- 英
- suppository
- 関
- 坐薬、腟坐薬
WordNet
- a small plug of medication designed for insertion into the rectum or vagina where it melts
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- 座薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/17 12:26:59」(JST)
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座薬・坐剤(ざやく、ざざい、Suppositories)とは、医薬品を基剤に均等に混和して一定の形状に成型して、肛門または膣に適用する半固形の外用剤で、体温により溶けるか、軟化するか、又は分泌液で徐々に溶けるもしくは分散されるものと定義されている。肛門や膣に挿入して用いる医薬品の製剤である。 通常、油脂性基剤、親水性基剤を基剤とし、必要ならば乳化剤、懸濁化剤などを加え、これに有効成分を加え、混和して均等にした後、適当な形状に固化・成形する。溶解法、冷圧法、手工法によって調製される。
座剤と書かれることもあるが、「座」の本来の字義は座る場所であり、公式には座る動作を示す「坐」の文字を使うが、常用漢字表に掲載されていないため「座」も広く使われている。一般的には坐薬とも言われる。英単語のSuppositorieは、下に (sup) 置く (positoria) という言葉から来ている。
目次
- 1 種類
- 1.1 適用部位による分類
- 1.2 基剤による分類
- 2 全身用坐剤
- 3 類似の製剤
- 4 脚注
- 5 関連項目
種類
適用部位による分類
- 肛門坐剤
- 痔疾用など局所作用を目的するものと、解熱鎮痛消炎剤のように全身作用を目的とするものがある。形状は、挿入しやすい紡錘形のものが多く、重量1~3g、長さ3~4cmほどである。
- 膣坐剤
- トリコモナスやカンジダ症の治療など局所効果を目的とするものと、プロゲステロンなどの経口投与では分解されやすい黄体ホルモン製剤がある。形状は、過去には卵形の大きなものもあったが、現在流通しているものは肛門坐剤と変わらない形状のものが多い。
- 尿道坐剤
- 尿道に使う細い棒状の坐剤があったが現在は流通していない。
基剤による分類
基剤には、常温では固体であって、直腸内などで速やかに融解し、有効成分を放出するものが求められる。また、適用部位への刺激がないこと、アレルゲンとならないことも重要である。
- 疎水性基剤(油脂性基剤)
- 体温で10分程度で融解するもので、主にカカオ脂、ウイテプゾール、ハードファットなどが用いられる。基剤による粘膜保護効果も期待でき、主に局所用に用いられる。本基剤を用いたものは、夏期の高温時には軟化したり酸敗したりするので冷暗所に保存する必要がある。有効成分は水溶性で、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー)、インドメタシン(インテバン)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、など。
- 親水性基剤((水溶性基剤)
- 体液を吸収して溶解するもの。このため疎水性基剤より速やかに有効成分を放出することができ、主に全身用の坐薬に用いられる。また、疎水性基剤より融点の高いものが使われるため、冷所保存の必要がない。主にポリエチレングリコール(マクロゴール、カーボワックス)やグリセロゼラチンが用いられる。また、疎水性基剤と乳化したものが用いられることもある。有効成分は脂溶性で、ジアゼパム(ダイアップ)、ドンペリドン(ナウゼリン)など。
- 2剤以上を併用する場合の注意
- 脂溶性の有効成分の吸収が妨げられるため、水溶性基剤の坐剤を先に挿入し、少なくとも30分以上空けてから、油脂性基剤の坐剤を挿入すべきである[1]。
全身用坐剤
肛門坐剤の中には、全身作用を目的とするものがある。 坐剤を用いる利点としては次のようなことがあげられる。
- 直腸下部から吸収された場合、門脈を通らずに全身血流にはいるため、肝臓の代謝の影響を受けることが少なく(初回通過効果を受けない)、薬効発現時間も速い。
- 消化管を通過しないため、消化酵素や腸内細菌の影響を受けることが少ない。
- 胃腸を直接刺激しないので胃腸障害が少ない。食事の影響を受けず、いつでも利用できる。
- 乳幼児や、嚥下障害のある者、痙攣や嘔吐を起こしている患者など、経口投与が困難な者にも投与できる。
- 味や臭いが気にならない。
類似の製剤
脚注
関連項目
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Japanese Journal
- 嘔吐を伴う小児の胃腸炎における五苓散坐剤の有効性に関する検討
- 眞喜志 牧里子,浅井 大介,澤田 真嗣,西村 暢子,岡橋 孝侍,藤田 敦夫,村木 優一,友金 幹視
- 日本病院薬剤師会雑誌 = Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists 55(2), 183-187, 2019-02
- NAID 40021798277
- 潰瘍性大腸炎に併発した直腸の側方発育型腫瘍に対し内視鏡的粘膜下層剥離術を行った1例
- 澁川 成弘,大内 祥平,若松 周司,若原 佑平,金子 晃
- 日本消化器病学会雑誌 116(1), 64-70, 2019
- … <p>症例は60歳代,男性.水様性下痢が持続するため当科紹介となり,下部消化管内視鏡検査(CS)を行い左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)と診断した.その際に上部直腸に30mm大の側方発育型腫瘍を認めたため,5-アミノサリチル酸の内服,坐剤で寛解導入を行い,CSで粘膜治癒を確認した上で内視鏡的粘膜下層剥離術を行った.最終病理組織診断結果は,UCに併発したsporadicな高異型度管状腺腫であった.</p> …
- NAID 130007554908
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- 注入軟膏や坐剤は、排便後に肛門を洗うなどして清潔な状態にしてから使用します。 注入軟膏の上手な使い方や坐剤の簡単な入れ方を紹介します。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1個中)
添加物
禁忌
- 急性腹症が疑われる患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
- 痙攣性便秘の患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
- 重症の硬結便のある患者[蠕動運動の促進及び排便反射の刺激作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
- 肛門裂創、潰瘍性痔核のある患者[坐剤挿入に伴う物理的、機械的な刺激を避けるため。]
効能または効果
- 便秘症
- 消化管検査時又は手術前後における腸管内容物の排除
- ビサコジルとして、通常1回、乳幼児は2mgを、1日1〜2回肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
- 刺激性の緩下作用を示す。結腸・直腸粘膜の副交感神経末端に作用して蠕動をたかめ、また腸粘膜への直接作用により排便反射を刺激する。栄養の吸収を妨害しない。結腸腔内における水分や電解質の吸収を抑制するが、これは腸管のNa+、K+-ATPaseの抑制作用によると考えられている。直腸坐剤とすれば15〜60分以内に作用が現れ、効力はフェノールフタレインの約5倍強力である。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 4,4'-(Pyridin-2-ylmethylene) bis (phenyl acetate)
分子式
分子量
融点
性状
- ビサコジルは白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
★リンクテーブル★
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- 英
- vaginal suppository、pessary、ovulum
- 関
- 坐剤、ペッサリー、膣坐薬、腟坐剤、膣坐剤
[★]
- 関
- vaginal suppository
[★]
- 英
- suppository
- 関
- 坐剤
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- vaginal suppository
- 関
- 腟坐薬、膣坐薬、膣坐剤
[★]
- 英
- vaginal suppository
- 関
- 腟坐薬、膣坐薬、腟坐剤
[★]
- 英
- drug、agent
- 関
- 薬、作用薬、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品