ラモセトロン
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ラモセトロン
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IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
(1-methylindol-3-yl)-[(5R)-4,5,6,7-tetrahydro- 3H-benzimidazol-5-yl]methanone
|
臨床データ |
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
半減期 |
5.8 時間 |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
132907-72-3 |
ATCコード |
none |
PubChem |
CID: 108000 |
IUPHAR/BPS |
2301 |
ChemSpider |
97112 |
UNII |
7ZRO0SC54Y |
ChEMBL |
CHEMBL1643895 |
化学的データ |
化学式 |
C17H17N3O |
分子量 |
279.33 g/mol |
SMILES
-
CN1C=C(C2=CC=CC=C21)C(=O)[C@@H]3CCC4=C(C3)NC=N4
|
InChI
-
InChI=1S/C17H17N3O/c1-20-9-13(12-4-2-3-5-16(12)20)17(21)11-6-7-14-15(8-11)19-10-18-14/h2-5,9-11H,6-8H2,1H3,(H,18,19)/t11-/m1/s1
-
Key:NTHPAPBPFQJABD-LLVKDONJSA-N
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ラモセトロン(Ramosetron)とは悪心や嘔吐の治療に用いられるセロトニン5-HT3受容体拮抗薬[1]の一つである。
塩酸塩
ラモセトロン塩酸塩 (ラモセトロンえんさんえん、ramosetron hydrochloride) は、セロトニン5-HT3受容体拮抗剤 (5-HT3 antagonist) 。分子式は C17H17N3O•HCl。外見は白色または微帯黄色の結晶。
日本や一部の東南アジアでのみ認可されている。日本ではアステラス製薬から制吐薬ナゼア (Nasea)、下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー®(Irribow)として製造販売されている[2]。
ナゼア
- 効能又は効果
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)[3][4]
- 用量・用法
通常成人には、0.3mgを1日1回静脈内投与又は1日1回0.1mgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。
- 種類
OD錠0.1mg、注射液0.3mg
- 副作用
市販後の調査での副作用発現率は7%前後であった。重大な副作用はショック、アナフィラキシー様症状とされている。
イリボー
イリボー 5µg錠剤 (アステラス製薬製、日本国内版)
- 効能又は効果
下痢型過敏性腸症候群[5][6]
- 用量・用法
通常男性には、1日1回5µgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、1日量は10µgを限度とする。
通常女性には、1日1回2.5µgを経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、1日量は5µgを限度とする。
- 同一用量では女性でのCmaxとAUC(英語版)は男性に比べて1.5倍と1.7倍となり有害事象が多い傾向が見られたので、臨床試験を再試行して用量が半量に設定された[7]。
- 種類
錠剤:2.5µg、5µg
- 副作用
市販後の調査での副作用発現率は4.7%であった。重大な副作用はショック、アナフィラキシー様症状、虚血性大腸炎、重篤な便秘とされている。
- 海外で類薬に因る重篤便秘とその合併症(腸閉塞、イレウス、宿便、中毒性巨大結腸、続発性腸虚血、腸管穿孔)が発生しており、死亡例も有る[5][6]。
脚注
- ^ Fujii Y, Saitoh Y, Tanaka H, Toyooka H (February 2000). “Ramosetron for preventing postoperative nausea and vomiting in women undergoing gynecological surgery”. Anesth. Analg. 90 (2): 472–5. PMID 10648342. http://www.anesthesia-analgesia.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=10648342.
- ^ All About プロファイル アステラス製薬が「イリボー錠」の承認取得
- ^ “ナゼアOD錠0.1mg 添付文書” (2014年7月). 2016年4月13日閲覧。
- ^ “ナゼア注射液0.3mg 添付文書” (2015年10月). 2016年4月13日閲覧。
- ^ a b “イリボー錠2.5μg/イリボー錠5μg 添付文書” (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。
- ^ a b “イリボーOD錠2.5μg/イリボーOD錠5μg 添付文書” (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。
- ^ “イリボーOD錠2.5μg/イリボーOD錠5μg/イリボー錠2.5μg/イリボー錠5μg インタビューフォーム”. アステラス製薬 (2015年5月). 2016年4月13日閲覧。
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Japanese Journal
- 症例 肺癌化学療法時の制吐管理が塩酸グラニセトロンよりも塩酸ラモセトロンの方が有効であった1例
- 塩酸ラモセトロン(ナゼア注射液)の市販後における安全性と有効性--使用成績調査結果より
Related Links
- る塩酸ラモセトロンを下痢型 IBS 治療薬として開. 発するため、以下に示す各種薬理 試験を実施した。 ■ 塩酸ラモセトロンの薬理学的特徴. 1. 5-HT3 受容体に対する親和 性、選択性及び拮抗作用. ●塩酸ラモセトロンはヒト及びラット 5-HT3 受容 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラモセトロン塩酸塩注射液0.3mg「マイラン」
組成
容量
成分・含量(1管中)
添加物
- 塩化ナトリウム 18mg
乳酸 2.26mg
pH調節剤 適量
禁忌
効能または効果
- 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
- 通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。
ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー様症状:
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 5-HT3受容体拮抗剤は消化管の求心性腹部迷走神経末端に存在する5-HT3受容体に、抗悪性腫瘍剤の投与により小腸粘膜の内分泌細胞から放出されたセロトニン結合を選択的に阻害し、また、CTZ(化学受容器引き金帯)の5-HT3受容体を遮断し、嘔吐を予防する。ステロイドとの併用では強力な制吐作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 本品は白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
本品は水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)にやや溶けやすく、アセトニトリル又は無水酢酸に極めて溶けにくく、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
本品は光により変化する。
融点を測定するとき、本品は243℃付近から融け始め、270〜280℃で褐色の澄明な液となる。
★リンクテーブル★
[★]
ラモセトロン。塩酸ラモセトロン
[★]
- 英
- ramosetron
- 化
- 塩酸ラモセトロン ラモセトロン塩酸塩 ramosetron hydrochloride
- 商
- ナゼア、イリボー
- 関
- 制吐薬。その他の消化器官用薬
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関