投与した場合に算出される濃度曲線下面積(AUC)を、同じ量で静脈内投与(iv)した場合に算出されるAUCで除すことにより求められる。たとえば、経口投与(po)される薬物の絶対的バイオアベイラビリティFを計算する場合、その式は下記となる。
したがって、一般的には静脈内投与される薬剤の絶対的バイオアベイラビリティは1であり、他の投与法では1未満となる。
相対的バイオアベイラビリティは、異なる投与経路においてその吸収性の違いを評価するために用いられるもので、その式は下記となる。
従って、対照となる投与経路が静脈内投与であれば、その値は絶対的バイオアベイラビリティとなる。また、相対的バイオアベイラビリティは、ある薬物の吸収性を対照薬の吸収性と比較する際にも用いられる。例えば後発医薬品においては、対象となる先発医薬品を対照薬とした相対的バイオアベイラビリティが、生物学的同等性を評価するために用いられる。
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