出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/06 18:15:44」(JST)
ドクターヘリとは、救急医療用の医療機器等を装備したヘリコプターであって、救急医療の専門医及び看護師が同乗し救急現場等に向かい、現場等から医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療を行うことができる専用ヘリコプターをいう。救急医療用ヘリコプターとも言う。その救急現場出動の内容も含めて記載するものとする。「航空救急医療活動」、「ヘリコプター救急医療活動」、「ヘリコプター救急」ともいう。
日本では「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」(以下、ドクターヘリ法と略す)が制定されている(平成19年6月27日法律第103号)。ドクターヘリを用いた救急医療が傷病者の救命、後遺症の軽減等に果たす役割の重要性にかんがみ、ドクターヘリを用いた救急医療の全国的な確保を図るための特別の措置を講ずることにより、良質かつ適切な救急医療を効率的に提供する体制の確保に寄与し、もって国民の健康の保持及び安心して暮らすことのできる社会の実現に資することを目的としている。「救急医療用ヘリコプター」(ドクターヘリ)とは、救急医療に必要な機器を装備、医薬品を搭載し、救急医療に係る高度の医療を提供している病院の施設として、その敷地内その他の当該病院の医師が直ちに搭乗することのできる場所に配備されている航空機を指す。ドクターヘリを用いた救急医療の確保に関する施策は、医師がドクターヘリに搭乗して速やかに傷病者の現在する場所に行き、ドクターヘリに装備した機器や搭載した医薬品を用いて傷病者に対し当該場所又はドクターヘリの機内において必要な治療を行いつつ、傷病者を速やかに医療機関その他の場所に搬送することのできる態勢を、地域の実情を踏まえつつ全国的に整備することを目標とするものとする。
経済的条件や地形的・気象的条件、場外離着陸場の確保の制約などから1990年代に至るまで、離島・僻地・船舶からの急患移送は行われていたものの、ドクターヘリなど機内や事故現場での治療はあまり行われてこなかった。しかし、1990年代から実験が行われ、その有効性が確かめられてからは、各地域での導入が進められている。日本に先んじて導入されたドイツでは、国内に73機配備されており、国内どこにでも要請から15分以内に到着できる。ドクターヘリ導入後、交通事故の死亡者が3分の1に激減したと言われている。
2001年に岡山県でドクターヘリ導入促進事業が始まって以来、ドクターヘリへの理解が進んで来ているが、ドイツ国内は73機配備しているのに対し2010年の日本は1道1府15県21機(2010年1月現在[1])の運用にとどまっていたのが実情である。最大の問題は、年間2億円近い運航費用の負担であり、昨今の地方自治体の財政事情で導入を躊躇しているところが多い。
また基地病院内や病院間の横の連携、十分な数の医師の確保、乗員の養成システム、ヘリポートの不足、運用時間が日中に限られ、夜間離着陸ができない事や、着陸する場所がまだ少ないなどといった、解決しなければならない課題が多い。ドクターヘリ事業者らは、「ドクターヘリが真に必要な地方ほどドクターヘリの導入が遅れている」とし、さらなる導入促進のために、運行経費を医療保険から補助するよう求める提言を行っている。これらに対して与党はドクターヘリ全国配備のため国会に新法案を議員立法で提出し2007年の通常国会にて可決、成立した。
ヘリコプターを所持する機関や団体が増え、医療機器の小型化(除細動器(デフブリレーター)、高速道路わきの発着専用場所(学校の校庭など含め)の増設により、事故によるが病院へ運ぶより医師が駆けつけた方が早いという要望にそえれるようになった。特に医療器の除細動器はさらに小型化されAEDとなって身近に設置、一般人が心臓発作で倒れた急病人を救う事がある。後述の阪神・淡路大震災では多くの道路が破壊され、使える道路に自家用車が殺到し大渋滞となりドクターカー等の使用が困難だったため、ドクターヘリが大きく活躍することとなった。
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救急医療専用ヘリコプター、操縦士、整備士および運航管理者等を運航会社との委託契約により配備される。運航を受託する会社は、トラブルや整備時のために代替機を確保するように努めなければならない。
MD902、EC135、BK117、ベル429、AW109SPグランドニュー
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地域別事情は、
2014年1月現在、専用機を運用しているのは、36箇所の43磯である。北海道は3機、青森県、千葉県、静岡県、長野県、兵庫県では2機が運航されている。
以上の記載ため、以下の略語を利用した。
消防・防災ヘリコプターの任務には救急搬送も含まれているため、下記以外の航空隊でも急患搬送は行っている。
ドクターヘリ事業のスタッフによって情報発信が行われている。
他のカタカナ語同様に、ドクターヘリも日本における造語であり英語圏では通じない名称なので注意が必要である。 ドクターは医師(人)を指す単語であって医療(行為)を指すものではないので、医療行為や医療施設など全般に対してドクターという単語を使う事は無く、ヘリコプターをヘリと省略するのも日本独自の省略語で英語でのHeliには本来全く別の意味がある。
英語圏では主に、Air Ambulance(固定翼・回転翼両方)、 Medical Helicopter(回転翼のみ) などと呼ばれ、同乗するのはドクター(医師)ではなく、主にParamedic(救急医療治療士)やEMT(Emergency Medical Technician)である。 航空緊急搬送を通称でAir Lift、Air Liftedと表すが、吊って搬送するわけではなく着陸して担架で運び入れる場合も同様に表す。 例:disaster victims were air lifted to local hospital.
米国の救急搬送は自治体の救急車であっても有料なので、官民共にAir Ambulanceも有料であり、多くは基本料金150万円前後+1マイル(1.6 km)に付き1万円前後+機内の医療処置料の料金体系を取っている。 状況により多くの場合は医療保険の適用範囲である。
en:London Air Ambulance 1990年から運航開始された。ロンドン市内は電線が地中化されているため、一般道に発着することもある。
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