エナラプリル
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Japanese Journal
- アンギオテンシン転換酵素阻害薬(マレイン酸エナラプリル)が原因と考えられた血管性浮腫の1例
- 長島 真由美,藤村 奈緒,松山 阿美子,伊藤 彩,中村 和子,廣門 未知子,蒲原 毅,池澤 善郎
- Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 4(4), 220-224, 2010-10-31
- NAID 10027572266
- 症例 マレイン酸エナラプリル(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)内服により発作が誘発された血管性浮腫の1例
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エナラプリルマレイン酸塩錠5mg「オーハラ」
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖水和物、アルファー化デンプン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、部分アルファー化デンプン、硬化油
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者 (アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等) 〔高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。〕
- デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
- アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)〕
効能または効果
- 本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧
- 下記の状態で、ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合
慢性心不全(軽症〜中等症)
高血圧症
- 通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、腎性・腎血管性高血圧症又は悪性高血圧の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
通常、生後1ヵ月以上の小児には、エナラプリルマレイン酸塩として0.08mg/kgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慢性心不全(軽症〜中等症)
通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、腎障害を伴う患者又は利尿剤投与中の患者では2.5mg(初回量)から投与を開始することが望ましい。
- 重篤な腎機能障害のある患者〔本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化が起きるおそれがあるので、クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか、もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。〕
- 小児等に投与する場合には、1日10mgを超えないこと。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 高カリウム血症の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 重篤な腎機能障害のある患者〔〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照〕
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
重大な副作用
血管浮腫
(頻度不明)
- 呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行うこと。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック
(頻度不明)
- ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、狭心症
(頻度不明)
- 心筋梗塞、狭心症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
急性腎不全
(頻度不明)
- 定期的に検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。
汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少
(頻度不明)
- 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
膵炎
(頻度不明)
- 血中のアミラーゼ、リパーゼの上昇等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。
剥脱性皮膚炎、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡
(頻度不明)
- 剥脱性皮膚炎、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
錯乱
(頻度不明)
- 錯乱があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
肝機能障害、肝不全
(頻度不明)
- 肝機能障害、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
高カリウム血症
(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH)
(頻度不明)
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH) があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- エナラプリルマレイン酸塩はプロドラッグであり、経口投与後加水分解によりジアシド体(エナラプリラート)となりこれがアンジオテンシン変換酵素を阻害する。これにより生理活性のないアンジオテンシンIから強い血圧上昇作用を有するアンジオテンシンIIへの変化が阻害されるので血圧が下がる。尚、アンジオテンシン変換酵素はキニナーゼIIと同一の酵素であり、変換酵素阻害薬は血管拡張物質ブラジキニンの分解を抑制する。これによるブラジキニンの増加は、血圧降下に関与すると共に、副作用である咳にも関与すると考えられる3)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- エナラプリルマレイン酸塩 (Enalapril Maleate)
化学名:
- (2S )-1-{(2S )-2-[(1S )-1-Ethoxycarbonyl-3-phenylpropylamino]propanoyl}pyrrolidine-2-carboxylic acid monomaleate
- 約145℃ (分解)
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