- 英
- scirrhous
- 関
- 硬性、スキルス癌、スキルス胃癌
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/12/23 00:58:47」(JST)
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スキルス胃癌 |
進行したスキルス胃癌の内視鏡像。胃全体に癌が浸潤し、革袋様にみえる。
|
分類および外部参照情報 |
診療科・
学術分野 |
腫瘍学 |
ICD-10 |
C16.9 |
ICD-9-CM |
151.9 |
ICD-O |
M8142/3 |
MeSH |
D008039 |
スキルス(scirrhous)とは悪性腫瘍にみられる間質が多い癌の一種で、瀰漫(びまん)性に浸潤していくものを指す。硬癌(こうがん)ともいう。語源はギリシャ語のskirrhos(硬い腫瘍)。胃癌、大腸癌や乳癌でこのような形での発育・浸潤がみられることがある。
目次
- 1 スキルス胃癌
- 2 著名な患者
- 3 参照・引用
- 4 外部リンク
- 5 関連項目
スキルス胃癌
ひとかたまりにならず、正常組織に染み渡るように癌が浸潤するため、病変の表面が正常組織に覆われていたり、病変内に飛び石のように正常組織が残っていることがある。また分化型腺癌と異なり、血管も破壊しながら発育するため、スキルス胃癌では上部消化管内視鏡で狭帯域光観察 (NBI) を用いても病変が茶褐色に描出しにくい(むしろ白色にみえる)。
病理学が発展する前、スキルス胃癌が悪性腫瘍と分かるまでは、一種の胃炎と考えられていたため英語の医学用語では現在もlinitis plastica(形成性胃炎の意)と名付けられている。
スキルス胃癌はヘリコバクター・ピロリとの関連は少ないことが報告されている。
この種類の胃癌はアジア各国、特に日本での報告が多い。遺伝性びまん性胃癌家系はニュージーランドのマオリ族で見出されており、CDH1遺伝子変異によるE-cadherinの機能不全がある。この家系では胃の印環細胞癌が多発し、女性では乳腺小葉癌もみられる[1]。PSCAの遺伝子変異[2]やRhoAの遺伝子変異[3]も関与が研究されている。
形態
スキルス胃癌の内視鏡像。胃全体に癌が浸潤し、革袋状の形態を呈している。また出血もみられる。
びまん性胃癌の特徴は、低分化型癌細胞がみられることである。また印環細胞癌もしばしばみられる。
進行したスキルス胃癌の形態は「革袋様」と呼ばれる[4]。これは腫瘍細胞がびまん性に浸潤し、過度の線維化が起こり、厚く硬い胃壁となるためである。
上部消化管内視鏡検査や胃透視検査により、早期の未分化型あるいは低分化型胃癌が発見されることもある。この場合は革袋状胃 (= linitis plastica) には至っていない。早期病変の内側に、「聖域」と呼ばれる遺残した正常粘膜や「インゼル」と呼ばれる発赤した再生粘膜がみられることがある。病変の縁は「断崖」状で、分化型胃癌のような蚕食像がみられないことが多い。
症状
症状として多いのは一回に取れる食事量が減る、食欲不振、吐き気、血便・黒色便、体重減少などである。下痢を伴うことがある。
著名な患者
- ナポレオンと彼の家族の多くはスキルス胃癌で亡くなっている[5]。しかしナポレオン自身はヒ素中毒で亡くなったとも信じられている[6]。
- 逸見政孝(元アナウンサー、司会者。1993年9月、がん告白会見の3ヶ月後の同年12月に48歳で死去。また、逸見の弟もスキルス胃癌で亡くなっている)
- 手塚治虫(漫画家)
- 成田三樹夫(俳優。闘病生活の末、55歳で死去)
- 佐久間正英(ミュージシャン、音楽プロデューサー。61歳で死去)
- 堀江しのぶ(タレント、女優。23歳で死去)
- 岡崎律子(シンガーソングライター。メロキュア結成の翌年に発症。闘病生活をしながら創作活動を行っていたが、2004年に死去)
- 森徹 (スキー選手)(1998年2月開催の長野オリンピック・男子モーグル日本代表候補だったが断念。同年7月、25歳で死去)
- 塩沢とき
- 石野見幸
- 小林すすむ
- 宮迫博之(初期のスキルス胃癌であったため一命を取り留め、休養を経て復帰している)
- 黒木奈々(32歳で死去)
参照・引用
- ^ Seevaratnam R, et al: Gatric Cancer. 2012;15:S153-63.
- ^ Genetic variation in PSCA is associated with susceptibility to diffuse-type gastric cancer. Nat Genet. 2008 Jun;40(6):730-40.
- ^ Recurrent gain-of-function mutations of RHOA in diffuse-type gastric carcinoma. Nat Genet. 2014 Jun;46(6):583-7.
- ^ "linitis plastica" - ドーランド医学辞典
- ^ The Biology of Gastric Cancers. Timothy C. Wang, James G. Fox, and Andrew S. Giraud. 2009, 251-252.
- ^ Bevan S, Houlston RS (1999). “Genetic predisposition to gastric cancer”. QJM : monthly journal of the Association of Physicians 92 (1): 5・10. PMID 10209666. http://qjmed.oxfordjournals.org/cgi/content/full/92/1/5.
外部リンク
- "Carcinoma of the Stomach." at patient.co.uk
- 67502105 - GPnotebook
関連項目
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- 1. 悪性肝腫瘍の病理 pathology of malignant liver tumors
- 2. 膵外分泌腫瘍の病理 pathology of exocrine pancreatic neoplasms
- 3. 成人における末梢リンパ節腫大の評価 evaluation of peripheral lymphadenopathy in adults
- 4. 縦隔および後腹膜を含む性腺外胚細胞腫瘍 extragonadal germ cell tumors involving the mediastinum and retroperitoneum
- 5. 胆管癌の疫学、病因、および分類 epidemiology pathogenesis and classification of cholangiocarcinoma
Japanese Journal
- Topics from special edition ヒトスキルス胃がん細胞株HSC-39由来の薬剤耐性変異株の樹立
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- 強剛性、強直、硬直、固縮、困難、硬い、硬質、スキルス
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- scirrhous gastric cancer
- 同
- 胃癌取扱い規約肉眼分類4型、ボールマン4型 Borrmann type 4
- 関
- 胃癌、硬性癌、印環細胞癌
- 肉眼的にびまん浸潤型(4型)に分類される。
- 組織型としては、典型的には印環細胞がみられる。この組織型の癌は低分化で浸潤性が高く、予後は不良である。
参考
- http://bsiyo.tumblr.com/post/2665408695/1732
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