- 英
- bezafibrate
- 商
- アニベソール、ベザスター、ベザテート、ベザトール、ベザリップ、ベザレックス、ベスタリット、ミデナール
- 関
- ベザフィブレート
- 高脂血症用剤
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2183005G1048_1_10/2183005G1048_1_10?view=body
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ベザフィブラート
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-(4-{2-[(4-chlorobenzoyl)amino]ethyl}phenoxy)-2-methylpropanoic acid
|
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
MedlinePlus |
a682711 |
法的規制 |
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
Oral |
識別 |
CAS番号 |
41859-67-0 |
ATCコード |
C10AB02 |
PubChem |
CID: 39042 |
IUPHAR/BPS |
2668 |
DrugBank |
DB01393en:Template:drugbankcite |
ChemSpider |
35728 |
UNII |
Y9449Q51XH |
KEGG |
D01366en:Template:keggcite |
ChEBI |
CHEBI:47612en:Template:ebicite |
ChEMBL |
CHEMBL264374en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C19H20ClNO4 |
分子量 |
361.819 g/mol |
SMILES
-
O=C(c1ccc(Cl)cc1)NCCc2ccc(OC(C(=O)O)(C)C)cc2
|
InChI
-
InChI=1S/C19H20ClNO4/c1-19(2,18(23)24)25-16-9-3-13(4-10-16)11-12-21-17(22)14-5-7-15(20)8-6-14/h3-10H,11-12H2,1-2H3,(H,21,22)(H,23,24)
-
Key:IIBYAHWJQTYFKB-UHFFFAOYSA-N
|
ベザフィブラート(Bezafibrate、商品名:ベザトールSR、ベザリップ、開発コード:BF-759)は高脂血症の治療に用いられるフィブラート系薬剤の一つである。血中のLDLコレステロール及びトリグリセリドを低下させ、HDLコレステロールを上昇させる。
目次
- 1 歴史
- 2 作用機序
- 3 効能・効果
- 4 禁忌
- 5 副作用
- 6 他の用法
- 7 参考資料
歴史
1978年に西ドイツで販売が開始され、1983年に徐放性製剤が発売された[1]:1。日本では、1991年1月に徐放性製剤が承認された。
作用機序
他のフィブラート系薬剤同様、PPARαを活性化する。一部の研究では、PPARγ及びPPARδも活性化される事が示唆されている。
効能・効果
日本で承認されている効能・効果は「高脂血症(家族性を含む)」である。ベザフィブラートはLDLコレステロール及びトリグリセリドを減少させ、HDLコレステロールを増加させるので、複合型脂質異常症(英語版)の治療に有効である[2]。メタボリックシンドローム患者の心血管状態を改善する[3]。耐糖能の低下した患者に対する臨床試験の結果、ベザフィブラートは糖尿病の発生時期を遅らせる事が出来[4]、HOMA-IR指数(英語版)で評価されたインスリン抵抗性が改善した[5]。加えて、糖尿病又は高血糖症を伴う脂質異常症患者の前向き観察研究では、ベザフィブラートはヘモグロビンA1cの値を有意に改善し、抗糖尿病薬の併用が必要無くなった[6]。
禁忌
- 人工透析患者(腹膜透析を含む)
- 腎不全等の重篤な腎疾患の有る患者
- 血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の患者
- 過敏症の既往歴の有る患者
- 妊婦又は妊娠している可能性の有る婦人
原則禁忌
- 腎機能に関する臨床検査値に異常が有る患者へのスタチンとの併用
副作用
重篤な副作用はとして添付文書に記載されているものは、横紋筋融解症、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、黄疸、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑である[7][8]。
他の用法
豪州ではベザフィブラートとケノデオキシコール酸の合剤がC型肝炎の治療薬として販売されている。
ベザフィブラートはタウ蛋白質(英語版)の過剰なリン酸化並びにヒトタウ変異を有するトランスジェニックマウス(英語版)でのタウオパチー(英語版)を減少させる[9]。
参考資料
- ^ “ベザトールSR錠100mg/ベザトールSR錠200mg インタビューフォーム”. キッセイ薬品 (2010年11月). 2015年4月12日閲覧。
- ^ “Secondary prevention by raising HDL cholesterol and reducing triglycerides in patients with coronary artery disease: the Bezafibrate Infarction Prevention (BIP) study”. Circulation 102 (1): 21–7. (2000). doi:10.1161/01.cir.102.1.21. PMID 10880410.
