出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/06 12:27:20」(JST)
この項目では、社会的・歴史的・宗教的・医学的・生物学的概念としての強姦について説明しています。犯罪としての強姦とその処罰に関する法学的な説明については「強姦罪」をご覧ください。 |
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性的暴行 | |
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分類及び外部参照情報 | |
ルクレーティアの凌辱(ティツィアーノ画、1571年)
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ICD-9 | E960.1 |
MedlinePlus | 001955 |
eMedicine | article/806120 |
MeSH | D011902 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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強姦(ごうかん、英: rape レイプ)とは、相手の意志に逆らい、強要するかたちで性行為を行うこと。
「強かん」[注 1] 「性的暴行」とも。
強姦とは、相手の意志に逆らい強要して性行為を行うことである。相手が性行為をすることを嫌がっている状態なのに、相手の意志を汲まず強引に性行為を行うことである。
強姦の被害者は医療機関ですみやかに受診し、外傷や性感染症およびその他の感染症のチェックを受ける必要がある。告訴するなら医師の証言は重要となる。妊娠の心配がある場合はモーニングアフターピルの服用についても相談する。[要出典]不幸にも妊娠してしまった場合には母体保護法14条1項第2号により妊娠中絶が認められている。被害者が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を経験する場合も多く、産婦人科での内診も被害に遭ったことが原因でフラッシュバックを起こして、内診が出来ない人もいる。[要出典]
被害者が女性の場合、警察の性犯罪相談窓口や救援団体などに相談すれば、女性の職員による具体的なアドバイスを得ることができる(#外部リンク参照)。だが、被害者が男性の場合、警察職員は(男性警察官であれ女性警察官であれ)、非常に横柄な態度をとったり、偏見でしかものごとを見ず、被害者の立場を全然理解しないことのほうが多く、被害者は より苦境に立たされてしまう場合も多い。[要出典]
基本的には、女性が被害者である割合が多い。ただし、男性が被害者になった場合、男性被害者は(非常にマイノリティ的な状態になってしまうので)躊躇して(警察などの)公的機関に届け出を行わない場合がほとんどで、うまく統計的に把握できていないことには注意する必要がある。
たとえば、学校など(中学校、高校など)では、女性教師が その立場を利用(悪用)して、男子生徒を誘い出し、生徒が嫌がっているにもかかわらず、服を脱がしたり性行為を行うような事件は、実は、ある程度の頻度で起きている。そもそも女性教員はずる賢くて 事件の隠ぺいが巧みなことが多いのだが、事件が発覚した場合でも、学校幹部(校長・教頭など)が生徒の将来などを考慮してそれを公表せず、陰で事件の処理をする(表向きは別の口実を設けて 女性教師の配置転換・免職などを行う)のが一般的なので、公式の統計に数字として現れない。多くの文化で「女性が暴行を行う側になるわけがない」などといった、根拠の無い神話が信じられていることが一般的であり、それが問題を複雑化させている。「女性による性的虐待」の記事も参照。[要出典]
2007年の調査では未成年者による強姦事件は、韓国での人口10万人あたりの10代の強姦犯は米国の2倍・日本の10倍となっており、50.7%が輪姦事件となっている。また、3人に1人が再犯を犯している。平和な社会でも起訴率が27.3%と低いことが事件を引き起こすと指摘されている[1]。
日本における平成21年(2009年)の強姦事件の認知件数は1,402件である[2]。この認知件数は、昭和39年(1964年)に6,857件と戦後最多を記録した後、長期減少傾向を経て横ばい傾向にあった[3]。近年では、平成9年(1997年)から15年(2003年)にかけて増加傾向にあったが、16年(2004年)から再び減少傾向に転じている[2]。日本の人口10万人あたりの強姦の発生件数は1.2で、アメリカ合衆国37.0で日本の30倍[4]である。ただし強姦罪の定義は国によって大きく異なる点もあるため、一概に件数を比較できるわけでは無い。
