出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/24 05:00:04」(JST)
光栄養生物(ひかりえいようせいぶつ Phototroph)は、(広義の)光合成を通じてエネルギーを獲得する生物である。光合成生物とも言う[1]。太陽光のエネルギーを使って二酸化炭素と水を有機物に変換し、同化や呼吸などの細胞活動に利用する。
ほとんどの光栄養生物は独立栄養生物であり、光独立栄養生物(photoautotroph)と言われる。光独立栄養生物は炭素固定の能力を持つ。これは化学合成独立栄養生物(chemoautotroph)に対応する。これは周囲の物質(電子供与体)を酸化することによりエネルギーを得る生物である。独立栄養生物ではない光栄養生物は光従属栄養生物(photoheterotroph)である。これは光リン酸化(en:Photophosphorylation)によりATPを生成してエネルギーを得るが、体の構成のために有機化合物を利用する[2]。光独立栄養生物はしばしば完全植物性栄養(holophytic)であると言われる[3]。
生態学的な役割としてみると、光栄養生物は(化学合成独立栄養生物などを除いて)他の形態の生物に栄養を供給する。陸上の光栄養生物は植物が支配的であり、水中では藻類や、ミドリムシなどの単細胞生物、シアノバクテリアなどの光合成を行うバクテリアなどがある。
光合成反応で生成される物質の一つにデンプンがある。これは炭素を貯蔵し、光の量が不十分な時に使われる。
光合成を行う細菌はバクテリオクロロフィルを持つ。光合成細菌は沼や池にいて、化学反応に使用する水素を、水ではなく、硫化水素から得る。このとき酸素は発生しない。(バクテリオクロロフィルは、通常の葉緑素が利用できない、紫外線や赤外線の波長の光を吸収する)。
シアノバクテリアは淡水、海洋、土壌中、もしくは地衣類として存在し、植物と同様の酸素発生型の光合成を行う。
光合成無機栄養独立栄養生物(photolithotrophic autotroph)は、光のエネルギーと、無機物の電子供与体(en:Electron donor)(H2O, H2, H2S など)と、CO2を使って、炭素固定を行う。たとえば植物がそれである。
水中で、光合成を行えるだけの光が届く範囲は、(狭義の)有光層と言われる。
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