- ^ Tenenbaum, A; Motro, M; Fisman, EZ; Tanne, D; Boyko, V; Behar, S (2005). “Bezafibrate for the secondary prevention of myocardial infarction in patients with metabolic syndrome”. Archives of Internal Medicine 165 (10): 1154–60. doi:10.1001/archinte.165.10.1154. PMID 15911729.
- ^ Tenenbaum, A; Motro, M; Fisman, EZ; Schwammenthal, E; Adler, Y; Goldenberg, I; Leor, J; Boyko, V et al. (2004). “Peroxisome proliferator-activated receptor ligand bezafibrate for prevention of type 2 diabetes mellitus in patients with coronary artery disease”. Circulation 109 (18): 2197–202. doi:10.1161/01.CIR.0000126824.12785.B6. PMID 15123532.
- ^ Tenenbaum, A; Fisman, EZ; Boyko, V; Benderly, M; Tanne, D; Haim, M; Matas, Z; Motro, M et al. (2006). “Attenuation of progression of insulin resistance in patients with coronary artery disease by bezafibrate”. Archives of Internal Medicine 166 (7): 737–41. doi:10.1001/archinte.166.7.737. PMID 16606809.
- ^ Teramoto T, Shirai K, Daida H, Yamada N. Effects of bezafibrate on lipid and glucose metabolism in dyslipidemic patients with diabetes: the J-BENEFIT study. Cardiovascular Diabetology(英語版) 2012, 11:29. http://www.cardiab.com/content/11/1/29, PMID 22439599
- ^ “ベザトールSR錠100mg/ベザトールSR錠200mg 添付文書” (2009年6月). 2015年4月12日閲覧。
- ^ “ベザリップ錠100mg/ベザリップ錠200mg 添付文書” (2011年1月). 2015年4月12日閲覧。
- ^ Dumont M, Stack C, Elipenahli C, Jainuddin S, Gerges M, Starkova N, Calingasan NY, Yang L, Tampellini D, Starkov AA, Chan RB, Di Paolo G, Pujol A, Beal MF (2012). “Bezafibrate administration improves behavioral deficits and tau pathology in P301S mice”. Human Molecular Genetics(英語版) 21 (23): 5091–5105. doi:10.1093/hmg/dds355. PMID 22922230.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 遷延した混合型薬物性肝障害に対して茵茵陳蒿湯を含む多剤薬物療法が有効であった2例
- 酒見 亮介,垣内 誠也,森光 洋介,久保 保彦,松垣 論,宗 祐人,酒見 美幸,下河辺 正行,原田 大,佐田 通夫
- 肝臓 53(5), 291-297, 2012-05-25
- 外傷後のケロイド治療及び術後のケロイド予防目的に対してトラニラスト(リザベン)を服用した2例の男性患者が内服終了後の約3週目より黄疸が出現し来院した.臨床所見ならびに検査所見などから2例ともトラニラストの薬物性肝障害を強く疑われ,ウルソデオキシコール酸(UDCA)製剤を内服したが,減黄を認めなかった.トラニラストにより,胆汁分泌機能の役割を担うビリルビントランスポーターに障害を来たしたと考え,我々 …
- NAID 10030625556
- 高中性脂肪血症合併2型糖尿病におけるベザフィブラートと速効型インスリン分泌促進薬併用療法の有効性,安全性について
- 水中のカルバマビピン,ジクロフェナック,ベザフィブラートの固相抽出-LC/MS/MS法による高感度分析法の開発
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- ベザフィブラートSRとは。効果、副作用、使用上の注意。血液中の悪玉コレステロールの量を減らし、善玉コレステロールの量を増やす作用があり、脂質異常症の治療に用いられます。 クロフィブラート製剤は、肝臓での ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベザスターSR錠100