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メディアでは婉曲のため、「乱暴」などとぼかした言い方がよくなされ、被害者が児童・小児の場合は「いたずら」とも言われる。「暴行」の語も使用されるが、この語は性的側面を伴わない暴力行為に使われることも多いので注意を要する。
また週刊誌や小説などでは凌辱(陵辱)や英語のレイプ(rape)という表現が用いられることもある。
「強姦」という語が本来もつ意味は「双方の合意なしに行われる姦通」であるが、現在は広く相手の合意なしに行われる性行為一般を指す場合がほとんどである(夫婦間であっても強姦罪は成立する)。
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性的暴力は、少数民族や奴隷、先住民、難民、貧困層また大規模災害などによって生まれた社会的弱者に対して行われたり、刑務所や収容所内、そして戦時下においてしばしば行われてきた。内乱や戦時下では大規模な集団レイプもしばしば発生する(戦時性暴力)。また、非戦時下においても、権力者による性の専横、例として西欧領主の初夜権などがある。
古来、征服された民族の女性の運命は過酷であった。最も有名なのはモンゴル帝国の創始者チンギス・ハーンとその係累・後裔であろう。モンゴル帝国による降伏勧告を受け入れず抵抗の後征服された都市はことごとく破壊・略奪・殺戮され、女性も戦利品として王侯・軍隊などの権力者以下にあてがわれた。また、これに先立つ遊牧騎馬民族王朝の金は、北宋を滅ぼした際(靖康の変)、北宋の皇族女性全てと、多くの貴族女性を捕え、これを金皇族・貴族の妾または彼らを客とする官設妓楼(洗衣院)の娼婦にした。世界各地の男性のY染色体を調べた結果、かつてのモンゴル帝国の版図に高率で共通の染色体が検出されたという話さえある(ブライアン・サイクス著『アダムの呪い』参照)
近代~現代も、戦時下において各国軍隊による敵国女性へのレイプが少なからず発生した。第一次世界大戦以降ではアメリカ、ソ連、ドイツ、日本、中国による大規模な強姦があったとされる。終戦直後は、被占領地域において、戦勝国、特にソ連軍や朝鮮人による日本人女性やドイツ人女性へのレイプが多発したという。ドイツにおいては、国土にソ連軍が侵入し、都市においては4分の1の女性がこの被害に遭ったとされる[5]。朝鮮半島においては、朝鮮人やソ連兵、中国人による日本人女性(引揚者)へのレイプ被害が多発した。このような引揚者への堕胎手術や性病の治療を行った二日市保養所が有名である[6]また日本においては、戦後一貫して在日米軍に所属する将兵による強姦事件が問題となり続けている。沖縄県では1972年の本土復帰以降、明るみに出ているだけで120件以上の強姦事件が発生し、特に1995年の沖縄米兵少女暴行事件は大きく取り上げられた。ベトナム戦争中、韓国軍兵士によるベトナム人女性の強姦が多発し、混血児も多数存在している→ライ大韓。[要出典]
1990年、イラク軍によるクウェート侵攻後にクウェート国際空港に到着した航空機の乗員に対して強姦が行われたことや(ブリティッシュエアウェイズ149便乗員拉致事件)、1991年から2001年まで及んだ一連のユーゴスラビア紛争では、異民族や、同じ民族でも政治的に敵対する立場にあった女性への強姦が横行したこと、1994年ルワンダではフツ族の武装勢力によるツチ族女性や虐殺への加担を拒んだ女性への強姦など、[要出典]戦時下レイプの例は歴史上現在に至るまで枚挙に暇がない。
米国はアブグレイブ刑務所に多数のアラブ人を強制的に収容し暴行を重ねていることが明らかになっているが、そこで米国の女性兵士がアラブ男性をレイプする事件、さまざまな侮辱を加えたうえで 裸にし 性交を強要するという事件も2003年に起こしていたことが、『タイム』誌の報道などで明らかになった。また、同刑務所では、この事件だけでなく、男性兵士・女性兵士などが、アラブ人男性を裸にし、性器にいたずらをするような行為が、かなり頻繁に行われていたことが明らかになっている。(アブグレイブ刑務所における捕虜虐待)
