ナロキソン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
有効成分
添加物
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- バルビツール系薬剤等の非麻薬性中枢神経抑制剤又は病的原因による呼吸抑制のある患者[無効のため]
効能または効果
- 麻薬による呼吸抑制ならびに覚醒遅延の改善
- ナロキソン塩酸塩として、通常成人1回0.2mgを静脈内注射する。
効果不十分の場合、さらに2〜3分間隔で0.2mgを1〜2回追加投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
慎重投与
- 高血圧、心疾患のある患者[本剤によって麻薬等による抑制が急激に拮抗されると血圧上昇、頻脈等を起こすことがある。]
重大な副作用
肺水腫
頻度不明
- 肺水腫があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
呼吸抑制に対する拮抗作用6,7)
- モルヒネの静注により惹起されたウサギの呼吸抑制作用を指標として、本剤の拮抗作用の強さを他剤と比較した場合、レバロルファンの約3倍、ナロルフィンの約15倍強力である。
本剤のこうした呼吸抑制に対する拮抗作用の強さは、鎮痛作用に対する拮抗作用の強さに比し、2〜3倍強力であり、臨床上麻薬性鎮痛剤の鎮痛作用を減弱させることなく、呼吸抑制を緩解し得ることの裏付けとなっている。
麻薬様アゴニスト作用の有無8,9)
- アゴニスト作用とアンタゴニスト作用の比を表す有効拮抗力をモルモット摘出回腸による実験から求めた結果、[ID50(回腸縦走筋収縮を50%抑制するに要する濃度)/Ke(平衡定数)]はレバロルファンが3.8であるのに比し、ナロキソン塩酸塩は56,000以上であり、本剤には実質的には麻薬様のアゴニスト作用のないことが確認されている。
また、サルを用いた試験において、レバロルファンには麻薬様アゴニスト作用がみられたのに対し、ナロキソン塩酸塩は、モルヒネに起因した呼吸抑制作用に拮抗する100倍量を単独投与しても呼吸機能を抑制せず、本剤は麻薬様アゴニスト作用を有しないことが示唆されている。
作用機序10)
- ナロキソン塩酸塩は、オピエートレセプターにおいて麻薬性鎮痛剤の作用を競合的に拮抗することにより、これらの薬剤に起因する呼吸抑制等の作用を改善すると言われている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ナロキソン塩酸塩(Naloxone Hydrochloride)
化学名
- (5R ,14S )-17-Allyl-4,5-epoxy-3,14-dihydroxymorphinan-6-one monohydrochloride
分子式
分子量
性状
水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくい。
吸湿性である。
光によって着色する。
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- naloxone
- 化
- 塩酸ナロキソン, naloxone hydrochloride
- 商
- ナロキソン塩酸塩、Narcan
- 関
- オピオイド受容体
-
概要
作用機序
- オピオイド受容体のμ受容体、δ受容体、κ受容体の全ての受容体に対し拮抗的に結合する。
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関
[★]
- 英
- hydrochloride
- 関
- ハイドロクロライド