組成
1錠中の有効成分:
添加物:
- ポビドン、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、ポリソルベート80
禁忌
人工透析患者(腹膜透析を含む)
腎不全などの重篤な腎疾患のある患者
血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 高脂血症(家族性を含む)
- 通常、成人にはベザフィブラートとして1日400mgを2回に分けて朝夕食後に経口投与する。
なお、腎機能障害を有する患者及び高齢者に対しては適宜減量すること。
- 本剤は主として腎臓を経て尿中に排泄されるので、腎機能障害のある患者への投与には十分注意する必要がある。投与にあたっては、下表の血清クレアチニン値に応じて減量すること。
また、高齢者では、加齢により腎機能の低下を認める一方で、筋肉量の低下から血清クレアチニン値の上昇が軽微であるため、下表のクレアチニンクリアランスに応じた投与量の調節を行うこと。
なお、投与量はクレアチニンクリアランスの実測値より設定することが望ましいが、患者の身体状況等を勘案し、実測することが困難である場合には、例えばクレアチニンクリアランスと高い相関性が得られる下記の安田の推定式を用いるなどにより、用量の設定を行うこと。
- 男性:(176−年齢)×体重/(100×血清クレアチニン値)
女性:(158−年齢)×体重/(100×血清クレアチニン値)
- 血清クレアチニン値:Scr≦1.5mg/dL
クレアチニンクレアランス:60mL/分≦Ccr
投与量:400mg/日(200mg×2)
- 血清クレアチニン値:1.5mg/dL<Scr<2.0mg/dL
クレアチニンクレアランス:50mL/分<Ccr<60mL/分
投与量:200mg/日(200mg×1)
- Scr:血清クレアチニン値
Ccr:クレアチニンクリアランス
慎重投与
腎疾患のある患者
- [症状の増悪及び横紋筋融解症があらわれることがある。](「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
血清クレアチニン値が1.5mg/dLを超える患者
- [横紋筋融解症があらわれることがある。] (「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
肝障害又はその既往歴のある患者
胆石又はその既往歴のある患者
抗凝血薬を投与中の患者
HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者
スルホニル尿素系血糖降下薬(グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド等)、ナテグリニド及びインスリンを投与中の患者
高齢者
重大な副作用
横紋筋融解症:
(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」1)の項参照)
アナフィラキシー様症状:
(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(顔面浮腫、口唇の腫脹等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fibrate
- 関
- フィブラート系薬物、高脂血症治療薬
- fibric acidの誘導体(fibric acid derivatves)
- PPAR activators
- HDL↑、LDL↓
- peroxisome proliferator activated receptor(PPAR)を介して薬理作用を発現←転写因子
- PPARα:肝臓、褐色脂肪細胞で発現。腎臓、心臓、骨格筋でやや発現 (GOO.957)
- 作用:(1)脂肪酸酸化、LPL合成↑、apoC-III↓ (GOO.957)
- apoC-IIIは肝臓分解やレセプターを介した(LDLなどの)取り込みのinhibitorとして機能 (GOO.957)
- HDL-Cの増加はapoA-IとApoA-IIの発現を刺激することによる (GOO.957)
フィブラート系薬物
[★]
- 同
- フィブラート系リポ蛋白代謝改善薬
- 関
- フィブラート
概念
- Fibrates such as clofibrate and gemfibrozil act mainly to lower plasma triacylglycerols by decreasing the secretion of triacylglycerol and cholesterol-containing VLDL by the liver. In addition, they stimulate hydrolysis of VLDL triacylglycerols by lipoprotein lipase. (harper)
薬理作用
作用機序
- RRARαに作用してこれを活性化、脂肪酸の分解を亢進する
フィブラート系薬物
[★]
ベザフィブラート、ベザフィブレート
[★]
- 英
- bezafibrate
- 関
- ベザフィブラート
[★]
- 英
- bulla, pulmonary bulla
- 同
- 気腫性嚢胞 emphysematous bulla
- 関
- ブレブ
- ブラ bulla 気腫性嚢胞 肺胞が破壊されてできた肺実質内の気腔
- 肺胞壁の破壊、融合、拡張により生じた気腫 ただし胸膜の弾性板の内側に留まっている