2009年現在の南アフリカ共和国では男性の27.6%が女性をレイプした経験があるとする調査結果を南アフリカ共和国の医学研究評議会(MRC)によって明らかにされている[7]。調査は全国9州のうちクワズールー・ナタール、東ケープの2州で行われたものである[7]。
アメリカでは強姦する側の半数以上が若い年齢層であるという統計もある[8]し、強姦する側が貧民層であるというのは、ある種の差別的な幻想である。社会的地位の低さによって満足な性生活が送れない、あるいは失う物が少ないなどの理由で犯行に及ぶ場合もないわけではない。これは性犯罪に限らず多くの逸脱行為に共通する統計的な傾向であり[要出典]、特に貧困と強姦を結びつける根拠としては説得力に欠ける。しかし、富裕層の強姦事件も決して少なくなく、社会的地位と強姦についての因果関係に結論は出ていない。
強姦は一般に見知らぬ他人が加害者であるイメージがあるが、犯罪白書によれば70%が見知らぬ人による犯罪で、知人による犯行は20%程度である。これをもとに判断すれば他人が加害者であるというイメージは、ある程度の妥当性を持っていることとなる。一方、香港における女性への性的暴行においては約8割のケースで親族や知り合いが加害者になっているとの報告もある[9]。相手が旧知の間柄である場合、「強姦」として報告されない事例があるためにこのような差が生まれるとも考えられる。
ラディカル・フェミニズムでは、男性による女性に対する性的な支配が、男性社会を維持する仕組みとして使われてきた側面があるとする社会学的見方が主張されている。
レイプが男性の性欲に強く依存することに基づいて、抗アンドロゲン剤を投薬、あるいは注射により、性犯罪者の更生を図る試みも、アメリカなど一部の国で行われている。しかし、これはまた別の人権論争を巻き起こしている。
一般には「強姦を行う者は単に性的欲求が強すぎる人間である」とする解釈が行われるが、心理学的には実際に強姦を行う者の目的は性的欲求の解放ではなく、強姦時に相手の女性を支配する満足感を得ることにあるとされている。[要出典]
強姦を犯す人は、強姦を繰り返したり刑務所で服役後も再度同じ罪を犯す者が多い。このことから、強姦での服役者については、刑期終了後もなんらかの監視を続けるべきとの議論が起こる場合がある。ただし、再犯者が多いこと自体は他の犯罪についても言えることである。強姦が他種の犯罪に比べ有意に再犯比率が高いのかどうか、あるいは、差異がみられるととしてもそのような特例的措置をとることを正当化できるほどの違いなのかどうか、については議論がある。[要出典]
20世紀以降、北欧などの民主主義的国々において性犯罪者に対し、強制断種が合法的に実施された。1907年から1963年の間に米国において優生学を根拠とする優生法のもと6万4千人が強制的に断種手術を受けさせられた(特に、1920年代から40年代にかけて大いに優生学が喧伝された)。1933年、ドイツにおいて、遺伝的かつ矯正不能のアルコール依存症患者、性犯罪者、精神障害者、そして子孫に遺伝する治療不能の疾病に苦しむ患者に対する強制断種を可能とする法律が立法化され、ナチスドイツは、精神的または肉体的に「不適格」と判断された数十万の人々に対して強制断種を行い、また、強制的安楽死計画によって施設に収容されていた数万の人々を殺害した(T4作戦)。同様に、優生学にもとづき、カナダ・オーストラリア・ノルウェー・フィンランド・デンマーク・エストニア・スイス・アイスランドで政府が知的障害者であると認定した人々に対して強制断種が行われ、スウェーデン政府は40年の間に優生計画の一環として6万2千人の「不適格者」に対する強制断種を実行している。デンマークの「全国女性会議」は1920年代に男性の性犯罪者から女性を守るために性犯罪者に対する去勢手術を合法化する必要があると運動を展開し、フェミニスト達の解釈による政治的運動が法的に反映された[10]。
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法律上の扱いの詳細は 強姦罪 を参照のこと。
現在の日本の国内法においては、暴行または脅迫を用いて行われる、直接的な性交(陰茎の膣挿入)を伴う性的暴力に限られる(射精の有無は不問)。被害者が女性の場合にのみ成立し、被害者が男性の場合は強制わいせつ罪などが適用される。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律により戸籍上の性別を変更をした者においては、民法その他の法令の適用について、他の性別に変わったものとみなされる。強姦罪の適用については、性別の取扱いの変更をし、女子と見なされた者は、強姦罪の客体たり得る[11]。また、男子と見なされた者は強姦罪の主体たり得る[11]。
韓国では未成年者の起訴率が27%と低い[12]。密陽女子中学生集団性暴行事件のような集団輪姦強盗事件でさえ、起訴にいたっても加害者が未成年という理由で有罪とならず、または微罪ですまされることが多く、さらに加害者および家族による逆恨みで被害者の個人情報をバラ撒き、転居先にまでつきまとう事件まで起きている[13][14][15]。 このことから、韓国では強姦が深刻な社会問題となっている[16]。
強姦の定義は国などによって異なる。アメリカでは、互いの合意のない性行為の強要は恋人間(デートレイプ)や夫婦間(マリタル・レイプ)でも強姦と見なされ、刑事罰の対象となるという判例が定着している[17][18]。さらに米法務省は2012年1月7日にFBIの「強姦」の定義を拡大することを明らかにした[19]。
アメリカの司法省によれば、2010年に発生した強姦件数は18万8380人となっているが、これは氷山の一角との指摘もある。疾病予防管理センターによれば、全米で無作為抽出した約1万人の女性に電話アンケートを行ったところ、18.3%が「強姦されたことがある」または「強姦されそうになったことがある」と回答し、また加害者との間柄については、被害を受けたと回答した女性の過半数を占める51.1%が、「親密なパートナー(現在・過去の恋人や配偶者)」と回答した。次いで多かったのが「知人」(40.8%)だった。
2014年、アメリカ保健福祉省に属する疾病管理予防センターによれば、アメリカに住む女性のほぼ5人に1人がレイプ被害者であり、その数は2300万人超だという。[20]。
米産婦人科学会誌の1996年の研究によれば、こうしてレイプされた女性が妊娠してしまう確率は5%に上り、毎年、推定3万2101件のレイプによる妊娠があるという。また、キリスト教の影響が強いアメリカでは、人工妊娠中絶が選挙の争点の一つになるなど、多大な関心がある。レイプ被害者の人工妊娠中絶も絶対禁止とする中絶反対派がアメリカには数多く、問題が複雑化している[21]。
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リンク元 | 「心神喪失者等医療観察法」「rape」 |
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(しんしんそうしつとうのじょうたいでじゅうだいなたがいこういをおこなったもののいりょうおよびかんさつとうにかんするほうりつ)は、日本の法律。制定は2003年(平成15年)、施行は2005年。
検察官は、以下の場合は、明らかに医療を受けさせる必要がない場合を除いて、申立てをしなければならない。
裁判所での手続は、裁判官と精神保健審判員(精神医療の学識経験者)各1名の合議体で取り扱う(11条)。対象者には、弁護士である付添人が必ず付けられる(35条)。
裁判所は、申立てがあった場合、明らかに医療を受けさせる必要がない場合を除き、鑑定や医療観察のための入院を命じなければならない(34条、鑑定入院命令)。そして、裁判所は、明らかに不要な場合を除き、医療を受けさせるために必要か否かを鑑定しなければならない(37条)。
裁判所は、対象者に、対象行為を行ったこと、心神喪失者ないし心神耗弱者であること、対象行為を行った際の精神障害を改善しこれに伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するため医療を受けさせる必要性があることのいずれもが認められれば、入院決定、通院決定を行い、そうでない場合は医療を行わない決定を行う(42条1項)。このほか、対象行為を行っていない場合、心神喪失者や心神耗弱者ではない場合、申立て自体が不適法である場合は、却下決定がなされる(40条、42条2項)。決定の裁判は、合議体2名の一致により行われる(14条)。
処遇は、入院と通院に分けられており、保護観察所に配置された社会復帰調整官(精神保健福祉士)を中心に、医療観察を行う枠組みがつくられた。ただ、この制度によっても、精神障害者の犯罪では、十分に責任能力が検討されないままであるという問題が本質的に解決されたわけではない。また精神障害者が裁判を受ける権利(訴訟事実について争う権利)を奪うものだとの批判もある。
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